ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ディアボロの大冒険Ⅱ-2

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匿名ユーザー

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(敵意を感じないな)
ディアボロは少女や遠くに居る数十人の人間と、モンスター達から敵意を感じ取れないのに気付いた。
それは何の根拠も無しに、『敵では無い』とディアボロが何となく感じるだけ、だが。
初めて会った者が自分の敵か味方か、はたまた中立のポジションであるかを一瞬で見分ける事が出来る自分の感覚を信じてみるディアボロ。
・・・・・・レクイエムをくらう前は、裏切り者に気付かないお茶目さんだったが。
まあ、取り敢えず、少女を殴り殺すのを止め、ディアボロは盲目が治るのを待つ事にした。

30秒が経過して閃光による盲目が治ったルイズとその他大勢。
「今、何か凄い光が見えなかったか?」
「俺も見えた、何だったんだ今の?」
とか、何とか遠くから声が聞こえるが。
ディアボロの目の前ではルイズとコルベールが何やら言葉による激しい舌戦を交わしている。

「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しを「駄目だ」
「でも! 平民を使い魔にするなんて聞いた事「君が最初の例となれば良い」
「………「早くしたまえ」
愚図ったままで行動を起こさないルイズを見ながら、コルベールは疲れたように自分の肩を叩いた。

「ふぅ……ミス・ヴァリエール。君も分かっているだろう?
 二年生に進級する際、君達は『使い魔』を召喚する。
 それによって現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む」

それぐらいは分かっていると頷くルイズを見ながら、コルベールは語調を一気に強めた。

「分かっているなら早く契約したまえ!使い魔召喚は神聖な儀式なのだ!
 一度呼び出した『使い魔』が平民だからと言ってやり直しを認めるわけにはいかない!
 平民の子供じゃあるまいし、見っとも無い駄々を捏ねるのは止めたまえ!!!!」

激しい叫びにビクッと震えるルイズと、その周りの生徒達。
コルベールはいきなりの血圧上昇に髪が更に薄くなった。

そのルイズとコルベールの会話をしっかり聞いていたディアボロは状況をやや理解した。
(ここはどうやらメルヘンやファンタジーな世界らしい)
(目の前の子供の手によって、自分はホテルからここに来た)
(周りの全員が行っているようであり、スタンド能力では無いようだ)
(本来はドラゴンのようなモンスターが現れるようだが、あの子供は失敗したらしい)
(召喚された者は、召喚した者の使い魔となる。と言う事か?)
ディアボロは使い魔が何をする職業であるか具体的には知らない。
が、意味的にどんな事をするのかはだいたい想像できた。

(私はこの子供の使い魔になるのか?)
ディアボロは目の前の子供を凝視する。
彼の目に、ルイズは生意気そうな顔をした女の子と映った。
碌な事が起きないと言う予知のような考えも出てくる。
だが、そこで疑問が浮かぶディアボロ。
(使い魔とは契約するらしいが、どんな事をするんだ?)

ルイズは自分が召喚した平民を見た。
身長は180サントはあろうか、下半身はズボンだが上半身は女物の下着のみを着ている。
髪の所々に斑点が浮いていて、どうみても変態です、ありがとうございました。
チラと後ろを振り向くと、こちらを睨んで来るコルベールの顔。
ルイズは泣きたくなった、が。覚悟を決める。
契約する前に、コルベールが真剣に全力で気合を入れて禿て欲しいとルイズは念じた。

(ううう、自分が召喚したんだからやらなくちゃ)

少々背が高い変態の顔を見ながら、ルイズは少しジャンプして――――
一瞬、その変体の口と口を重ね合わせた。
トン、とルイズは着地した。それはほんの一瞬の出来事。

(うううう、ファーストキスなのにぃぃぃ)
何が悲しくてこんな変態とやらねばならぬのか、泣きたくなるルイズ。
その変態はどんな顔をしているんだろうか?ちょっと気になったルイズはディアボロの顔を伺う。
(何よ!拍子抜けしたような顔てるんじゃないわよ!こんな美少女とキス出来たんだからちょっとは照れるぐらいしなさいよね!?)

