ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

反省する使い魔!-6

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反省する使い魔!  第六話「ゼロの反省、使い魔の空腹」


ルイズの教室爆破で授業は中断され、シュヴルーズ含め気絶した生徒たち計三名は
医務室に運ばれた。後から来た教師たちは爆発の張本人ルイズに教室の掃除を
言い渡し、ほかの生徒たちを引き連れ教室を後にした。

「『ゼロのルイズ』……「魔法」が「使えない」から『成功率ゼロ』…
くく…うまくいったもんだ」
「うるさいッ!はやく片付けなさいよ!」

どこぞの殺人鬼と似たような台詞を吐き捨てながら
音石は雑巾や箒を手に教室を片付けていた。
しかし元凶であるルイズは机に腰を下ろし掃除の様子を窺っているだけだった。
それどころか

「ちょっと!ここまだ埃ついてるじゃない!やり直し!」

などと言ってくる始末である。

「少しは手伝えってくれたっていいんじゃねぇーのか?…ってゆーか、
これ元々お前がやらかした罰だろーがよ?」
「主人と使い魔は一心同体!主の不始末は使い魔の不始末でもあるのよ!」
「そーかよ(ま、そんな事だろーと思ったぜ…)」

音石のぶっきらぼうの態度が癪に障ったのか、ルイズは爆発で散らばった石や木の破片を
投げてくる。音石がソレをかわすと続けて大量に投げてくる。
しかし所詮ルイズのような小柄な女の子が投げてくるモノの威力、スピードなど
たかが知れている為、音石はちりとりでソレ全てを余裕でガードする。

「避けるんじゃないわよッ!!」
「いやに決まってるだろ~~がよ~~、オレはともかくギターが傷付きかねねェからな
大体おめーも余計散らかしてんじゃねーぞコラ!自分の尻拭いくらい自分でしろ!」
「うるさいうるさい!どうせアンタも私が『ゼロ』だから見下してんでしょう!!
私だってね!こんな自分にうんざりしてんのよ!
一生懸命勉強して練習しても全然魔法が成功しないからって周りから…
平民すらからも見下されバカにされるこの気持ち!アンタにわかる!」
「………」
「私の実家にいる家族はみんな優れたメイジなのよ!
お姉様たちも!お母様も!お父様も!みんなみんなそこら辺にいるメイジとは
ひと味もふた味も違った!!でも…わたしには何も無かった…実家の使用人ですら
そんな私を小さい頃から影で馬鹿にした…ほかの姉上様方は
あれだけ優秀なメイジなのにってね!!」
「お前は自分の事しか考えちゃいねーのか?」
「え?」

ルイズは目を見開きながら音石の顔を見た。
そして、息を飲んだ…、その時の音石の目は今まで見てきた
誰よりも殺気立った目をしているからだ。

「この際だからオレの事について少し話してやるぜ…
オレはよぉ、…三年前にある罪を犯したんだ」

その時ルイズは音石を召喚したとき彼が
出所して自由になれたのに
と言っていたのを思い出した。

「ジジイくさい事を言うようだがな、あの時のオレは若かったぜ
自分のしてー事がうまくいかなくて、そんな世の中にイライラしてたんだ
そんな時だ…オレが罪を犯したのは…」
「…一体、なんなのよ?」
「殺人だ」
「!!」

ルイズは耳を疑った、そして理解した…
音石のあの目は、本気で人間を殺したことがある人殺しならではの目なのだと…

「殺した奴に特に恨みがあったわけじゃねー…、ただそいつがあるおもしろいモノを
持っていてよぉ、ソレさえあればオレの人生はずっとおもしろくなる…
自分のことしか考えてなかったオレは初めて人を殺した…、
だが、そんなオレを裁いてくれた奴らがいたんだ…、
牢屋に入ったオレは初めて自分がどれだけ馬鹿だったか気付くことができたんだ
マジでバカみてーな話さ、人生を面白くする以前に
オレ自身がオレの人生を狂わせちまってたんだからな…」
「………」
「お前さんの気持ちはわからなくもない、できる家族と比較されるなんてよくある話だ、
だがな…今お前がやるべき反省はもっと違うところにあるんじゃねーのか?」
「……え?」
「確かにお前は自分の失敗を人一倍に反省しているかもしれねェ…
だがお前、あの爆発で周りに迷惑をかけたことに対しての反省をした事あんのかよ?
例えば…お前をゼロと馬鹿にしたクラスの連中とか…」
「!」
「それどころかお前こう考えたことがあるんじゃねーのか?
『いい気味だ』ってな」
「……ッ!!」


