ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの兄貴-5

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「ちょっと……何やってんのよ?」
「見て分からねーか」
「わたしが聞いてるのは主人を待たせて何やってんのってことよ!」

その言葉を完全にガン無視決め込み髪をブラシで整える。
プロシュートもイタリア人である。故に身だしなみには当然気を使う。
ちなみに兄貴『パッショーネ モテる男ランキング』の常に上位に君臨している(メローネ調べ)
なお、最下位は5年連続してポルポがブッチ切りだ。(理由:包み込んでくれそうというより潰されそう 常に何か食ってる ・・・etc)

それを終えたプロシュートがルイズの前に常人には若干関節に負担があるような立ち方で立つ
ルイズの耳に
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨┣¨┣¨
というような音が聞こえたような気がしたが関わると良いことが起こりそうにないので深く突っ込まない事にした。

食堂に向かいルイズが中に入る、だがプロシュートは入り口の前で止まっていた。
「どうしたのよ?」
「……オレはいい」
主従関係を教えるための朝食を用意していたルイズであったが本人が食べないというのでは意味がない。
「食べないのは勝手だけど後で欲しいって言っても知らないわよ」
何とか食堂に連れて行こうとする。
もっとも、ルイズが用意したプロシュートの朝食内容を見れば食堂内で即グレイトフル・デッド発動ということになり大惨事になっていただろうが。
「いいからさっさと行け……」


ルイズが食堂に入ったのを見届けるとプロシュートが壁に背を預け目を閉じる。勿論寝ているわけではない。
夢だ。あの夢が妙に気になっていた。
チームの仲間達の死体の目。あの姿と視線がフラッシュバックとして脳内に蘇りとてもじゃあないが朝食を摂る気にはなれなかった。
いや、それだけならまだいい。「ソルベ、ジェラード、ホルマジオ、イルーゾォ」ヤツらはボスを倒すと誓ったその日から覚悟はしていたし死んだ事も知っている。
だが「ペッシ、メローネ、ギアッチョ、リゾット」は別だ。ヤツらはまだ死んじゃあいない。何故ああもリアリティ溢れる夢を見たのか気に掛かっていた。
「メローネ、ギアッチョ、リゾット」に関しては腕が立つ連中だしあまり心配する事もないが気掛かりなのは弟分のペッシだ。

自分があの状況下から居なくなったという事は「老化の解除」即ち亀の中の連中の復活を意味する。
ペッシのビーチ・ボーイは1対1向けの能力だ、グレイトフル・デッドのように複数人を相手にするのには向いていない。
おまけにあの夢の中のペッシのやられ方はブチャラティのスティッキィ・フィンガースの攻撃にやられたものと同じだ。
その事が自然と彼に朝食を摂らせる気を失せさせていた。
(成長してりゃあいいがな…)

「……るのかい?」
声が聞こえプロシュートが目を開き周囲を見る。
そこには、ここの生徒と思われる男が少女を連れて立っていた
「聞こえているのかい?」
「何か用か?」
「まったく…聞こえているじゃないか、ミス・ヴァリエールが召喚した『平民』の使い魔だったね。道を開けてくれないか」
『平民』という部分を若干強調して男が話す。
だがプロシュートは壁に背を預け立っているので、人が通るスペースなど十二分にある。
「……通りたけりゃあ通りゃあいいじゃあねぇか」
「分からないかい?君は平民なんだから貴族に道を譲るのは当然じゃないか」
思わず蹴りを入れそうになるが、一応ルイズから騒ぎを起こすなと言われているため無言で道を開ける。
それを見た男が満足気な顔で少女を連れ食堂に入っていった。
もちろん、このままではプロシュート、いや暗殺チームとしての沽券に関わる。
男が食堂に入る前にグレイトフル・デッドで男の財布を抜き取っておいた。
数時間後騒ぎになるが犯人は誰か分からないままであった。(後のギーシュ財布盗難騒動である)

朝食を終えたルイズが授業を受けるべくプロシュートと共に教室に向かう。
この朝一の授業はサモン・サーヴァントの初めての授業。つまり皆が己の使い魔を披露する場も兼ねている。
その中にただプロシュートが立つ。ハッキリ言って浮いている、そりゃあもう浮いている。ジャンピン・ジャック・フラッシュを食らったかの如く浮いてる。
壁に背を預け腕を組みながら立つその姿はどう見てもヤクザです、本当に(ry
ざわ……ざわ……ざわ……
  ざわ……ざわ……ざわ……

生徒がざわつき始めるがその内容は殆どプロシュートとルイズに対してのものだ。
その中に明らかにプロシュートに対して脅えているものが2~3名。初日のグレイトフル・デッドの広域老化攻撃に巻き込まれた連中だ。
話の内容から察するに他の生徒達からは「夢でも見てたんじゃあないか」とか「平民がそんな事できるわけない」とか言われているようで
本人達も気付けば特に異常は無いらしく夢あたりと思いたいらしいがやはり兄貴の平民にあるまじきプレッシャーが怖いらしい。

そんな中『ゼロのルイズ』という単語が聞こえる。プロシュートがルイズにそれがどういう意味か尋ねてみるが
(アンタには関係ないでしょ!)
という目で思いっきり睨み返される。

そうこうしているうちに授業が始まるがプロシュートには全く興味が無い事なのでほとんど話を聞いていない。
唯一、シュルヴルーズと呼ばれる教師が石を金属に変えた時はそれを見ていたようだが。

そして、ルイズが教師に呼ばれ前に出る。生徒達のざわめきがプロシュート達が教室に入ったものより大きく続々と生徒達が机の下などに退避する。
ルイズが詠唱を始め石に杖を向ける。だがプロシュートの背筋にゾクリと冷たい物が走る。
亀に直触りを仕掛けようとし、列車の天井にジッパーを付けたブチャラティが自分を攻撃しようとした時のように。

瞬時にグレイトフル・デッドを発現させ一気に教室の後ろまで下がる。机の下は生徒達とその使い魔で一杯で入る余裕は無い。
後ろに行きスタンドを構えさせた瞬間―――『爆発』が起こった。

色々な破片がプロシュートに飛んでくるが全てグレイトフル・デッドで迎撃する。精密動作がニガテとはいえこの程度の物を落とすのは訳はない。
机の下に隠れてたとはいえ爆風まで完全に遮断できず、生徒達が若干ススに汚れたまま這い出てくる。
一応自身を見るがスーツに傷や汚れは無い。オーダーメイドであり体に完全に馴染むものはこれ一着しか無い。汚れはともかく傷だけは御免だ。

スス塗れの生徒達からルイズに明らかに非難と侮蔑の視線と言葉が集まる。当のルイズは下を向き若干震えたようにしている。
だが、プロシュートが抱いた感想は生徒達の物とは違っていた。
(隠密行動や暗殺には向かねーが、大した威力じゃあねーか)
あくまでギャング的な思考である。

授業終了後、殆どの全ての生徒が出て行った教室でルイズとは対照的な女とルイズが激しくガンを飛ばしまくっていた。もっともほとんどルイズが一方的にではあるが。
「また派手にやってくれたもんねぇゼロのルイズ」
「きょ、今日は少し調子が悪かっただけよ!」
「あら、今日じゃなくて何時もの間違いじゃない?」
など口論している、ところにプロシュートが割り込む。

「聞きてぇんだが『ゼロのルイズ』ってのはどういう意味だ?」
「あら…あなたがルイズの召喚したっていう平民ね。…結構シブくて良い男じゃない」
「フン…で、オレは『ゼロのルイズ』って意味を知りてぇんだが」
「だから、アンタには関係ないって――ひょっほあにふんほよ!(ちょっとなにすんのよ!)」
女がルイズの口を押さえてプロシュートの問いに答え始める。

「なるほどな、あの爆発は魔法に失敗した結果って事か」
「そう、今までの魔法が100%失敗してるから『ゼロ』って事よ」

「あらもう、こんな時間。先に行ってるからこれからも頑張んなさいよゼロのル・イ・ズ♪」
「~~~~~~~ッ!!」
からかうようにして言い放つ女に対し怒りが限界を突破して声にすらなっていない。ルイズ火山噴火一歩手前というところである。

                                ・・・
だが、次の瞬間プロシュートが取った行動は―――意外ッ!それは肘撃ちッ!

バギィ!
教室に響く鈍い音
若干手加減されていたとはいえ現役ギャングの攻撃である。女は思いっきり床に倒れていった。
ルイズとその女、双方とも何が起こったのは分からないといったような表情だ。先ほどまでの喧騒が嘘の様に静かになっている。

「使い魔…それも…平民が!名誉あるツェルプストー家の…この『微熱のキュルケ』に何てことをッ…!!」
ルイズの方はまだ何が起こったのは理解できていない様子で倒れているキュルケを見たまま動けないでいる
だが、プロシュートはそんな事に構いもせず倒れている女―キュルケに近寄り言い放つ。
「オレの世界ではなッ!侮辱するという行為は殺人すら許さていると言ったヤツが居るッ!
      いけすかねぇ豚野朗だったがそいつのその言葉だけは一理あったッ!今ッ!オメーはそういう事をこいつにやっているんだぜッ!」
プロシュートの迫力に何も言えなくなるキュルケ、そしてプロシュートが自分が『ゼロのルイズ』と呼ばれていた事に対してキュルケを殴った事に気付く。
(え…こいつが怒ってるのってわたしが『ゼロのルイズ』って呼ばれて、侮辱されたからって事…?)

さらにヒートアップするプロシュートの説教。チーム内でもペッシ、メローネ、ギアッチョに対しての説教の多さは有名になっていたりする。
まぁメローネとギアッチョは大して聞いていないため実質ペッシだけであるが。

「行くぜルイズッ!」
ギャングとしての説教を終えルイズを呼び教室を去るプロシュート。呼ばれた方は初めて自分の名前が呼ばれた事もあってマトモな返事も出来ず付いていく。
そして一人教室に残されたキュルケ。何も言えなかった、何も言えるはずがなかった。
「平民が…!この『微熱のキュルケ』に…!許せない…!許せない…!」
そう呟く。だが次の言葉で何も言えなかった理由が判明する。

               ・・・・・
「……許せないぐらい『燃えてきたわッ!』」
微熱のキュルケ、その二つ名の本領が発揮された瞬間であった。

戻る<         目次         続く
+ タグ編集
  • タグ:
  • 第五部
  • プロシュート

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー