ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第十六話『LAST WORLD その①』

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匿名ユーザー

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ルイズは、暗闇の中にいた。
一体自分がなぜこんな所にいるかはわからなかった。
無明の暗闇の中に、自分と、一枚の鏡。
ぼんやりと、この闇はどこまで続いているのだろう、そんなことを考えた。
他に見るものも無く、視線は自然に鏡へと吸い寄せられる。
映っているのは、何の変哲も無い、自分。真っ暗闇に、座り込んでいた。
何の気無しに、鏡の中に問うてみる。

「ねぇ、あなた…誰?」
答えを期待していたのかは、ルイズ自身にもわからない。
相変わらず鏡は、己の姿を反射するだけである。
ふと、考える。この暗闇で、なぜ鏡が見えるのか?
ふと、気付く。鏡に映っているのは、自分だけではない。
反射的に振り向く。後ろに、立っていた。まるではじめからそこにいたかのように。
見たことも無い、男、いや、少年だった。

(…誰?)
無明の闇の中で輝くような漆黒の髪。闇に溶け込んでいるような、浮かび上がっているような。
剣でも持てば少しは様になるかもしれないが、どこと無く頼りない感じのする体躯。
なんとなく嗜虐心を駆り立てる雰囲気。

ルイズの中でどこか現実感の伴わない懐かしさがこみ上げていた。

――わたしはこいつを知っている――――


第十六話『LAST WORLD その①』


(そんなわけ、ない。わたしがこんな平民…よね? 知ってるはず、ないわ)
頭で否定し、心で肯定する。
決着をつける方法は簡単だ。聞けばいいのだ、『アンタ誰?』と。
それが、出来なかった。なぜだかそれが、躊躇われた。

結局ルイズは、その『平民』への質問を見送り、代わりにこう声をかけた。
「平民がいつまで貴族を見下ろしてるのよ! 生意気よッ犬の癖に!」

――――『いぬ』?
いくらなんでも、初対面の相手に平民とはいえ犬呼ばわりはないじゃないの、そんな風に考えて、
とにかく見下ろされるのも癪だったので立ち上がろうとするが、体に力が入らない。
そんな様子がおかしかったのか、少年は少し呆れたように苦笑した。
どこか気恥ずかしそうな、見方によっては怒っているような、それでいて何か悲しそうな笑顔に見えた。
そんなはにかんだ顔で、彼はルイズのほうに歩み寄ってきた。
ルイズの傍まで来ると、『お手をどうぞ』といった感じに手を差し伸べてくる。
何か喋っているようにも見えるが、その声は聞こえない。
「~~ッ! ば、馬鹿にしないでよ、一人で立てるわッ! …ま、けど…せっかくだから使ってあげるわ」
彼の手を取ると、ルイズはゆっくり立ち上がった。

少年が、鏡を指差す。振り向くと、先程とは違う光景が映されている。
「……わたし?」
鏡には、ルイズが映っている。鏡なのだから当たり前だ。しかし、状況が違う。
鏡の向こうのルイズは地面に倒れ伏している。思い出した。
「負けた……のね、わたし…」
ルイズの呟きは、どこか他人事のような響きを持っていた。
少し、悲しい。
強くなる。そう誓っておいて、あっという間の出来事だった。
どうやらリンゴォへの、自分の使い魔への誓いは果たせなかった。
こんなところで、終わる。そんな自分の弱さが、悲しかった。

リンゴォ・ロードアゲインと言う人間がどういう男か、ルイズはそれを殆ど知らない。
『ゼロ』の自分には、召喚が成功した事だけでも御の字だったのかもしれない。
だけど彼女はもっとかっこいい使い魔が良かったし、平民なんてもっての外だった。
そんな彼に近づこうとしたのは、なぜだったのだろう?
結局彼は、一度として自分を見てはくれなかった。だというのに、なぜ?
もし呼び出されたのが、たとえ平民でも、リンゴォでさえなければ、自分はどうしていたのだろう。
隣の、自分より少し背の高い少年を見る。
「アンタみたいなヤツなら、少しは扱いやすそうだったのにねぇ」
少年はまた、少しだけ困ったような顔をした。相変わらず、声は聞こえない。
「何よ! その不満そうな顔は! わたしの使い魔が嫌だっていうの!?」
けど、それももうどうでもいいこと、ルイズはそう思った。
鏡の向こうは、もう終わってしまったのだ。
どこかで、安堵していたのだ。ルイズは、もう『ゼロ』に疲れきっていたのかもしれない。

「いったい『ここ』が何なのかはわかんないけど……」
(終わってしまったっていうなら、このまま、ここで、コイツと二人っきりっていうのも、
 悪くはないかも…………ね)

『お前さんはこんなとこで終わっていい女じゃねぇんだ! だから早く目を覚ませ!』
突然、どこかから声が聞こえた。いやむしろ、頭の中に直接響いたようだった。
「この声…デルフ? デルフリンガーなの?」

『死んじまう気か! ル…あれ? 嬢ちゃん、名前なんつったっけか? …じゃなくて、逃げろ!』
――名前? わたしの?

唐突の事で混乱するルイズに、鏡はさらに『先』を見せつける。
「きゅ…キュルケ!? それにタバサまで……。そんな…」
そして、見たくないものを目にした。
「リンゴォ……!!」

みんな、やられてしまった。
ルイズは、愕然とした。同時に、口走った。
「行かなきゃ……!」
『行ってどうするの? もう終わったのよ?』
「だってわたし、まだ何もしてない!」
心の中のもう一人の自分に反駁する。
『あなたは立派にやったわよ…自分で誇れるくらいに立派にね』
「自分で誇ってるだけじゃあ駄目なのよ…! せめて……。
 せめて闘って死ななきゃ……!」
『立ち上がれるなら、逃げ出したって誰も文句は言わないわ』
「わたしは…! わたしはルイズよ! それが出来れば苦労なんかなかった!」
ルイズが自分の名前を口にした途端、鏡が光を放ち始めた。
何が起こったかわからず、ルイズは呆然と鏡を眺めていた。
その背中を少年がほんの少し押し出すと、ルイズは吸い込まれるように鏡の中へ消えていった。

気付くと、デルフリンガーがなにやら喚いていた。
何か夢を見ていた気がする。気楽すぎるな、とルイズは自分で思った。
少し霞む目で前を見ると、ロングビルの背中が見えた。
彼女の正体を、おぼろげながらルイズは理解した。
ほとんど無意識的に、ルイズは立ち上がっていた。
杖を握り締める。気絶していても、杖だけは離さなかった。

「そしてフフフ…勝った……! このわたしの…!」

「いいえ、ロングビル…。勝ったのは……わたしたちよ。あなたじゃあない…」
なぜこんな言葉が口をついて出たのか、ルイズ自身にもわからなかった。
『ロングビル』の背中が止まった。

後ろに立つ敵、それが誰かをフーケはその声によって理解した。その敵がどれほどちっぽけかも。
「…大体、こいつが生きてるってのが、おかしかったんだよ……。どういうつもりだい……!」
フーケは己の感じた違和感に動揺し、そして恐怖した。
「このアタシをハメようってかい…! そうはいくもんかね、逆にブッ殺してやるよ…!」
そう、さっさと殺すべきであった。
別に、人を殺す事に躊躇があったわけではない。といって必要以上に殺すつもりがあるわけでも無い。
気の毒とは思うが、悪いとは思わなかったし、事実今までも力の及ぶ相手であればそうしてきた。
そこに後悔はない。それはフーケのちっぽけな、ささやかな、プライドだった。