図星である、ルイズは自分がクラスメイトに迷惑かけていることに自覚はあった
しかしルイズは自分をバカにした相手が自分の爆発で痛い目にあえば
いい気味だ、と心のなかで無意識に呟いていた。
音石に告げられルイズは初めてそれに気付いた。
しかし…、ルイズにも譲れないプライドがあった。

「そうね、確かにアンタの言うとおりだわ…、認めてあげる…、反省するべき所は
ほかにあったのかもしれない…………でもね!!」

ビシッ!とルイズは音石を指差し睨み付けた。

「私が自分の事しか考えていない…、それだけは絶対に認めないわ!!
そんなもの、私が目指す貴族なんかじゃない!私は私の為だけに
魔法が使えたいわけじゃない!病を患っているカトレアお姉様を
救いたいからでもあるのよ!!」

ルイズには二人の姉がいた、エレオノールとカトレアである。
しかし次女のカトレアは幼い頃から体が非常に弱く、メイジでも手の施しようが無い
とまで言われるほどである、しかし長女エレオノールはルイズ以上の頑固者で
そんなカトレアを救いたいという思いの一心で魔法を学び、
魔法研究機関アカデミーに勤めるほどのまでの実力者である。
ルイズもまたそんな姉を慕い、カトレアを救いたいが為に
この魔法学院にいるのだ!

音石はそんなルイズの強い思いが宿った眼差しに感心していた。
ただのわがままなガキだと思ったが…下手したら化けるぜぇコイツ
と考えながらも何かが納得した音石は掃除を再開しようとする、
しかしルイズから意外な一言が飛んできた。

「ありがとうオトイシ、あんたのおかげで私…大切なことを見落としてたかもしれないわ」
「…いいって事だぜ~~、ルイズ」
「でも、ご主人様に対して偉そうにしたからお昼抜きね」
「おいコラァッ!!?」


これがこの二人がはじめて互いの名を言った、ほんのひと時…
しかしこのひと時は、ルイズにとっても音石にとっても
とても貴重なモノだった…………。



教室の掃除が完了するとルイズはちょうどいい時間と言って食堂に向かおうとしたが
さすがに音石も昼飯抜き空腹状態であの豪勢な食事が置いてある食堂に
行きたくはなかった、追い討ち同然である。
その為、音石はルイズに許可をもらい、昼休みの間だけの自由時間をもらった。
そんなわけで現在音石は学院の食堂になるべく近づかないように
学院内や中庭、広場などを散歩していた。それでも空腹を紛らわすことはできない。

「まさか、あんな味気ない刑務所の飯が恋しくなるなんてよぉ…
こいつはますますやばいぜぇ、ガリガリの俺なんて俺じゃねぇ!
う~ん、でもどうすっかな~…こんな遅れた文明の世界じゃあ
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』を使っての盗みもできねーし…」

一度、学院を抜け出して野生の動物でも狩るか?
却下!こんなファンタジー世界じゃあ動物以上のもっとやばい生き物に
出くわす可能性があるし、そもそも素人のオレが狩りができるか怪しいもんだ。

思考と空腹を張り巡らしながら音石は空を見上げた。
すると一匹の巨大なドラゴンのような生き物が学院を飛び回っているのがわかった、
『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の目を使い、よく観察してみると
その背中には一人の小柄な少女が跨っているのがわかった。

(つまりアレも使い魔なのかよ?やれやれ、ルイズの奴が期待するのも無理ねーな)

彼が納得すると同時に、彼の体に一人の少女がぶつかった。

「キャッ!!」

小さな悲鳴と同時に、少女が持っているコップや皿の山がぶつかった衝撃で
空中に散らばった!音石は即座にソレを認識する。

(な~んか、すんげーデジャヴ感じんだけど…仕方ねぇな)
【シュバババババババババババッ!!!】

彼は落ち着きながら『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の手だけを発現させ
その自慢のスピードで今朝の洗濯物と同じように空中に散らばった
皿やコップなどの食器類をすべて掴み取り、一瞬で少女の体と食器を
まるで時を戻したのかのように一寸の狂いなしに元に戻した!


