ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

不死の使い魔 召喚3回目

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トイレから部屋に戻ったルイズは、昨日呼び出した使い魔について考えていた
(朝食は抜いた、死体は芯まで凍っていた為、血こそ飛び散らなかったものの食欲が消えるには十分だった
粉々になった死体は部屋に戻ると昨日の様に消えていた、消えて無かったら今頃いい感じでスプラッタだったろう)

おかしい、落ち着いて考えてみると確かにおかしい
死体が消えるのもそうだけど、死んだ筈なのに再び召喚されるっていうのは如何考えてもありえない
死んだ、自分の目の前で死んだ、なのに召喚されて動いて喋っていた
屍生人?吸血鬼?アヴドゥル?どれも違うように思える
それよりも「死んでも召喚されれば生き返る」のではないか?
そう思えた
もう一度呼び出してみれば分かるかもしれない

疑問を確かめるべく、三回目の召喚を行う

これであの男が出てくれば確定だ、自分が呼び出したのは只の平民などではない
何か力を持った存在なのだ、馬鹿にされる様な使い魔等ではないのだ

そう思うと落胆していた気持ちが高揚していくのを感じた

「あらためて、アンタ誰」
「…ディアボロだ」

過去2度の召喚と同様に杖の先に現れた男は落ち着いていた
絶え間無く周囲を見回し警戒していること隠さなかったが、こちらを見て怯えるということは無かった
ディアボロの落ち着きを見て取ったルイズは
ディアボロを召喚したこと、ディアボロが使い魔であること、使い魔とは何であるかを説明した

「自分の置かれた立場が分かったわね」
「じゃあ私の疑問に答えて貰えるかしら
彼方は何故生き返ったの? 前に呼び出した時は確かに死んでいた筈だわ
甦る力があるの?それとも死んでいなかったの?」

ディアボロは警戒を解かぬまま口を開く
「…私はある戦い以来、何処から来るか何時来るか分からない死に襲われ続けている」
「一度死んでもそれで終わりではない、場所が変わり時が変わりまた死が襲ってくる」

「…まるで死の呪いね」

「ルイズ…だったな」
「お前の話は理解できた、だがそれはお前の都合であり私には関係の無いことだ
使い魔が欲しいのなら別のを探すんだな」

この男の言葉には凄みがある、言葉を裏打ちするだけの力を持っているのだ
逃す訳には行かない
ここで逃せば自分は本当に何も無い「ゼロ」になってしまう
しかしこのままでは引き止められない

ルイズは何かこの男を留めて置けるなにかはないかと必死に頭を働かせた
力?金?カラダ?いや違う
男の喋った言葉の中にあったそれに気付く、思いつくままに口を動かす

「死ぬ度に時間と場所が変わる、そう言ったわね」
「それならばあれほどまでに周りを恐れていたのは分かるわ」
「何も分からぬままいつまでも流され続ける、これほどの恐怖は無いものね」
「でも、今の彼方は落ち着いている、死を恐れているものの落ち着いているわ」
「それは安心したからじゃあないかしら、状況が理解できる範囲にあることに」
「私に呼ばれてから別の場所で死んだことはあった?無いんじゃないの?」
「それは契約を結んだことで呪いに変化があったと考えられるわ」
「だから私の元を離れたり、私を殺したりすればその安心は失われるかもしれないわよ」
「何処とも知れぬ場所で永遠に死に続ける、そんなのに耐えられるかしら」

一気にまくし立てたルイズは息を整え、最後の決め手と言わんばかりに言い放った
「これは機会よ!慈悲深い御主人様が与えた最後の機会!
逃したならもう二度と救われることは無いわね」

ディアボロがルイズを見る
「よく喋る口だ…つまり利害が一致した訳だな、お前は使い魔が欲しい、私は平穏を必要としている
いいだろう、使い魔になってやろうじゃあないか」

ルイズは笑みを浮かべた
やった、ほとんどでまかせだったがこの男は使い魔になると言った
ディアボロの言葉遣いや態度は気に入らないが、とにもかくにも使い魔を得ることが出来たのだ

「じゃあ行くわよ、ついて来なさい」
「何処にだ」
「教室によ、使い魔は主と行動を共にするものよ」

教室は大学の講義室という風だった
何か異なることといえば生徒達が皆何かしら生き物を従えていることだろう
道すがら見かける様なものもいれば、動物園で目にするようなものもいる
ディアボロの目を引いたのは中でも物語の中でしか存在し得ない筈の生き物達だ
(ここでは幻獣と称するらしい、ルイズの話の中で出ていた)

(イタリアではないことだけは確からしいな)

この小娘に出会ってから2度死んだ、死んだ次の場面は2度とも小娘の前だった
今までこんなことは無かった、時間も場所繋がり無く変わり訳も分からぬまま死を繰り返した
小娘のでまかせを思い出す
確かに以前の状態に戻らないという保証は無い
認めたくは無いが自分はあの小僧に破れ絶頂から転げ落ちてしまったのだ
今は崖に生えた細い枝に服が引っ掛かった様な極めて不安定な状態だ
少しでも重心を崩せば再び奈落の底へと転落してしまうだろう
しっかりと三点確保を維持しながら崖を上らねばならない
迂闊な行動は出来ない
絶頂であり続ける為には…

「コッチヲ見ロォ~~ッ」
「ん………?」

顔を起こしたディアボロに散弾の様な石の破片が突き刺さり、ついで爆風が体を粉々に吹き飛ばした

■今回のボスの死因
ルイズの失敗魔法の巻き添えで爆死


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