ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

戦闘零流-00

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二人の男が対峙している。
二人は2mに届きそうな身長とがっしりした筋肉質な体躯だ。
しかし片方の男の風貌は現代の我々から見ると明らかにオカシイ。
足にはプロテクター。
そしてフンドシのようなものしか身に纏っていない。
まるで古代の戦士のような出で立ち。
しかしその衣装を超えて明らかに異質な点があった。
男の頭からは角が生えていた。
男の名はカーズ。
冷酷非道な究極の生命体(アルティミット・シイング)。
そしてそれに立ち向かうのは男こそ我らがヒーロー。
名をジョセフ・ジョースター。通称JOJO。
つい先ほど隻腕になってしまった波紋の戦士。
今、二人の戦いは正に最終局面を迎えていた。


「おああああ!くらえ!波紋疾走(オーバードライブ)!」
空を鋭く切り裂き、JOJOの蹴りが放たれる。
アルティミット・シイングとなる前までは致命傷になるはずであったその蹴り。
しかし…

「は」

「もん?」

「はもんしっそうだとォーッ!!」

ギャァバ!
カーズの肘鉄によってJOJOの蹴りは撃墜されすっ飛ばされる。
「ぐああっ」
呻くJOJOを見てカーズはフンっと嘲笑う。

「JO…JO…!?」
傷ついた体を横たえ二人の戦いを見ていた男、シュトロハイムは驚愕した。
波紋疾走に触れたはずだ!波紋が流れたんじゃァないのか!
だがカーズはピンピンしてるっ!逆に吹っ飛ばされ苦しんでいるのはJOJOだ!
ブショア!
水がぶちまけられる様な音が聞こえる。
「うう…うがァァァ、こ…この衝撃は!と…溶けるッ!そんなばかなッ!おれの脚が溶け
る、こ…この効果は!」
JOJOもまた驚愕していた。
「そおうだッ!『波紋』だよォ!このまぬけがァァーーーーーッ!太陽を克服した、この
カーズにできないと思ったのかッ、このウスノロめがァ!しかもその効果からみると、きさまの数百倍の強さの『波紋』を練ることができるッ!」

_____人間とて強い直射日光をあびれば火傷で皮フが水ぶくれになる。
普通の人がJOJOの波紋をうければ、しびれて気を失う程度であろう。
しかしJOJOが受けたのはその数百倍!肉が液化しはじめさらに気化しはじめた_____

「どうだ。自分で『波紋』をうけた気分は?」
JOJOは余りの痛みにもんどりうって倒れこむ。
「ぎぃやああああ!」
悲痛な叫びを聞きカーズは実に愉快そうに口角を吊り上げる。
「んん~実にナイスな返事だ。」

JOJOは思った。


決定的だ…
おれは…
これから死ぬんだな
…決定的に…

JOJOはいともすんなり、それを受け入れた。
恐怖はなかった。痛みもなかった。後悔もなかった。
『やるだけやったんだからな』
そう思った。
圧倒的悪の前にあるのは、氷のように冷たい冷静な死にゆく自分を見る目だけだった。
シュトロハイムも同じだった。動けなかった。
シュトロハイムは生きながらヘビにのまれるカエルの気持ちを理解したと思った!

コォオォオオオオ…
「この呼吸法だ……。波紋使いのきさまを『死』という暗黒の淵につき落とす儀式には、
やはりこの『波紋』が。」

バリッ
バリバリ
「ふさわしいーーーーッ!」
ブーーン!

カーズの波紋は十分に練られたようだった。
JOJOは呟く。
「は…もん。ハ…モン。『波』『紋』。おれの何百倍もの…。」
カーズの腕が頭上に掲げられそして猛烈な勢いで振り下ろされる!
「無限の谷底へッ、溶けて流れ落ちろォォォォ!」
シャバァ!

その輝く波紋を纏った腕を見てJOJOは思った。朦朧となっていたのでそれは、『思った』
よりも『感じた』に近かったがとにかく思った。
(『波紋』だって!?)
JOJOの右手にはいつの間にか『赤石』が握られていた。
JOJOは赤石をカーズの前にとっさにかざした。
JOJOはなぜカーズの前に『赤石』をかざしたのか、彼自身理解できなかった。
無意識だった。
『赤石』が『波紋』に吸いつく様に勝手に動いたと感じた。
しかしJOJOの肉体は知っていた。
生きぬこうとするJOJOの肉体が動かしたのだ。
JOJOの生命の大車輪がJOJOの直感をプッシュしたのだ。