「あれ?あれれ!?ま、また……」
「…通りでデジャヴ感じるはずだぜ、またお前かよ」

音石は半分呆れた様子でその少女が今朝と同じ少女だと理解した、
その少女、シエスタも音石の顔を見た瞬間、あっ!と声を上げた。

「あ、あの…ありがとうございます、使い魔さん!また助けていただいて…」
「そういう呼び方はダサいからやめてくれよ、音石明だ」
「ご、ごめんなさい!わたしったらつい……、えっと…わたしシエスタと申します
あ、あのそれでオトイシさんはここでなにを?」
「いやよぉ、ご主人様が随分とご立腹でな~
飯抜きにされちまったんだよ」
「まあ!それはひどい…あの、よろしければ
余りモノでよければお料理をお出ししましょうか?」
「おお!こいつは思ってもない救いが来たぜ!
是非ともそうさせてもらうぜ!」
「フフッ、ではこちらにいらしてください」

シエスタは上機嫌になった音石に微笑みながら
彼を厨房に案内した。


貴族が食事を楽しむ食堂の裏の厨房
食堂でコックやメイドが忙しそうに働いている、
シエスタに聞いた話だがついさっきまではもっと忙しかったらしく、
これでもまだ落ち着いたほうであるらしい。
厨房の隅の椅子に案内され席につき、音石は彼らの働きぶりを眺めていると
すぐにシエスタがうまそうなシチューを持ってきてくれた。

「あまりものですが…どうぞ召し上がってください」
「マジ助かるぜシエスタ、んじゃま…お言葉に甘えていただくとするか」

匂いからしてこれは確実にうまいと思いながら、音石は
シチューを一口たいらげるが予想通り!その味は絶品だった!

「あ~~~こいつはうめぇ、こんなうまいもん食ったのは久しぶりだな」
「ふふ、どうぞいくらでも召し上がってください
おかわりもありますので」

お言葉に甘え、音石はおかわりを要求しそれをさらにたいらげる。

「オトイシさんはトリスティンの出身なんですか?」
「…いや、ここからもっと遠く離れた別の国からだな」
「やっぱり…」
「?」
「あ、いえ!その…オトイシさんが持っているソレ、楽器みたいですけど
ここら辺じゃ見たことありませんから、つい…」

またそれか、と音石はシエスタに軽くギターの説明をすると
シエスタだけでなく周りのメイドやコックもいつの間にか感心していた。

「ありがとよ、うまかったぜ」
「どういたしまして、お腹がすいたらいつでもいらしてくださいな、」
「助かるぜ、改めて感謝するぜシエスタ」

音石はそう言い残すと厨房を後にし、
そろそろルイズのところに戻ろうかなと彼女を探すことにした。

食堂にいるのだろうと予測していたが、ルイズの姿はどこにも無い。
教室で見かけたルイズのクラスメイトが何人かいたが
どうせ尋ねても使い魔の平民と見下されている自分など相手にされないだろう、
すると後ろからシエスタがデザートを乗せたトレイを手に厨房から
やって来たので彼女に尋ねることにした。

「シエスタ、ちょっといいか?」
「はい、なんですか?」
「ルイズの奴を探してんだが、食堂にはいないみたいなんだ…心当たりねーか?」
「ひょっとしたら外にいるかも…、外にもテーブルが置いてあるんですよ」
「なるほどな、それって何処だ?」
「あちらの扉から外に出て右に行ったところですよ」
「わかった、感謝するぜ」