(これが契約か……期待外れだ)
異常な強風が吹いて、空からデカイ十字架みたいな物体が落ちてくるようなド派手なイベントを期待したディアボロだが。
実際には少女とのキスだけ。かなり拍子抜けする。
だが、次の瞬間、ディアボロは左手に焼き鏝を押されたような感覚を感じた
焼死を何度も経験しているディアボロに耐えられない程の熱ではないが、痛みに慣れている彼にも予想外の突然だった。
「何!?」
慌てて左手見てみると、そこには何かの文字が刻まれていた。

何事かと思索するディアボロの近くにコルベールがやって来て手に刻まれたルーンを見る。
「ふむ、珍しいルーンだな……じゃあみんな教室に戻るぞ」

そう言って彼は宙に浮いた、フライの魔法だ。
周りの生徒も同じようにフライを使い、城のような建物に飛んでいった。
「スタンドは…見えない。あれが魔法か…さすがはメルヘンでファンタジーな世界だな」
その不可思議な光景にディアボロは感嘆の声を挙げる。

「ルイズは飛んで行かないのか?」
「あいつの二つ名を忘れたのかよ?『ゼロ』のルイズは『フライ』はおろか、『レビテーション』さえまともにできないんだぜ」

(フライ……空を飛ぶ魔法の名か?)
そしてその魔法が使えないらしいルイズと二人きりでディアボロは残された。
「……あんた、何なのよ」
「何…と言われても困るが、まずはお前が何なのか説明しろ」
「あああ………もう!どこのド田舎から来たのか知らないけど、優しいご主人様が説明して上げるわよ!
 ここはかの有名なトリスティン魔法学院よ!」
ディアボロの聞いた事が無い名前だ
「ここはどこだ?」
「本当に物を知らないようね!トリスティンに決まってるじゃないの!」

どうやら、本当に本気で別世界らしい。
まあ、ディアボロが居たあのホテルも地球にあったのかどうか定かではないが
「あの禿は、この左手の文字を使い魔のルーンとか言ってたようだが?」
「そうよ!それこそあんたがこの私の使い魔になった証よ!
 つまり今日から私はあんたのご主人様よ、覚えておきなさい!」
少し嬉しそうな顔をしながら喋るルイズを不思議そうな目で見るディアボロ

「お前の名前は?」
「お前って言うな!私にはルイズ・ド・ラ・ヴァリエールって名前があるんだからね!
 今から、ルイズ様かご主人様って呼びなさいよ!?」

こうして校舎まで戻った二人、ルイズはディアボロを残して教室へと入っていった。
その場に残されたディアボロは一人で考えていた。
(面白い……本当に面白い事になった)
皮肉では無く、本気でそう思っているディアボロ。
毎日毎日、ダンジョンに潜っては襲ってくる敵をしばき倒しまくる生活とは,変わった刺激がディアボロの精神に心地よく浸透している。
(問題は特に……いや、あったな)
グウゥゥゥゥ
ディアボロは腹が空いていた。今のディアボロは比喩や冗談で無く文字通りの意味で餓死する可能性がある。
(……問題を解決する道具はあるが)
これから何が起こるか分からないので、節約する事を心がけているディアボロ
なるべく動かないようにしながらそのまま授業が終わるまで待ち続けた。
そして授業を終えたルイズに連れられ、ディアボロは学生寮のルイズの自室に通される。

かなりの広さの部屋には、高級そうな置物が並んでいる。
そしてディアボロの頼みで、嫌そうな顔をしながらもルイズが持ってきたパンを食べながら、静かに夜空に登る二つの月を眺めていた。
「ねえ……えーっと、あんた名前なんだっけ?」
「ディアボロだ」
「ディアボロ。あんたの話って本当に本当なの?」
「嘘を突く必要が私には無いだろう」
「だ、だってさ、信じられないわよ。こことは別の世界って何?そんなの本当にあるの?」
「あの月が証拠だ」
「月が一個しかない世界なんて、聞いた事がない世界だわ。
 ……嘘ついてる世界なんでしょう?何、変な意地張ってる世界なのよ変態」
「まあ、そう思ってるならそれで私は構わないが。な」

ディアボロの苦笑に憤慨するルイズ。
サモン・サーヴァントはこの世界の生き物を使い魔として呼び出すだけであり。
それ故にルイズは、ディアボロが別世界の住人とは信じていないようだ。
証拠の提出を求めたルイズだが、ディアボロは持ち物を見せない。
これでは信じろと言う方が無理である。
そこで、ディアボロが懐から何かを取り出すのを見る。
「何よ、食べ物を持ってるなら最初からそれ食べてなさいよ」
ディアボロが取り出したそれを頭に運ぶのを見て、ルイズは呆れたような顔で言った。
ディアボロは円盤状の食べ物(ルイズにはそう見える)を頭に運ぶ姿勢で固まったまま、ルイズを見た。

