ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔ファイト-2

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匿名ユーザー

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 ああ困った困った困った弱った弱った。
「表面的には焦っていても、心の中では常にクール」がモットーのルイズちゃんだけど、こればっかりは本当にまいった。
「おいおい後がつかえてるんだぞ。さっさと終わらせろよゼロのルイズ」
「あなたのせいで私達まで使い魔無しなんてことになったらどうするのよ」
「そうだぞ、くだらないワガママ言うなよ。立派な眼鏡じゃないか」
 ここでまたドカン。笑われるかわいそうなわたし。
 眼鏡。眼鏡かあ。眼鏡だよねぇ。眼鏡、眼鏡。うううう。ああああ。
 くうう……慌てるな。落ち着くんだ。
 冷静になるんだルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。名前長っ。
「うるさいわね! あなた達ちょっと黙ってなさいよ!」
 とりあえず怒鳴り返すポーズだけはとっておくとして……さてどうする。
 今はまだ笑う余裕があるけど、これ以上時間を使えばまわりの空気も悪くなるでしょ。
 そうなればわたしが悪者みたくなって、皆に責められる。
 この後いまいちな使い魔召喚した子達はきっと
「ルイズの馬鹿が時間使いすぎやがって。おかげで俺までとばっちりさ」
「まったく、ゼロのルイズにも困ったもんだな」
 ダメダメダメ。これはダメ。
 なんで他人の使い魔までわたしの責任になるのよ。おかしいでしょ。
 だいたいここでゴネきって再召喚させてもらうとしても、この眼鏡が出てくるまですでに呪文詠唱十七回。
 十八回目も手ごたえ無しで爆発、こりゃ当然失敗したと思ったらそこにはこの眼鏡。
 やり直すとしても……まあ、普通に考えて成功する見込み無し。
「さっさと契約しなさい、ミス・ヴァリエール。眼鏡の何が悪いというのかね」
 この毛髪ツンドラ地帯、人事だと思っていい加減なこと言ってくれるじゃないの。
「眼鏡は悪くない」
 だったらあんたの使い魔にしなさいよザ・眼鏡。
「そろそろあきらめろよゼロのルイズ!」
 みんな静かに。考えがまとまらない。笑うなマリコルヌ。肉屋に卸すよ。
 グラモンの馬鹿、いちいち隣の縦ロールにささやいてるんじゃない。
 グラモンの阿呆、その好奇心丸出しな顔を引っ込めなさい。

 うううう。どうしようかなあ。眼鏡で我慢すべきかなあ。嫌だなあ。でも使い魔無しよりは眼鏡かなあ。
 フレームをつついてみた。レンズをノックして、蝶番を何回か開閉させてみる。
 実体が無かったり、この世界には無い物で作られていたり、わたしに話しかけてきたりすることはない。
 まごう事なき、混じりっ気無し、誰が見ても正真正銘、ただの眼鏡だ。
 コレ本当に眼鏡以外の何者でもないね。なのにわたしの使い魔だってさ。困ったね。あはははははは。
 もうどうにでもなれとダメモトで眼鏡をかけてみた。
 お、ちょっとすごいな。かなり遠くの方までしっかり見える。
 べつに目ぇ悪いわけじゃないんだけど、それでも効くもんねぇ。
 ただ見た目だけじゃなく、実際的なところにも気を配ってるってわけか。
 すごいねコレ。眼鏡なんだけどね。あははははははははははははははははははは。
 ……なんかもうどうでもよくなってきた。疲れた。
 人間であり、貴族でもあるこのわたしが、なぜ眼鏡ごときにここまで気を遣わなければならないのか。
 もういいよ。眼鏡眼鏡。みんなのばーかばーか。うんこうんこ。
「ミス・ヴァリエール。気は済んだかのな」
「……はい」
 なるだけ情けない顔にはならないよう振り向いたけど、あたしの努力は結局無駄に終わった。
 どれだけ頑張ったっていつもこうなる。
 もう本当にね。みなさんかんべんしてください。
 眼鏡を額の上に押しやって、肉眼で皆を見る。普通だ。
 眼鏡を鼻の上に据え付けて、レンズ越しで皆を見る。普通に全裸だ。
 お前もうコラいんちき眼鏡いい加減にしなさいよ。

「どうしたのかね?」
「いえ、あの」
「気分でも悪いのかね?」
「あ、ちょ、ちょっと待ってくださいミスタ・コルベール! そこで止まって!」
 全裸のまま真顔で近づいてくる人間がいればわたしもビビる。
 しかも、その、なんというか、コルベール先生は他の男子に比べて、その……。
 ま、まあいいや。意外な人の意外な発見は置いておくとして、問題はこの眼鏡だ。
 みんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔でわたしを見ている。
 眼鏡をかけると、全裸のみんなが「何やってんだこの馬鹿?」って顔で見ている。馬鹿はあんたらだよ。
 何度か繰り返してみたけど、やっぱりこの眼鏡をかけるとおかしなことになる。
 これはひょっとして、ただの眼鏡じゃない? それともわたしの頭がおかしくなった?
 あ、キュルケってばちゃんと下の毛も赤いのね。そりゃそうか。
「ちょっとモンモランシー」
「なによゼロのルイズ」
「あなた、昨日の晩虫に刺されたりしなかった?」
 モンモランシーは怪訝な顔で
「何で知ってるの?」
「肩とか?」
「だから何で知ってるのよ」
 本物だ……この眼鏡は本物だ。ひょっとしたらわたしはとんでもない物を呼び出してしまったのかもしれないぞ。
 あ、キュルケのおっぱいすごい。乳房とかいうべきなのかもしれないけどあえてこう言う。おっぱい。
 でかいだけだと思ってたけど大きさだけじゃないわ。大きなおっぱいにありがちな形崩れが全く無い。
 トレーニングとかしてんのかな。バストアップの体操とか。
 でも努力のしがいもあるよね。あれだけ大きかったらわたしだってするもん。
 いいなあキュルケばっかり。おっぱい大きいし、魔法もすごいし。いいなあああ。
「ちょっとルイズ。何よ、人のことじろじろ見て」
「そっちこそ何よキュルケ。なんでわたしがあなたを見るのよ。自意識過剰なんじゃないの」
 乳首の色も綺麗な桜色。褐色の肌によく映えること。いいなああああ。


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