ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

D0C-08

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
われわれは現在だけを耐え忍べばよい。 過去にも未来にも苦しむ必要はない。
なぜなら過去はもう存在しないし、 未来はまだ存在していないのだから。
                    byアラン




・・・・・・ガリア王国 首都リュティス王城

「そうか・・・デルフリンガーは確保できたか・・・シェフィールド」
玉座に座った人物がシェフィールドという女性に首尾を確認する
「はい、ジョゼフ様、確かにここに・・・」
シェフィールドは恭しく鞘に収められたデルフリンガーを差し出す、
「して・・・依然ガンダールウ゛の行方は知れずか」
差し出されたデルフリンガーを手に取り、眺めながらシェフィールドに尋ねる
「はい、ですがデルフリンガーがこちらにあればいつか姿を現すかと・・・」
「いつか、か・・・私が生きている間であればよいが・・・」
ジョゼフが少し自虐的な言葉を吐くのを聞きシェフィールドが不安そうな顔をする。
「すでに神の心臓の所在はつかんでいる、いまだ存在が確認できていないのは左手だけだ
そして、神の頭脳と右手は既に我々の手の内にある」
ジョゼフは膝をついているシェフィールドの頭に手を置き、愛おしそうに額に刻まれているルーンを撫でる、
そして撫でているそのジョゼフの右手にも、同じようにルーンが刻まれていた。



ところ変わってトリスティン魔法学院

大統領とルイズは買い物に出かけたときの疲れが出たのか、早めに眠ってしまっていた。

大統領は静かな寝息をたてながら夢を見ていた・・・

「ここは・・・どこだ?貴方は・・・だれだ?」
大統領が夢の中で会った人物、夢と言うにはあまりにも鮮明な目の前に居る人物のその姿、
だが顔だけはぼやけていた、傷だらけの体、薄い布を纏い、茨の冠を頭に載せている・・・
その姿を見て大統領は絶句する・・・。
「貴方は・・・まさか・・・」
驚いている大統領を前にその人物は悲しそうに顔を歪ませる。
「なぜ・・・そのように悲しいお顔をなされるのです・・・?」
その言葉を聞き、大統領が恐れ、敬うその人物が口を開き言葉を発そうとしたその瞬間。

轟音が鳴り響き、大統領をまどろみから覚醒させた。

「なっ!何この音!?」
布団から飛び起きるルイズ、
大統領は最後にあの人物が何を言をうとしたのか気になったが非常事態のため直ぐに頭を切り替える、
弾ける様に窓へ飛び出し、外の様子を伺う。
「何か大きな物体が壁を叩いている様だな・・・」
そう大統領が告げるとルイズは服を取り出し、大統領が外をうかがっている隙に
下半身の部分を穿き終えると部屋を飛び出す、上半身の部分は移動しながら着るようだ。
「待て!ルイズどこへ行く!?」
ルイズの後を追いながら大統領はルイズが何をしようとしているのか薄々気づき始めた
(頼む・・・思慮深く行動してくれよ・・・)

ルイズが外へ飛び出し、ポツリと呟く・・・「ゴーレム」
(ゴーレム!?話には聞いたがあんな巨体も作れるのか!?数十メートルはあるぞ!)
大統領が驚いてる間にルイズは最短の詠唱を唱える、そして・・・爆発
(!なるほど、どんな詠唱を唱えても爆発するならいっそ短い詠唱で速射性をあげるか・・・
だが、倒すべきゴーレムが大きすぎる、その上にそれを上回る命中精度の低さ・・・
あれを相手にするならせめてルイズと同じ爆発を起こせるものが最低5人は必要だ)
考えながらもルイズへと駆け寄り、ルイズを止めようとする、
「ルイズ!危険だ、離れるぞ!」
「離して!あのゴーレムが叩いている場所には宝物庫があるの!きっと賊だわ!」
「なら尚更だ!先生たちに知らせた方がいい!」
「知らせに行っている間に逃げられたら如何するのよ!!ウル・カーノ!」
ルイズが詠唱を唱え失敗魔法で攻撃を加えようとするが命中せず、
当たった場所はゴーレムが叩いていた宝物庫の壁だった
ピシリッと壁に亀裂が入る、そこにゴーレムが攻撃を加えると、ものの見事に壁は壊され、
ゴーレムが宝物庫から何かを取り出し、帰っていく。
その間にもルイズは必死で失敗魔法を唱えるがゴーレムの体を削るだけだった、
やがてゴーレムが倒れ、動かなくなるとそこには一枚の紙切れがありこう書かれていた、
「破壊の杖、確かに頂きました 土くれのフーケ」と・・・
これを見た瞬間ルイズは崩れ落ちた、大統領も結果はどうあれ何もできなかった自分に内心腹が立っていた
少なくともルイズは爆発でゴーレムの体を削ることは出来ていた・・・。
(やれやれだぜ・・・ってやつだな、アクセル・ROとの戦い・・・
横合いから遺体を私にかっさられたジョニィ・ジョースターもこんな気分だったのか?)
破壊の杖がどういうものかは知らないが、無力感という意味でなら同じだろうと大統領は考える