「これはDISCだ」
「へ?DISC?何処のド田舎の食べ物?」
それ以上言っても無駄だと判断したディアボロは一方的に話を打ち切る。
そのディアボロの姿勢にプンスカ怒るルイズ。
が、重要な事を聞くのを忘れていた事を思い出したディアボロは、手の中でDISCを弄くりながらルイズに幾つか尋ねた。

「ああ……お前の説明でこの世界の事はだいたい理解した。
 一際熱心に説明してくれた貴族と平民の違いもな、それで聞きたい事がある」
「お前って言うな!ルイズ様かご主人様って呼びなさいよ!……で、何なのよ?」
「元の世界に帰る方法が、この世界に存在しているのか?」
「無いわ」
即答である。
ルイズ曰く、異なる世界をつなぐ魔法などない。
サモン・サーヴァントとは、この世界の生き物を使い魔として召喚するだけらしいのだ。

地球に帰る方法が無いと分かってもディアボロは落胆しなかった。
どうせ、死ねばあのホテルに戻れるだろうから、特に問題は無いと考えている。
そんな事より聞きたい事がもう二つあった。「それでだが、使い魔は何をする必要があるんだ?」
「使い魔の一番の役目は主人を守る事だけど……あんたには無理そうね
 しょうがないから、洗濯とか掃除とかやらせてあげるわ。さすがにあんたでも出来るでしょう?」
「ふん?」

YESの意味ともNOの意味とも取れないディアボロの一声。
だが、ルイズは勝手にYESと言ったと判断した。
「おやすみ、明日からキリキリ働きなさいよ」
「最後に一つ聞きたい」
最後に一つ、一番重要な事を聞こうとルイズに質問するディアボロ。
「………眠いから、話は明日にしてよ」
「私のベッドが何処にも無いようだが?」

「あそこに毛布があるわよ」
床に転がっている毛布を指差すルイズ。
その毛布はボロボロの穴だらけであり、かなり傷んでいる。
ディアボロの思考が一瞬停止した。
「……つまり、床で寝ろと言う事か?」
「その通りよ」
気軽にそう言ったルイズは、服のボタンを外し始めた。
毛布と床を眺めるのが忙しいディアボロはそれに気付いていないが。
着替え終わったルイズは、床に何かを投げ捨てた。
「それ、明日になったら洗濯しといて」
『それ』はレースのついたキャミソールに白いパンティであった。
ディアボロは呆れたような声や怒ったような声も出さない、ただ黙っている。
それを肯定として受け取ったルイズは満足気に微笑み、やわらかなベッドでグースカピースカ眠った。

予想を超えたルイズの傍若無人さには、理不尽に慣れたディアボロを困惑させていた。
このまま脱走して学園の外に出て行くか、寝ているルイズを殺害して憂さを晴らすか。
自殺してホテルに帰るか、『もう一つの手段』でホテルに帰るか悩んでいる。
だが、この世界を詳しく知らない事に思い当たるディアボロ。
「決めるのはその後で良いな……」
ルイズのパンティーとキャミソールの上に移動するディアボロ。
洗濯する気など最初から0である上に、持ち物が一杯の彼には拾う事がそもそも出来ない
では、何をするのか?と言うと……
ディアボロは懐の紙から取り出した円盤状の物――――DISCを頭に突き刺した!
どんな原理なのか、血も何も出ずに顔に吸い込まれるDISC.
DISCがディアボロの顔に完全に吸い込まれた、そして、彼は床に落ちているルイズの下着を手に取ると……
ドシュ―――――z__________!!!
そのまま思い切りぶん投げた!

それは不可思議な光景だった……
ルイズのパンティとキャミソールが壁を透過して何処までも吹っ飛んでいく奇妙な光景。
そして、ディアボロの頭に何処からか声が聞こえて来た。
『ルイズの下着はナイルの川底に沈んだ。』
それに満足したディアボロは、毛布を使わずにその場で横になる。
彼はそこが冷たい洞窟の地面の上であっても普通に眠れるので、毛布の必要は無い。
ベッドが必要なのは気分の問題である。
そこで、ホモ二人にホテルのベッドが占領され続けていたのを思い出し、ちょっとブルーになるディアボロ。

瞬時に気を取り直すと、DISCを頭に挿したことにより聞こえてくる音楽に意識を落として
ディアボロはそのまま眠りに付いた。
「フフフフ、Chaka kahn……中々良い音楽だ」



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