ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

おれは使い魔になるぞジョジョー!-7

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匿名ユーザー

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決闘が終わり、ディオの思惑は次々と当たってゆく。
その中でキュルケはディオを我がものにせんと恋心を燃え上がらせるのであった。

おれは使い魔になるぞジョジョーッ! 第七話

決闘が終わって暫くすると予鈴がなり、生徒達は授業を受けに学院内に戻っていった。
だがディオはルイズに断りを入れ、後で授業内容を教えてもらう事を頼むとギーシュを保健室に連れていった。


「う……ここは…?」
ギーシュが目を覚ますと、自分がベッドに寝ているのがわかった。
あの決闘は夢だったのだろうか…
だが、ディオに殴られた右目の痛さがあれは夢ではないと告げていた。
日の光の具合からして午後の4時くらいだろう。ああ…今日の授業にはもう間に合わないな…ギーシュは寝返りをうつ。

「起きたのかい?」
部屋の暗がりから声がする。ギーシュが顔を向けると誰かが立っているのを見つけた。
僕の取り巻きだろうか、授業が始まっているだろうにいい奴だな。
「…随分と回復が早いな、水の魔法とやらは!実に興味深いッ!」
人影は何やら独り言を呟くと、暗がりからギーシュの元へと歩いてくる。
そしてその顔を見た瞬間――――ギーシュは恐怖のあまり嘔吐した。

「く、来るな!来るな!だ、誰か助けてくれ!」
自分の服が吐瀉物で汚れるのも厭わず、なんとかディオから逃れようとする。だが腰が抜けてしまったのか思うように動けない。
そうこうするうちにディオは目の前に来てしまう。

「……ヒッ!」
殺されると思い、目をつぶるギーシュ。だが、いつまでたっても衝撃はこない。それどころか何か柔らかいものが顔に触れている。

「ゲロを吐くほど怖がらなくってもいいじゃあないか…」
それはタオルで優しく顔についた吐瀉物を拭いてくれているディオだった。
信じられないという表情をしているギーシュにディオは更に以外な事を提案する。
「恐れることはない…。ギーシュ君、友達になろう…」
こいつは今なんと言った?友達だと…?ディオは続ける。
「あの決闘、確かにぼくの勝利だが、君もとても強かった。敬意を表するよ…今ぼくは拳で語った仲というのかな?
君に友情を感じているんだ。だから…ぼくの友達になってくれないかい?」

前半のみがディオの率直な感想であった。
確かにおれはメイジという存在を舐めすぎていたかもしれない。だがこのディオが苦戦したこいつですら
1番下のランクのトップだという。この先、おれの道筋を邪魔する更に強力なメイジが出てくる事は十分予想される。
こいつは中身がないが、それでもプライドだけはある。
そこを上手くくすぐってやればいざという時に盾くらいにはなるだろう。それに…
ディオの口元が歪む。

トリステインの名門にコネを持っておいて損はない。
ディオはギーシュの反応を待つ。
「ぼくは…」
やがてギーシュが口を開く。
「ぼくはあのメイドに八つ当たりをして君の怒りを買った…そんな僕を責めないばかりか…友達になろうと…いうのかい?」
「ああ。それに…もうぼくの怒りは収まったよ。次は君が行動する番だ」
そういってディオは握手を求める。
その手を暫く眺めると、ギーシュは力強く答えた。
「わかった…ありがとう!こちらこそよろしくお願いするよ、ディオ!」
固い握手。ここに一方通行の厚い友情が結ばれた。
「それじゃあぼくは帰らせてもらうよ。今日は安静にしているといい」
ディオは出口に足を向けかけて立ち止まる。

「ああ…ところであの掛け金とベッドのだけど、よろしく頼むよ」
明日から寝る場所と今後一ヶ月の生活に目眩を覚えてまたベッドに倒れるギーシュを残して
ディオは酸っぱい臭いが立ち込める医務室を立ち去った。


「ねぇ、ヴァリエール」
「なによ、ツェルプストー」
午後の授業が終わり、帰ろうとするルイズをキュルケは呼び止めた。
「実はね、今夜の決闘なんだけど、ちょっと延期してほしいの」
「はぁ?なんでよ」
キュルケは困ったような表情をしながらルイズの耳元で囁く。
「実はね…『あれの日』って事を忘れていたの」
「ば、馬鹿!!」
ルイズが赤面して慌てるのが、人差し指を唇に当てて静かにさせると続ける。
「と、いうわけで五日間、いいえ。三日間の猶予をいただきたいですわ。よろしくって?」
「わ…わかったわよ。仕方がないわね」
そう言うとルイズは慌てて教室を出て行った。心なし顔が赤くなっているのは気のせいだろうか。

「ふ…やっぱり甘ちゃんね、ルイズは…」
一方キュルケは先ほどとは違った妖艶な顔つきをしている。キュルケが決闘を延期したのは『あれの日』のせいではない。
この三日間でディオを落とす事を決心したのだ。
今までの男達から考えると落とすのにかかる時間は三日間もあればまず大丈夫。
キュルケはルイズから使い魔を奪い取った上で決闘に望む事を思いついたのだ。
夕食の時間になる。ルイズが
「あんな勝負に勝ったからって椅子に座って食べられるなんて思わないでよ!」
と言ったので、ディオは厨房に足を向ける。

厨房に入った瞬間、大歓声が上がった。
「いよっ、『我らが拳』のお帰りだぞ!」
マルトーが七面鳥の丸焼きを手にやってくる。
「『我らが拳』?」
「ああ、シエスタから試合の詳細は全部聞いたぜ!あのクソったれ貴族を一発も喰らわずに倒したんだってな!
お前は俺たちの希望だよ!」
あの試合は予想通りの効果をあげたらしい。
優雅な物越しで椅子に座るディオの目の前に七面鳥を置くと手早く皿を用意しながら聞く。
「どうしてこんなに遅くなったんだい?俺はてっきりすぐにここに来てくれると思ってたぞ。」
ディオはさもあまり言いたくないような顔をしながら答える。
「すいません、あの決闘相手を医務室に連れて行って介抱していたらこんな時間になってしまいました」


「聞いたか、みんな!」
マルトーが叫ぶ。
「ディオは相手を倒しただけじゃなく、介抱してやったんだと!相手のことまで考えたぁますます気に入った!!
 なあ、踏ん反り返ってるだけの奴らよりもディオの方がよっぽど貴族に相応しいと思わねぇか!?」
また上がる歓声。
「さあ、ディオ。食った食った!今日はお祝いだ!俺が給仕してやるぞ!」

「あの…」
ワインを注ごうとするマルトーが振り返ると、シエスタが立っていた。
「おお、そうだった。忘れてたぜ!ディオはシエスタの為に戦ったんだもんな!シエスタ、お前が注いでやれ!」
「はい!」
嬉しそうな顔でワインを受け取ると、ディオのグラスに注いでゆく。
その日の厨房はいつにも増して賑やかだった。

(…なんだかうるさいわね)
と思うルイズと、今夜の計画に思いを馳せるキュルケ。タバサは黙々とはしばみ草を食べている。
そしてフレイムは厨房の全員に無視されながらディオを見つめているのであった…。
                                        to be continued…



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