ドグシャァ!!
『赤石』がカーズの波紋に触れる!
瞬間!赤石に収束された『波紋』の超エネルギーはJOJOの右手を貫き大地を貫いた!
「なにィィィィィィ!赤石!」
「せ…赤石は波紋増幅器だった…。」

そしてそのエネルギーは一気に噴火活動のパワーとなって頂点に達したッ!!
ホッゴン!!!
ババババ!
シュトロハイムは今、地球の怒りを目の当たりにした!
「が…岩盤ごとふたりが押し上げられたッ!」
吹き上げるマグマエネルギーは留まることはなかった。
ドゴォーーーーz____ン!!
二人を乗せた岩盤は見る見るうちに天高く舞い上がっていく。
「RRRRRRYY!!い…岩ごと猛烈なスピードで飛ばされるッ!フン!たしかにすさまじいパ
ワー。しかし、このカーズが噴火ごときでけし飛ぶとでも思ったかJOJO!鳥に変身して逃
れてやるッ!」
しかし!カーズが飛び立とうとしたその刹那、『それ』がカーズの首に突き刺さった。
「なっ」
『それ』はJOJOの腕だった。
JOJOは自分の悪運というものを実感していた。
「さすが地球のエネルギー…ものすごいスピードッ!だからおれのさっき切断された手が
飛ばされつき刺さったか!」
続けてJOJOは得意の弁舌でカーズの注意を逸らす。
「そうカーズ、きさまは『これも計算のうちかJOJO』…という。」
驚愕のあまり冷静さを欠いたカーズは、JOJOのペースに嵌らざるを得なかった。
「これも計算のう…」
ドゴッドゴッドゴドゴッ!
JOJOの切断された腕が飛んできたのに気をとられた一瞬がカーズの運命をわけた!
よけられるはずの下からの灼弾岩にさらにおしあげられた!!
RRRRRRRRREEK………!
カーズの叫びが離れていく。この勢いにカーズはなす術も無かった。
「当たりまえだぜッ!このJOJOはなにからなにまで計算づくだぜーッ!
(ほんとはちがうけど、カーズがくやしがるからこういってやるぜ。ケッ!)」

カーズが…JOJOが…天を貫かんばかりに吹き上げる炎の柱に消えていった。
難を逃れたシュトロハイムは呆然とそれを見ることしかできなかった…。
「JO、JOJOォォォォォォォ!」

灼熱の噴出物は地球の動きを脱出して大気圏外までぶっとんでいく。
〔1975年 カムチャッカ半島トルバチク火山の観測より〕
火山のエネルギーは我われの想像以上にすさまじい。
地球のパワーをもってしても、カーズを殺すことはできない。
しかし。地球はカーズを大気圏外に追放したのだ。

(おわった…。おばあちゃん、シュトロハイム……スピードワゴン、スモーキー。そして
リサリサ…みんな、あばよ。)
JOJOに恐怖は無かった。今あるのは充足感のみだった。
JOJOは皆のことを思い、そして今は亡き友シーザーのこと思い…その瞳を閉じた…。


8時間後生還したシュトロハイムは、次のことをスピードワゴンに語った。
1939年2月28日ジョセフ・ジョースター 地中海ヴォルガノ島にて死亡…。


「星!?ば…ばかなッ!」
大気圏外に放逐されたカーズは地球のエネルギーに、そしてJOJOの奇策に憤っていた。
「RRRRRRRYYYEEEEEEEE!!宇宙空間だと!」
カーズの背から管状の排出器官が突き出る。カーズは今だあきらめていなかった。
「フンッ!体内から空気を噴出させて!」
まだ自分は敗北していない。その確信をカーズは持っていた。
「その圧力抵抗で軌道を変え!地球へ戻ってやるわ!」
空気を猛烈に生産し噴出する。しかし…。カーズは宇宙というものを未経験だった。
カーズの計算は宇宙には通用しなかったのだ…。
ミシミシ…ピキミシィピキ…
排出口から空気吹き出た瞬間から、瞬く間に体内にまで凍結が襲ってきた。
「ぎぃやぁぁああああ!だ…だめか!こ…!凍るッ!く…空気が凍ってしまう、外に出る
と凍ってしまうッ!き…軌道を変えられん、も…戻れんッ!」


ドオーーーーーーン
__カーズは__
2度と地球へは戻れなかった…。鉱物と生物の中間の生命体となり永遠に宇宙空間をさま
ようのだ。そして、死にたい思っても死ねないので
__そのうちカーズは、考えるのをやめた。

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