シエスタはデザートを配りに行き、音石は外にでる。
右側を見てみると、確かに大勢の生徒が使い魔を引き連れて
紅茶やデザートを楽しんでいた。
音石がそこへ向かうと生徒たちが音石の存在に気付き、騒ぎ始めた。
先程の授業での件もあるが、もともと音石の格好はかなり目立つため
いやでも注目を浴びてしまう。

「おい、見ろよ…『ゼロのルイズ』の使い魔が来たぞ」
「あの使い魔、改めて見ると変な格好してるよな…、大体なんだ、あのぶら下げてるの?」
「キュルケから聞いた話じゃあ、楽器の一種らしいわよ」
「楽器?あいつ音楽家かなんかなのか?」
「まあ、どうせ『ゼロのルイズ』の使い魔じゃ、たかが知れてるわね」
「はっはっは、違いない!」

そんな生徒たちの会話が聞こえてきたが、音石は所詮ガキの寝言だ、と相手にせず
ルイズを探すことに専念した。
ルイズみたいな派手な髪色ならすぐに見つかると考えていたものの
見つからない。どうやらアテが外れたらしい。


一旦、先程の食堂に戻ろうと考えたが
周辺の生徒たちが騒ぎ始めているのに気付いた。
音石にではない、ソレは向こうのテーブルで
なにやら怒鳴っているギーシュに対してのものだった。
しかもよく見ると、ギーシュが怒鳴っている相手となんとシエスタだった!
どうやら音石がルイズを探している間に、外にいる貴族にもデザートを
配ろうといつの間にかやって来ていたらしい。
怒鳴るギーシュとは対照的に、シエスタは異常なまでにビクビクし、
半泣きになりながら頭を下げている。

(シエスタが何かやらかしたのか?)

と考えたが、それでも今にも泣きそうな恩人を黙って見ているほど
音石は落ちぶれてはいない、笑って眺めている野次馬を無理やり通り抜け
二人の間に割って入った。

「なんだね君は?…ああ、ルイズの使い魔の平民か
僕は彼女に用があるんだ、そこを退きたまえ…一体なんのつもりだい?」
「そいつはコッチの台詞なんだよ小僧、理由は知らねーが
こいつはこんなになってまで頭を下げてるんだぜ、
いい加減許してやってもいいんじゃねーのか?」
「そういうワケにはいかない、そこのメイドはこの僕に恥をかかせた挙句
二人のレディの名誉を傷つけたんだ、ただで許すわけにはいかないよ」
「……本当なのかよシエスタ?」

音石がシエスタのほうを見る、シエスタはおびえながらも恐る恐る答えた。

「わ、私はただ…ミスタ・グラモンが香水を落としになったので
それを拾ってグラモン様にお届けしようと……」
「やれやれ、低脳な平民はコレだから困る…
いいかい?僕はあの時、コレは僕のじゃない、と言ったんだぞ
君はその時点で場の流れを察し、その香水を手に早々に去るべきだったんだ」
「そのせいであのケティって娘にモンモランシーとの二股がバレちゃったもんな!」

周囲の野次馬の一人が大声でそう言うとほかの生徒もドッと笑い始めた、
ギーシュは周りを睨み付けながら怒鳴った。

「今言ったのは誰だ!?出てきたまえ!!」

周りがシンっと静まり返るが当然、出てくる者などいなかった。
ギーシュは舌打ちをすると、シエスタを見たまま音石が静かに口を開いた。

「つまりおめーは二股がバレた罪をシエスタに無理やりなすりつけてるわけか……」
「口の利き方に気をつけたまえ!…まあ、所詮『ゼロのルイズ』が呼び出すような平民に言ったところで無駄【ドゴォッ!】うがぁっ!!?」
「関係ねー奴の話なんて引っ張り出してんじゃねーぞクソガキ!!」

ギーシュは最後まで言い切らなかった。否、音石が突然ギーシュの腹に強烈な蹴りを
炸裂させ遮られたのだ!ギーシュはそのまま蹴られた衝撃で学院の壁に激突した。
平民が貴族を蹴り飛ばした、この事実だけでも
周りのギャラリーたちは大いに盛り上がった。
なぜなら、この世界では平民が貴族に手を上げるのは絶対的タブー
それがこの世界の法則なのである。
当然、周りの生徒もそんな音石の行動を黙ってはいなかった。

「お、おい!あの平民、ギーシュに蹴りをかましたぞ!」
「平民が貴族にこんな事をしてタダで済むと思っていますの!?」
「ギーシュ!大丈夫!?」
「おい平民!さっさと地に這いつくばって謝罪したほうが身のためだぞ!」

生徒たちの殺気が音石に襲い掛かった、既に杖を抜いている者までいたが
所詮、音石からしてみれば彼らなど
「ロクに人を殺したことも無いくせに馬鹿みてーにいきがっているガキ」
である。人殺しの壁を越えている音石にはどことなく余裕があった。
音石は黙ったまま壁に激突し、倒れこんでいるギーシュに歩み寄る。

ギーシュは腹に蹴りをモロに受けてしまったため、さっきからずっとむせているが
音石が近づいてきていることに気付き、力を振り絞り何とか立ち上り音石を睨む、
それでも、やはり苦しいらしく目からちょっと涙が流れている。

「グッ…たかが平民の分際で…ゲホッ…、よくもこのギーシュ・ド・グラモンを…!
どうやら君には…貴族に対しての礼儀を身をもって教える必要があるようだな!!」
「クックック、コイツは傑作だ、貴族って肩書きがなきゃ
ロクに威張れもしねークソガキがオレに何かご教授してくれるのかよ?」
「……先程、君はモンモランシーを救ってくれた、その働きに免じ
多少は加減してやろうと思ったが……、もう許さん!!」

ギーシュは屈辱と怒りで煮えくり返っている震えた手で
手袋を投げつけた!

「決闘だ!貴様に決闘を申し込む!!半殺しで済むと思うなよ!!」

そのギーシュの発言に、周りの生徒がオオーーーッ!!
と歓声をあげた。

「おもしれぇ、ロクに反省もできねぇ物分りの悪いガキには
鉄拳制裁が一番だな、ちょうどいいぜ……ここでやんのか?」
「貴様のような野蛮で礼儀知らずな平民の血で食堂を穢せるか!
ヴェストリ広場へ来たまえ!そこを貴様の墓場にしてやる!!」

ギャラリーがギーシュの道筋を割って作り、ギーシュの後に続く。
ほかの生徒たちも移動を開始した。
おもしろい余興が始まる、と一同はワクワクしている様だ。
しかし中には、貴族としてのプライドが高く、平民の分際で貴族に楯突いた音石に
敵意を向けている者も何人かいるようだ。

そして、そんな人ごみの中から飛び出してきたのが探していたルイズである。
どうやら騒ぎに気付いてやってきたようだ。

「ちょっとオトイシ!アンタ自分がなにやらかしたかわかってんの!?
いきなり貴族を蹴りつけて、あまつさえ決闘なんて…」
「そ、そうですよ!オトイシさん……こ、殺されます!
謝りにっ……!元々私がすべて悪いんです!だ、だから……
私がミスタ・グラモンに謝りに行きます!わ、私さえ罰を受ければいいだけの話ですから」

ドギュアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!

「「!!?」」

音石が無言のまま、ギターを力強く弾き、
完全に興奮混乱状態だった二人を止めた。
いや、無理やり落ち着かせたと言ったほうが正解かもしれない、

「落ち着いたかぁ?な~に、心配することぁねーよ
ようは勝てばいいだけの話なんだろ?」
「はぁ?アンタ本気で言ってんの!?…あのね?
平民が貴族に勝つなんて絶対にありえないのよ!」
「そ、そうですよオトイシさん!そんなの無茶です!!」
「だから落ち着けっての、
まあまずはそのヴェストリ広場ってのは何処か教えてくれよ」
「あんた、本気で死ぬわよ……」
「……死なねーよ、まあ見てろよルイズ
もしかしたら…面白いものが見れるかもしれねーぜ?」

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