ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

味も見ておく使い魔-3

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

味も見ておく使い魔-3



ルイズは顔のデッサンを狂わせた露伴を連れて大学の講義室のような部屋に向かった。
次の魔法の授業はそこで行われるのだ。
ルイズと露伴が中にはいって行くと、先に教室にいた生徒たちが一斉に振り向いた。
そして露伴の顔を見て唖然とする。
その中にブチャラティもいた。周りを女子が取り囲んでいる。キュルケもいた。
皆、目から『恋する乙女ビーム』をブチャラティに発射している。
(さすがブチャラティ!普通の平民にできないことを平然とやってのける!)
(そこにシビれる!あこがれるゥ!)
「む、すまないがみんな。ルイズがきた。オレは彼女のところに行かなくちゃあならない」
「あ、あんたなに…」
ルイズの発言は別の男子生徒の絶叫で打ち切られた。
「たかが平民のくせして!僕のモンモランシーに手を出すな!」
「ギーシュ、おまえモンモランシーと付き合っていたのか?」
「君はケティと付き合ってたんじゃなかったのか?」
教室内が騒然となる。
「君に『決闘』を申し込む!場所はヴェストリの広場!時間はこの授業のあとだ!」
「別に私はあなたのものになった覚えはないわ」
「いいぞ!生意気な平民をブッチめてやれ!」
「ギーシュ!あなた大人気なくてよ?」
「僕の(脳内の)彼女をとられた恨みを晴らしてくれギーシュ!」
唖然としているルイズを除いて、教室内にいる人の行動は見事に3つに分かれていた。
女子生徒のほぼ全員はブチャラティを擁護する。
男子生徒のすべては半ベソをかきながらギーシュを煽り立てる。
そして約一名、スケッチしている。
この『サバイバー』が発動したような混乱は、教師のミセス・シュヴィールズが教室に入り、生徒全員の口に赤土の粘土が押し付けられるまで続いた。


「今は失われた系統である『虚無』をあわせて、全部で五つの系統があることは皆さんも知ってのとおりです…」
ミセス・シュヴィールズの講義が続く。ルイズの使い魔たちは近くの床に座って興味深そうに話を聞いている。
ルイズは、使い魔に椅子に座らせるつもりはなかったし、そもそも学生用の椅子では小さすぎて、この二人の体格では座れないのだ。
ルイズはブチャラティのことが気になって、講義が耳に入っていなかった。
(なによ、キュルケなんかといちゃついて!こいつ私の使い魔って自覚があるのかしら?)
(それにメイジと決闘?平民が?怪我じゃすまないわ!)
「ねえ、ブチャラティ。あなた決闘を受けるつもり?」
自分の使い魔に小声で話しかける。
「そのつもりだが?受けなけれは収拾がつかないだろう」
「それよりもだ。君にひとつ質問がある。
メイジには得意な魔法を冠した二つ名をつけるそうじゃないか。
キュルケは火の『微熱』、シュヴィールズは土の『赤土』だそうだが、君の『ゼロ』というのはいったいなんだ?
キュルケ達に聞いても笑ってごまかされてしまった。」
「なんだっていいでしょう!」
講義中に叫んだので、ルイズは先生に見咎められてしまった。
「ミス・ヴァリエール!」
「は、はい!」
「おしゃべりする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
「え?わたし?」
「そうです。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」

「わかりました。やります」
「ルイズ。やめて」
ルイズは、蒼白な顔で懇願するキュルケを無視して立ち上がる。
そして緊張した顔で、つかつかと教室の前へ歩いていった。
「君、これは好意で言っておくが、命が惜しいなら何か物陰に隠れたほうがいいぞ」
ロハンが机の下に隠れながら話しかけてきた。
よく見ると、他の生徒も椅子や机の下に隠れている。
「どういうことだ?」
その瞬間、教壇からすさまじい爆風が破片とともに襲ってきた。

「おおおおお!」
「も、ものすごい破片飛沫の広がりとその爆発のスピード!」
「床に伏せるか!」
「それとも飛んでよけるか!」
「だめだ!どうしても広がり飛んでくる破片のどれかに当たってしまう!」
「これしかない!」

『スティッキィ・フィンガーズ!』


服についたほホコリを掃いながらブチャラティはつぶやいた。
「つまり、彼女は魔法成功率が『ゼロ』だから『ゼロのルイズ』と呼ばれているわけか…」
「悪いことを聞いてしまったな…」


岸辺露伴はこの惨状を冷静に観察していた。
ルイズの爆発の被害は、その規模と比べて小さなものにとどまった。
ブチャラティは無傷。
爆心地にいたルイズも、服はボロボロだがなぜか無傷。
ミセス・シュヴィールズは倒れているが、
ピクピクと痙攣しているから死んではいないだろう。
そのほかの被害は、教室が『靴のムカデ屋』が爆発したように滅茶苦茶になっているほかは、ガラガラ声の小太りなメイジが一名、脳を半分シェイクされた程度で済んだ。
先生が気絶しているので、授業は必然的にお開きとなっている。
ブチャラティと生徒達はぞろぞろと部屋の外に向かっている。
おそらく『決闘』を見物しに行くのだろう。
「ロハン、あなたはここをきれいにしておいて」
ルイズがあせったように話しかけてくる。事実あせっているようだ。
「ここの掃除は君自身がすべきじゃないのか?」
「それはそうだけど!私はブチャラティを止めてくる!このままじゃ彼殺されてしまうわ!」
そういい捨てて、もうすでに姿の見えないブチャラティを追いかけていった。
「僕も『決闘』を見たいんだがな…」
掃除をするか、無視して見物にいくか考えていると、誰かに右腕の袖をつかまれていた。
「ん?なんだ?」
振り返ると、青い髪の少女がいた。
「手伝う…」
「手伝ってくれるのはありがたいが、『決闘』は見なくていいのか?」
「『決闘』に興味はない」
「それよりもあなたはしばみ草を『イケる』といった」
「だから、仲間」
手を差し出してくる
「あ、ありがとう…」
そういいながら僕は彼女と固い握手を交わした。


To Be Continued...







タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー