『失敗魔法初心者』なキュルケの状況を心得ているのか、ルイズは口を使わず、ハンドサインでキュルケに何かを伝えようとしていた。
もくもくとあたりに舞う煙のせいでキュルケはよく見えなかったが、どうやらルイズは、「今のうちにケツをまくれ」と言っているらしかった。
ルイズの機転で後退の時間を得て、2人はタバサのいる方へ向かった。
地面に残っている引きずったようなコルベールの血痕をたよりに、2人は煙の中から脱出した。
少し先にコルベールの右足を掴んだまま立っているタバサが見えた。
どうやらあの状態でコルベールを引きずったらしい。
結構手荒な所業だった。もう少し離れれば、あの触手の射程圏外だろうと判断した二人は、ふっと肩の力を抜いた。
---抜いてしまった。次の瞬間、タバサの目が驚愕で見開かれた。
もくもくとあたりに舞う煙のせいでキュルケはよく見えなかったが、どうやらルイズは、「今のうちにケツをまくれ」と言っているらしかった。
ルイズの機転で後退の時間を得て、2人はタバサのいる方へ向かった。
地面に残っている引きずったようなコルベールの血痕をたよりに、2人は煙の中から脱出した。
少し先にコルベールの右足を掴んだまま立っているタバサが見えた。
どうやらあの状態でコルベールを引きずったらしい。
結構手荒な所業だった。もう少し離れれば、あの触手の射程圏外だろうと判断した二人は、ふっと肩の力を抜いた。
---抜いてしまった。次の瞬間、タバサの目が驚愕で見開かれた。
「後ろ!!」
珍しく取り乱した様子タバサの叫びと同時に、煙の中から飛び出してきた何かが、キュルケの足を掴んだ。
凄まじい力で引っ張られて、足を取られたキュルケは地面に倒れた。
慌てて足元を見てみれば、千切れた左腕が、キュルケの足をひしと掴んでいた。
凄まじい力で引っ張られて、足を取られたキュルケは地面に倒れた。
慌てて足元を見てみれば、千切れた左腕が、キュルケの足をひしと掴んでいた。
「「なぁっ……!?」」
一瞬あっけに取られた2人だった。
足を掴む左腕は、人知を越えた力で、キュルケをグイと引っぱった。
"ズザザザザザ…!!"
「うひゃぁぁ!?ぁあああぁあ……」
「うひゃぁぁ!?ぁあああぁあ……」
情けない悲鳴とともに地を滑り、あっという間に煙の中へ引きずり込れて行くキュルケを、ルイズとタバサは指をくわえて見ているだけだった。
キュルケの悲鳴は徐々に小さくなっていき、やがて完全に聞こえなくなった。
B級ホラー映画のような展開から、先に現実に復帰したのはルイズだった。
1も2もなく煙の中に駆け込んでいくルイズをしかし、タバサが止めた。
キュルケの悲鳴は徐々に小さくなっていき、やがて完全に聞こえなくなった。
B級ホラー映画のような展開から、先に現実に復帰したのはルイズだった。
1も2もなく煙の中に駆け込んでいくルイズをしかし、タバサが止めた。
「危険…!私も行く…!」
「タバサはそこにいて!コルベール先生の様子を見てて!!」
「タバサはそこにいて!コルベール先生の様子を見てて!!」
振り返らずにそう答えるルイズ。
またさっきみたいに死体の体の一部が飛んでくるかもしれなかったので、タバサは従うしかなかった。
またさっきみたいに死体の体の一部が飛んでくるかもしれなかったので、タバサは従うしかなかった。
一方キュルケは--
「うひゃぁぁぁあああ…!」
「うひゃぁぁぁあああ…!」
まだ引きずられていた。(油断してた……!)
キュルケは反省したが、もう遅かった。
とりあえず、引きずられても手放さなかった杖を 、自分の足を掴む筋肉質な左腕に向けた。
キュルケは反省したが、もう遅かった。
とりあえず、引きずられても手放さなかった杖を 、自分の足を掴む筋肉質な左腕に向けた。
「ファイヤ!」
キュルケは火の魔法で左腕を焼き払った。
ボドリッと足から腕が離れ、ジューッと音を立てた。
ボドリッと足から腕が離れ、ジューッと音を立てた。