それは、油断だったのかもしれない。
少なくとも、良心などではない。
ゴーレムはまだ立っている。殺すべきだった。潰すべきだった。
フーケはこの土壇場で、闘うことに躊躇した。
フーケは未だに、振り向く事すら出来なかった。
ルイズが一歩近づく気配のするたびに、フーケの心はかつてなく乱された。
彼女は錯乱するほど愚かではない。しかし最後の最後、一瞬に生まれた隙が、彼女の思考を妨げた。

(おち…ッ、落ち着くんだよ…。ただ、立ち上がっただけじゃないか……!
 怪我があろうがなかろうが、実力は圧倒的にわたしが上……。やられるはずがないわッ
 ただ…ッ、後ろに立たれただけ……。不安要素はどこにもない……!)
言いきかせる頭と裏腹に、心臓の鼓動はどんどん加速していく。
(落ち着くんだ…。冷静に対処すればなんでもないわ…。冷静に、冷静に…。
 冷静に、クールに……クール、クール、クール、クール、クール………)

ぎゅっと目をつぶると、フーケの脳裏に浮かぶ顔があった。
その瞬間フーケの心は、この命懸けの戦場に似つかわしくないほど、穏やかで、安らいでいた。
ルイズの事さえも、頭から掻き消えた。
フーケの震えが止まった。

ルイズには勝てる算段があったわけではない。
目覚めてしまった以上、戦わないといけないような気がして、足が勝手に動いていたのだ。
口から出る言葉は、虚勢が精一杯。
大体、闘うにしたって、まともな魔法すら何一つ出来ないのだ、『ゼロ』の自分には。

算段はなかったが、可能性が無いわけではなかった。『ゼロ』の自分にのみ残された、可能性。
致命的な威力だが、致命的な弱点がある。命中率。
駄目でもともと。ここまで近付けたのが奇跡のようなものだった。

逃げ出したい。名誉がある。仲間がいる。『ゼロ』なんて呼ばせない。強くなんてなりたくない。
怖い。何が? 敵が怖い。死ぬのが怖い。失うのが怖い。仲間を。名誉を。弱いままでいたい。
油断している。勝てるかもしれない。そんなはずない。勝てない。殺される。だってわたしは『ゼロ』。
ここで死ねば、楽になれる。勇敢に戦って、死んだと。弱いままで死にたくない。栄光ある敗北だ。
立ち上がるんじゃなかった。痛い。認めてほしかった。それだけで良かった。痛くなんかない。
死んだら会える? どの面下げて会いに逝ける? わたしはルイズよ。諦められない。強くなりたい。
皆やられてしまった。次は私の番だ。皆の仇を討たなきゃ。誰か助けて。誰もいない。逃げられない。

恐怖と勇気、絶望と希望が感情の坩堝の中で反発し合い、しかしそれぞれが同じ結論を出した。

ルイズは自分の弱さに逃げ込めるほど強い人間ではなかった。
あらゆる逃げ場所を封じられたルイズが逃げ込める場所は、戦場しかなかった。

ばらけた思考が束ねられ、一つの意志へと形を変えていく。

勝ちたい。


「あなただったのね…。ミス・ロングビル……」
未だにこちらを向こうとしない敵に対し、ルイズが語りかける。
「…ミス・ロングビル……? ああ、そうだったわね。それはもう、辞めたわ」
フーケは後ろを向いたまま、それに答えた。
眼鏡に反射させたルイズの位置を確認。焦ることなく、最高のポイントまでおびき寄せる。
「アタシがアンタなら、もうとっくに逃げ出してるんだけどねぇ」
フーケはルイズを挑発する。あと『五歩』足りない。

「敵に後ろを見せない者を…貴族って言うのよ……」
まったくもって、ルイズはいけ好かない貴族そのものだった。
眩しいほどに、いけ好かない。フーケがルイズを振り向けなかったのは、そのせいだったのだろうか。
だがしかし、それでも。敵に背を向けてでも、手に入れるのが勝利だ。
飯の種にもならない名誉に命を張るのは、貴族だけで十分だ。
目覚めたのがルイズなのは幸運だった。目覚めたのがタバサやキュルケであれば、たちまちやられていた。
ルイズはゴーレムを背にしている。
少しづつ、気取られないように、ゴーレムの体を動かす。
本当なら、もっと上手い殺り方はいくらでもあっただろう。
だがフーケは、これがベストだ、そう確信した。
そして、ルイズがベストの位置にやってきた。

「あのまま気絶していれば…楽に逝けたものを……」
フーケは後ろを振り向く。
「動かないで。そのまま大人しく降参なさい」
「どうして? 残るは貴女一人……。
 それだけで片がつく。ましてや『ゼロ』のルイズに………」
一歩だけ、ルイズが近づく。
「その二つ名を知っているのなら…なにが起こるかはわかる筈」
勿論フーケは知っている。ルイズが魔法を使えばどうなるか。
「少しでも…後ろのゴーレムを動かす事があれば、そのノドを吹き飛ばすわ。
 もう魔法なんか二度と…唱えられなくなる様に………」
「最後の警告よ。すぐにゴーレムを解除なさい…」
「…………」
しばしの沈黙の後、フーケが口を開く。
「『試して』みる価値はあるわ…。わたしの『ゴーレム』より……
 貴女のほうがすばやいと?」

フーケが後方へ飛びのいたのと同時に、ゴーレムがルイズの後頭部めがけ拳を繰り出す。
しかしその拳――ルイズへと辿り着く直前に崩れ落ちる――
ルイズの前後で、小さな爆煙と、大きな土煙が同時に巻き起こった。
それに紛れて、花びらの様な血飛沫が舞っていた。

  大地の土くれ…ひと握りほども後悔はしていない………
  何ひとつ……
  ただ…気がかり…なのは…
  あの子をひとり
  こんな世界においていく事だけ
  幸せになってほしい…。わたしの祈りは…

  …………それだけ

一陣の風が土煙をさらに高く舞い上げる。
ルイズはいつの間にか、涙を流していた。なぜかはルイズ自身にもわからない。
砂が目に入ったのだ。それだけだ。そう自分に言い聞かせる。
風は吹き続け、ルイズの視界を完全に封じる。
そのほうがよかった。泣いてる姿を誰かに見られたくはなかったし、見たくはないものもあった。
最後に一際強い突風が、砂煙を全て吹き飛ばした。

砂と涙の混じった目をこすりながら、ルイズは目を開いた。再びその目を閉じるために。
ぎゅっと目をつぶり、そして、今度こそしっかりと目を開く。
さっきまで動いていた『それ』がもう動かない事に、ルイズは不思議な違和感を覚えていた。
そして『それ』をじっと見つめる。その目に、脳裏に焼き付ける。
その後ゆっくりと周囲を見渡す。
倒れている全員が、まるで死体のようにピクリとも動かない。
ひょっとすると、そう考えると怖かった。

「ヘイ嬢ちゃん! そうビクつかなくてもみんな生きてるぜ! ピンピンしてはねーけどな」
不意の声に驚くルイズだが、すぐに平静を取り戻す。しゃべっているのはデルフリンガーだ。
「ああ…そう…皆、よかった……」
「…ありがとね」
「ありがと?」
今度驚いたのはデルフリンガーだった。自分何かしたっけか?
「アンタが鞘に収まったままだったら、皆死んでたかもしれない……」
「へ…? ああ、うん、そうだよオレのおかげだよな!」
全然役に立ったような気がしなかったが、お調子者のデルフリンガーはすぐその気になった。

「それと…ルイズよ」
「へぁ? 何が?」
「わたしの……名前よ」
それだけ言うと、それっきりルイズは黙りこくった。

タバサが目を覚ましたのは、もう朝日も昇りきってからだった。
体中に痛みが走り、ひょっとしたらどこか折れているかもしれなかったが、気にしている場合ではなかった。
周囲を確認し、全てが終わった事を理解する。
フーケらしき人物の顔のところには、ルイズのマントがかけられている。
キュルケの顔の上に手をかざし、ほう、と溜息をつく。
体を引き摺るようにしてルイズのところへ向かう。
動かないルイズを見て、眠っているのかと思ったが、その目はしっかりと開かれていた。
「…立てる?」
タバサの問いに、ルイズは静かに頷く。
リンゴォ・ロードアゲインが木を背もたれにしながら呼吸を整えている。
正直、立っているのが不思議なくらいの重症だとタバサは思ったが、彼女自身、相当の怪我である。
気休め、本当に気休め程度ではあるが、みなに治癒魔法を施す。
まだ目覚めないキュルケを心配するタバサの前に、やはり傷だらけの使い魔が立っていた。
(シルフィード……飛べる? まだ…)
タバサたちは心の中で言葉を交わす。
ルイズには彼女たちの会話はわからなかったが、その意思はなんとなく察した。
「乗って。たぶん、学院までなら飛べそう」
傷ついてもドラゴン。馬で帰るのよりはずっと速いだろう。だが、ルイズはそれを断った。
「わたしは…いいわ。大丈夫、後からちゃんと馬車で帰るから」
「あなたの怪我も酷い」
傍から見れば全員満身創痍だが、それでもルイズはシルフィードに乗ろうとはしなかった。
「わたしはフーケを運ばなきゃならないし…五人も乗ってると流石に重いでしょ?」
タバサはフーケに、いや、恐らくフーケだったものに目をやる。
もう一度ルイズの目を見て、何も言わずにタバサは使い魔に跨った。
リンゴォが担いでいたキュルケをシルフィードに乗せ、ルイズがタバサに『破壊の杖』を手渡す。
そのままタバサは無言で飛び去った。

帰り道、ルイズもリンゴォも、無口だった。
もともと無口なリンゴォはただ話す気がなかっただけだが、ルイズのほうは痛みのせいだった。
少し呼吸がしづらく、ルイズはぜろぜろと息を吐きながら痛みに耐えていた。
馬を御しているのはリンゴォ。彼とて痛みが無い訳ではなかったが、馬を操るのに支障はなかった。

ゆっくりと深呼吸をすると、ルイズは少しだけ楽になった。そしてルイズには聞きたいことがあった。
「ねえリンゴォ…わたし、強くなったと思う?」
「俺に聞くな……」
そこで会話は終了する。デルフリンガーも鞘に収められているため、馬車の上は静寂だ。
(…ま、そんな簡単に変われれば苦労はないわよね)
フーケのほうを見る。被せてあったマントが、馬車の振動でずり落ちていた。

「止めなさい…。リンゴォ! 馬車をと、止めなさい、今すぐ!」
「…なんだ? 急に」
「お、お手洗いよ! も、文句言わずにさっさと止めなさい!」
「なんだ小便か…。さっさと行ってこい」
「バァッ、ば、ばば、ば…バカッ!」
そう吐き捨てて、ルイズは馬車を飛び降り駆け出して(実際は負傷した体を引き摺るようにだが)いく。

「面白いぞルイズ・ヴァリエール」
少し離れた草むらの中から、嘔吐の音が聞こえてくる。
「少しいい『眼光』になった……。だが所詮まだおまえは『対応者』に過ぎない…!」
そして自分は? またしても勝利は掴めず、こうして生き延びている。
一日二日で人は成長できるものではない。だが、変貌は一瞬だ。
死ぬ覚悟さえない者が、ダイヤモンドのように強い男になる事もある。
向かうべき場所は知っている。リンゴォは焦らなかった。

ルイズが戻ってくる。どこかやつれた感じではあるが、目の力は失われていない。
リンゴォ・ロードアゲインは初めて己の主に興味を抱いた。
やがて、二人を乗せた馬車が静かに動き出した。




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