ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第七話『悶えルイズ、萌えルイズ』

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匿名ユーザー

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(・・・まずいわ。マジでヤバイ。本当に勘弁してください)
ルイズは困っていた。ハイウェイトゥヘルが発動しそうなぐらい困っていた。
彼女の人生中、堂々のナンバー1で困っていた。
事前になにかを仕込むのは諦めた。
本番でなにもしてくれないだろうというのも覚悟していた。
だがしかし、まさか直前でいなくなるのは予想できなかった。
(なんでこうなるのよぉぉぉぉぉぉ――――!!)
何百人もの観客が見ている舞台の上で、独りぼっちのルイズは心の中で絶叫した。

『変な帽子みたいな使い魔』

一時間経過ッ!
実際は一分もたっていないがルイズにはそう感じられた。
次第に観客たちもなにかおかしいと『ざわ・・・ざわ・・・』とし始める。
(もう消えたい!今すぐここからいなくなりたい!メタリカ!メタリカ!メタリカ!)
心の中で魔法の呪文を連呼するも、現実は非情である。消えるわけがない。
前もって考えていた挨拶など、すでに綺麗に消し飛んでいる。
かわりにルイズの頭の中では、自分の使い魔であるあの帽子への呪詛が渦巻いていた。

(殺す!絶対殺す!あのクソ帽子!今まで下手に出てりゃあつけあがりやがってえええ!!
 役に立たないだけならまだしも御主人様に迷惑かけるなんてもってのほかよ!
 姫さまの前でこんな恥をかかせるなんて!信じらんない!!
 本当に殺す!ぶっ殺す!通販で買ったロンギヌスの槍で刺し殺す!
 その後1サント角で細切れにしてホルマリン漬けにして保管してやる!
 とにかくもう・・・もう・・・!)

(もう絶対に許さないんだからぁ!バカ帽子――――ッ!)

と、そのとき。


 ・・・キィィィィィィィィィィン・・・


ルイズは『何か』を感じた。
家に帰ったら音が聞こえないのにテレビがついているのがわかった、そんな感覚。

(へ?・・・なにこれ?・・・)

ルイズが違和感を感じた、その瞬間。
さわっ
「ひゃんっ」
なにかにお尻を撫でられた。いや、
「なっ、なにこれ?ひんっ!・・・やっ・・・」
お尻だけでなく、全身にまるで羽根で撫でられるようなむずがゆい感覚がはしる。
「・・・んっ・・・ふぁっ・・・いやぁ・・・」
たまらずルイズはペタンとへたり込んだ。足に力が入らない。

いきなりルイズが崩れ落ちたのを見て、観客に動揺がはしる。
観客のざわめきがルイズの耳にも届いた。
アンリエッタも友人であるルイズを心配している。
何百人という観客、そして友人であるアンリエッタがルイズを見ている。
(いやぁ・・・見られてるよぉ・・・)
恥ずかしさに耐え兼ね、ルイズは自分の肩を抱き、
ぎゅっと目をつむった。

(・・・あれ?・・・)
目をつむると、まぶたの裏になにかが見えてきた。
否。『見えて』いるのではない。
身体中からの感覚が、ルイズの脳裏にイメージを描き出しているのだ。
そのイメージはおぼろげで曖昧なものであったが、
ルイズはなにか巨大なものが動いているのを『感じた』。

(なんなの?これ?)
ルイズはそのイメージをより『感じよう』と神経を集中させた。
瞬く間にイメージが鮮明になっていく。
それは巨大な土のゴーレムだ。30メイルはあるだろう。
右肩には人が一人乗っている。ローブで身を包んでいて詳しくはわからないが恐らく、女。
ゴーレムはその巨大な腕を振り回し、そのたびに周囲に衝撃がはしる。
なにかを殴っているようだ。恐らくどこかの壁を。
どこだろうか?その疑問をルイズが考えた瞬間、イメージが変化する。
それは地図。学院を真上からみたイメージが脳内に広がった。
それによってゴーレムが暴れている位置を確認する。
ルイズのいる品評会会場からは死角になっている『そこ』は・・・

(本塔の『宝物庫』・・・!)

「宝物庫がゴーレムに襲われていますッ!」
ルイズは立ち上がりそう叫ぶと、舞台から飛び降りて宝物庫へと駆け出した。

一方観客たちは、アンリエッタやオールド・オスマンを含め、皆ポカーンとしていた。
少女が使い魔も連れずに出てきたかと思えば、
いきなり色っぽく喘いで悶えだし、へたり込み、
「宝物庫がゴーレムに襲われていますッ!」ときたもんだ。
カオスにもほどがある。
よって観客たちは数分後、
「大変ですぞッ!宝物庫に謎のゴーレムが!」
とコルベールがあわてて駆け込んでくるまで、
ずっとマヌケ面でポカーンとしていた。


第七話『悶えルイズ、萌えルイズ』完ッ!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・!!




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