ペッシ 小ネタ - ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

プロシュートの覚悟を言葉でなく『心』で理解し成長したペッシ。
しかし…死んだことの影響か、もしくは召喚された影響か、ペッシは過去の記憶を忘れてしまう。
またマンモーニに戻ったペッシは、ルイズの使い魔として雑用の日々を送っていた。
「姉貴ィッ！部屋の掃除に洗濯、終わりやしたぜ！」
「そう。なら昼食に行くから付いて来なさい」
「もちろんですぜ！」
「今日から少し増やして上げる」
「えっ！？いいんですか姉貴？」
「ええ、あんた最近の成長からの判断よ」
「姉貴ィッ！ルイズ姉貴ィッ！やっぱり姉貴ィは優しィーやッ」
「うるさい！もっと静かに喜びなさい」
「へへ。わかったよ、ルイズ姉ぇ」
始めルイズは、何をやらしても駄目なペッシに苛立ちをぶつけた。
どんなに起こられても、駄目なりに一生懸命がんばるペッシに、ルイズは愛着が沸く。
そして、ルイズは急速にペッシの主人に相応しい、力強い姉御へと変わっていく。
ルイズに魔法が使えない、劣等感はもう無い。

「貴族ってのはね、魔法が使えるから貴族なんじゃない！敵に後ろを見せないから貴族って言うのよ！」
フーケのゴーレムに腰を抜かすペッシの前でルイズは吼える。
「あんたは逃げなさい」
「えッ！？」
「居ても邪魔なのよ！さっさとどきなさい！」
「姉貴何んごォッ！？」
ゴーレムの踏みつけからペッシを蹴ッ飛ばし助け、その反動で自分も飛ぶルイズ。
すぐさま起き上がり、ゴーレムの肩に立つフーケを睨み付け、
「このルイズ様が相手よ！掛かってきなさい！」
魔法で爆発をぶつけつつ、ペッシから離れるよう駆け出す。

周りの木々が邪魔でゴーレムに対し、上手く木々を利用し逃げ。、
「これでもくらいなさい！」
爆発を何度もぶつけるルイズ。
ゴーレムも追うが小さいルイズがチョコマカ動くため捕捉できない。
「はあ、はあ、はあ…」
ルイズの息が切れ始めた頃、焦れたのかゴーレムは反転し、
「あ、姉貴ィ～…」
逃げずにまだへたり込んでいたペッシに向かって行く。

「…はッ、はッ…はあ……あんの…バカ！」
悪態を付きつつも限界の肺をさらに酷使し走るルイズ。
ペッシはゴーレムが向かってくるのを見え、なんとか逃げようとする。
木々が密集しているため上空のキュルケ、タバサも手の出しようがない。
ゴーレムの大きな拳が眼前に広がり、
「ひいいィ～！姉貴ィー！」
叫び目を閉じたペッシは、暖かい感触を感じた瞬間。
ドゴォッ！っという音と共に吹っ飛ばされる。

「へ？生きてる？」
ゴーレムの拳の直撃を受けたはずなのに大した痛みもないことに驚くペッシ。
目を開けると自分に覆いかぶさるように倒れているルイズを発見する。
「あ、姉貴！？」
「……どうやら無事のようね」
「姉貴まさか！俺を庇って！？」
「…ふん。言ったでしょ逃げなさいって」
「なんで俺なんか庇ったんだよ！姉貴ィ～」
「使い魔も…くッ…守れないなんてメイジと言えないないわ。ペッシ…ゴホッ！」
血を吐き出すルイズ。
「姉貴ィ～！しゃべっちゃだめだ！」
「黙って聞きなさい！」
血が付いた手でペッシを叩き、
「いいこと…ペッシ。強い意志を持つのよ！これだけは譲れないっていう意志を！」
まるで遺言のようなルイズの言葉をペッシは受ける。

「さあ…分かったら逃げなさい」
「えッ！？」
口元に付いた血を拭い、ルイズはふらふらと覚束無い足取りで立ち上がる。
「姉貴ィ！そんな体で何を！？」
「…決まってるでしょ。まだ戦いは終わってないのよ」
ルイズが視線を送ったほうにペッシも送ると。
立ち上がるまで待っていたのか、ゴーレムを停止させているフーケが居た。
震える腕で杖をゴーレムへ向け、魔法を放つルイズ。
爆発は簡単に遮られ、ゴーレムの腕が今度こそルイズの命を刈るため動く。
(これで終わりか…。使えなかったし魔法はあんな使い魔引くし、良い事無かったな)
もう避けることができないルイズにとって絶対なる死。
最後まで視線を外さず、ルイズは潰され終わるはずだった。
…謎の糸によりルイズが引っ張られなければ。

死を前にしても曲がることのないルイズの気高い『意志』。
強い『意志』を前にし、左手ルーンが輝き失われたペッシの記憶が甦る。
ペッシの顔つきが瞬時に逞しくなり、スタンド－ビーチ・ボーイでルイズを釣り上げ叫ぶ。
「思い出したよプロシュート兄ィ！！兄貴の覚悟を！
　そして！わかったよルイズ姉ぇ！！姉貴の意志が！
　『言葉』でなく『心』で理解できた！絶対に曲げられない意志は姉貴ッ！命を掛けても貫くんだね！」

慕う者の『言葉』を『心』で理解し成長するペッシ。
ルイズのためペッシは伝説－ガンダールブになった。

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