ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は静かに暮らしたい-6

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匿名ユーザー

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魔法で変わった金属は真鍮だった。さらに『スクウェア』というクラスなら石を金にすることすら出来るという。
シュヴルーズは『トライアングル』というクラスらしい。メイジのランクを表すのだろう。
「ルイズ」
ルイズに小声で呼びかける。
詳しいことはルイズに聞けばいい。
「何よ。今授業中よ」
なんだかんだ言っても結局は答えてくれる。
どうやら私の予想は大体あっていたらしい。
下から『ドット』『ライン』『トライアングル』『スクウェア』というクラスがあるらしい。
「それで「ミス・ヴァリエール!」は、はい!」
「授業中の私語は慎みなさい」
ルイズが私を睨み付けて来る。確かに今回は私が悪かったな。
私語していたのでルイズがみんなの前で錬金をすることになった。
しかしルイズは困ったようにもじもじし、立ち上がらない。
シュヴルーズが再度呼びかける。するとキュルケが困った声で声で言う。ルイズにさせるのは危険であると。
教室にいた生徒たちの殆どが頷く。
しかしルイズは覚悟を決めたのか、
「やります」
と言うと教室の前へ歩いていく。そして真剣な顔をして杖を持つ。
それに対応するように前の席にいた生徒たちは椅子の下に隠れる。一体なんだと言うんだ?
ルイズが短く唱え杖を振ると石が……爆発した!?
何が起こったんだ!?あちこちで悲鳴が上がる!使い魔たちが暴れだす!窓ガラスが割れる!私の帽子が!
立ち上がったルイズは他の生徒たちから非難を浴びる。
私はそれを聞き、帽子の形を直しながら『ゼロのルイズ』の意味を理解した。
その後ルイズは教室の片付けを命じられ、終わったのは昼休み前だった。ルイズにネチネチ文句を言われたが仕方ないことだと自分を納得させる。殆どすべての片づけをしたのは私だが仕方ないことだと自分に言い聞かせる。
そうしなければやっていられない。
その後ルイズと一緒に食堂へ向かう。私は昼食抜きだが着いていかなければならないらしい。
「『ゼロのルイズ』か。言い得て妙だな」
薄く笑いながら呟く。単純に魔法を使わないのは苦手なのかと思っていたが、まさかまったく使えないとはな。
本当に貴族なのだろうか。いや貴族だから退学にならないのか。
そんなこと考えてるとルイズが立ち止まりこちらを睨んでくる。どうかしたのだろうか?
しかし何も言わず食堂に向かう。一体なんなんだ?
食堂に着き椅子を引く。ルイズが席に着くと食堂から出ようとする。
「ちょっと」
しかしルイズが呼び止める。なんだろうか?
「あんたこれから1週間ご飯抜きね」
怒りを押し殺したような声でそう言う。
この女はふざけているのか?そうとしか思えない。しかしその表情からは凄味を感じる! どうやらマジのようだ。
それを感じ取りながら食堂から出て行く。くそっ!何に怒ってるんだ!
食堂から出ると壁に凭れ掛かりながら考える。どうやって生きようかと。このままルイズの所にいては殺されてしまうかもしれない。
まさか1日目で脱走を真面目に考えるなんて思っていなかった。最低でも2週間はいようと思っていたんだがな。
このままここにいるより脱走したほうが幸福になれる気がする。
いや魔法使いと係わらなければ案外簡単に静かで幸せな生活が遅れるんじゃないか?
しかし腹に何かを入れなければならないと感じる。これが空腹という奴なのだろう。
朝は少ししか食べてないし掃除は中々重労働だったからな。当然と言えば当然か。
銃で鳥でも撃って食べようか。脱走はその後で「どうかなさいました?」誰だ?
顔を上げると銀のトレイを持ち、少し変わった格好をした少女がこちらを見ていた。見た目から判断するとまず貴族ではないな。
「あ~……」
喋ろうとする、が……こういった場合どう答えればいいのだろう?
「もしかしてあなたがミス・ヴァリエールの使い魔になったていう……」
どうやら彼女はこちらのことを知っているらしい。
「ああ、そうだけど。でもどうして私のことを知っているんだ?」
「ええ。なんでも、召還の魔法で平民を呼んでしまったって。噂になってますわ。」
そうなのか。
「使い魔はここら辺では見かけない格好で趣味の悪い帽子を被っているって……」
つまり君も趣味が悪いと思っているのか……
「私はシエスタっていいます」
「私は吉良吉影だ」
その時腹の虫が鳴く。
「お腹が空いてるんですね。賄い食ですけど食べますか?」
今なら神様を信じてると心から言い切れるだろう。


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