ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

Shine On You Crazy Diamond-4

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マリコルヌが言い放った一言で、わたしとマリコルヌは言い争いになった。
なって当然だ。マリコルヌはわたしを『ゼロ』と侮辱した。理由はそれだけで十分だった。
言い争っているとミセス・シュヴルーズに止められてしまった。先生から言わせるとみっともない口論らしい。
しかしそのみっともない口論の原因が先生にもあることを自覚して欲しい。
だがマリコルヌはそのあとも口を閉じずわたしのことを馬鹿にする。周囲はそれに賛同してわらった。先生に口を閉じさせられていたが。
そして授業が始まった。授業内容は『錬金』だった。1年生のときに習う基本の魔法の一つである。
どうやらおさらいするらしい。
ミセス・シュヴルーズが石を真鍮に変える。
ミセス・シュヴルーズが自分の自慢をしている最中にヨシカゲが『トライアングル』や『スクウェア』とはなにかと聞いてきた。
別に授業中だからダメと、答えなくてもよかった。しかし何かを人に教えるという行為はしたことはなかった。
教えるということは人から必要とされているということじゃないのだろうか。
そう思うと少しだけいい気分になった。
平民に必要とされただけこう思ってしまうのもなんだったが、答えてやろうという気持ちにはなった。
ヨシカゲに説明するとしっかりわたしの話を聞いてくれた。何だか教えるのはいい気分だったので調子に乗ってさらに説明しようとする。
しかし調子に乗ったのがいけなかった。
ミセス・シュヴルーズに注意されてしまった。しまった!
こいつが話しかけなければ!そう思いヨシカゲを睨んだ。ヨシカゲは気にした様子もなく顔を逸らしたが。この野朗!
罰としてみんなの前で錬金することになってしまった。
新手のいじめだろうか。別にするのは問題ない。しかしみんなの前でするのが問題なのだ。
失敗するつもりでやるわけではないが失敗すれば周りから嘲られるのは一目瞭然だ。それがどれだけわたしに対する負担になるかわかっているのか!?
そう思いしり込みしていると、
キュルケが困った声で先生にそれはやめたほうがいいと進言した。

これがきっかけだった。なぜ出来ないと決め付けられているのか、今度こそ成功するかもしれないじゃないか!
周囲の目が気にならないほど反抗心が湧いた。でもそんなもの一時的なものでしかない。ただのつまらない意地がそう思わしていただけなのだから。
しかしその一時の気持ちがわたしにやる気を起こさせた。
「やります」
そう宣言し教室の前に移動する。
そして杖を構える。それと同時に教室中が椅子の下へと隠れる。隠れていないのはミセス・シュヴルーズとヨシカゲだけだった。
それを確認しながらルーンを唱え杖を振るう。
……結果は勿論失敗だった。
教室中は大騒ぎになりミセス・シュヴルーズは気絶しわたしも服がボロボロになってしまった。
やはり失敗してしまったか……。教室中が文句を言ってくる。しかしそれを意に介した風も無い様に振舞った。それだけしか出来なかった。
その後起きた先生から魔法を使わずに片づけをしろ言い渡された。
そんなことわざわざ言わなくてももう魔法が使えないというのはわかっているはずなのに嫌味な先生だ。
それに自分では気づいていないから質が悪い。
掃除はヨシカゲに任せた。元はと言えばヨシカゲが話しかけてきたのが悪いのだから当然だろう。しかしわたしが言い渡されたことなので机だけは自分で拭いた。

掃除中皆にバカにされた怒りをヨシカゲにぶつける。
そうだ。すべてこいつが悪いのだ。そう思い自分を慰めた。
掃除が終わり食堂へ行く。その時、ヨシカゲは呟いた。
「『ゼロのルイズ』か。言い得て妙だな」
そう呟いたのだ。足が立ち止まる。
後ろを向きヨシカゲを見る。こいつも、こいつもわたしをバカにするのかと、わたしを嘲笑うのかと。
自分の使い魔にまで嗤われるとはなんてことだ。どす黒い怒りが体を駆け巡った。貴族でもない辺鄙な平民風情がわたしを嘲笑うなんて!

その時貴族に執着しているわたしにとっては平民に嗤われるなんてことは有ってはならなかった。

すぐさまヨシカゲから顔を背け食堂へと歩き出す。
食堂に着きヨシカゲに椅子を引かせそれに座る。そして食堂を出て行こうとするヨシカゲを呼び止める。
ヨシカゲがこちらを振り向く。そんなヨシカゲに、
「あんたこれから1週間ご飯抜きね」
そう宣告した。
ヨシカゲは酷く驚いた顔をした後食堂を出て行った。
いい様だ。


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