ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は静かに暮らしたい-15

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匿名ユーザー

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何故こんなことになっているんだろうか。
目の前でルイズとキュルケが睨み合っている。私の手の中にはキュルケにプレゼントされた剣が握られている。
長さはデルフリンガーと大して変わらない。けれどデルフリンガーと違い宝石が散りばめられ、刀身には錆一つ無い。
私が仕事を終わらしたのはお昼の少し前ほどだった。後は私に向かって喚いてくるルイズから身を隠し自分だけの時間を堪能するはずだった。
キュルケと青い髪の少女がルイズの部屋にやって来たのだ。そして私にこの剣をくれた。
デルフリンガーをみて(おそらくフレイムで監視してたときだろう)自分がいい剣をプレゼントしてあげようと思ったらしい。
それがルイズの気に障ったようだ。ルイズはキュルケが嫌いらしいしな。
「どういう意味?ツェルプストー」
「だから、ヨシカゲの剣があまりにもボロボロで哀れだから、そっち使いなさいって言ってるのよ」
「おあいにくさま。使い魔の使う道具なら間に合ってるの。ねぇ、ヨシカゲ」
どうやら先程まで私に感じていた猜疑心は無くなっているようだった。
「いや、剣が多いほうが何かと便利だろう。それにこれはデルフリンガーより良く切れそうだ」
剣が折れたりしたら予備がいるしな。何よりこの剣は喋らない所がいい。
ルイズが私のほうを睨みあげてくる。
「返しなさい。あんたには、あのしゃべるのがあるじゃない」
「錆びた剣と錆びてない剣なら錆びてない剣の方が切れるに決まってる。それにただでくれるというんだ。なぜキュルケを嫌っているのかは
知らないが戦力が増えるならそれに越したことは無いだろう」

そういいながら剣を鞘にしまう。ルイズの睨みが力を増す。
「嫉妬はみっともないわよ?ヴァリエール」
キュルケがルイズに勝ち誇るように言う。
「嫉妬?誰が嫉妬してるのよ!」
「そうじゃない。ヨシカゲはあなたが買った剣より、私が買った剣の方がいい剣だって言ってるから、嫉妬してるんじゃなくって?」
「誰がよ!やめてよね!ツェルプストーの者からは豆1つ恵んでもらいたくない!そんだけよ!」
そう言うと私の手から剣を取り上げようとするがその手を避ける。
この様子を見るにルイズはキュルケ個人も嫌いだがツェルプストーという家系も嫌っているようだな。
つまり昨日のルイズの怒りはツェルプストーに自分の使い魔が尻尾を振ったと思い切れてたわけか。プライドだけは一人前のつもりということか。
その後キュルケがルイズを挑発するが、逆にルイズもキュルケを挑発する。
そして二人が自分の杖に手をかける。まさかこんなところで魔法を使う気か?危険だろうじゃないか!
そう思い剣を抜こうとする。しかしそれより早くつむじ風が起こりキュルケとルイズの手から杖を吹き飛ばした。
「室内」
どうやらキュルケの連れの少女が魔法を行使したようだ。
さっきからじっと本を読んでいたが回りには気を配っていたようだ。
目が合ったので感謝を込め軽く頭を下げた。
少女は何も反応を示さずまた本を読み始める。
「じゃあ、ヨシカゲに決めてもらいましょう」
「そうね、あんたの剣で揉めてんだから」
どちらか一つ選ばなければいけないのか。……やはり貴族が係わると碌な事にならない。
キュルケの部屋で感じた予感が的中したな。そう思いため息をついた。


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