それから数時間後、夜が明け、学院は大騒ぎとなっていた。
賊が侵入しただけでなく、宝物を奪って逃げたのだから当然ではあるが、大統領はそれを冷めた眼で見ている。
(やれ当直がどうしただの王室がどうだのと…責任逃れだな、まあ何時の時代も、誰だって下手は引きたくないものだ)
すると校長の秘書であるロングビルと呼ばれた女性が入ってきてフーケの居所を掴んだと述べる。

大統領はこの時点で“違和感”と、自分がまたフーケと戦うこととなる“直感”を感じていた。

校長であるオールド・オスマンがフーケ討伐隊を組もうとするが、教師はだれも入ろうとしない、

そもそも教職についている者のほぼ全員が実戦を知らないので出ようとしないのだ。
ようやく杖を上げた者が居たがその人物は・・・
(やはりルイズか…)
それに釣られてか、他二人も杖を上げるが、
(タバサとキュルケか、案外心配性だな)
教師達は止めようとするが、「だったらお前らが行けよ」という話になり結局この三人が行く事となる。
因みに馬車の御者としてロングビルが自分から行くという言葉を大統領は聞き逃さなかった、

「話は纏まったようなので私はロングビルと一緒に馬車の用意に行って来る」
そう言って出て行こうとする大統領の背中に向けてキュルケは質問する
「ねえダーリン、随分と余裕みたいだけど、決闘の時みたいに手品で倒せるの?」
そう聞かれた大統領は少しだけ振り返り

「ああ、あのゴーレムがすっぽりかぶれるほどの布があれば余裕だ」

キュルケはそれを冗談だと受け取ったが、大統領にしてみれば半分本気だった。

馬車に揺られながら大統領は少しの間眠りにつく
フーケのゴーレムに叩き起こされ削られた睡眠時間を取り戻すというのもあるが
夢の中でまた「あのお方」に会えるかもしれないという願望も含まれていたが…

馬車の揺れが止まり目が覚める、
(会えなかったか…)
大統領はあの夢のせいでかなり不安になっていた
「あのお方」は道を指し示すことはあっても悲しむという事は無かった
レースでも「あのお方」の遺体が全ての中心にあり、運命そのものと言っても過言ではない
(あの夢には何か意味がある…見逃してはいけない決定的な意味が…)

「ファニー!はやく来なさい!」
ルイズは目が覚めたというのに馬車の中で座ったままの大統領を寝ぼけていると思い
大きな声で呼びかけるがすかさずタバサの杖で頭を叩かれる

「なにすんのよ!」
「声が大きい、フーケに気づかれる」
そう言われ仕方なく口を紡ぐが、遅れてきた大統領に「あんたのせいだからね」と小声で怒る
大統領は「すまない」と一言終え気分を切り替える

(あの夢も気になるが…今しなければならない事はフーケをどうやって倒すかだ)

ファニーの不安と呼応するかのようにルイズは焦っていた
フーケを倒せばこれまでの自分の汚名、「ゼロ」という二つ名を返上できると考えているのだ

(今フーケを倒せば…昔の失敗を取り消せる!)


二人は共に確かな足取りでフーケとの再戦へと向かう

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー