ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

DIOが使い魔!?-32

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匿名ユーザー

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武器店からでてくるルイズとDIOを、見つめる二つの影があった。
キュルケとタバサだ。
先程店内から爆発らしき物音がしてから、キュルケはあたふたとしていたが、
店から出てきたルイズは別段異常はないようだったので、ホッと一息ついた。

「ルイズったら、武器なんか買い込んでどうする気かしら…」
キュルケはその場を行ったり来たりしながらボヤいた。
一方のタバサは先程からルイズの後ろに従って、剣を担いでいるDIOに目が釘付けだった。
風竜のシルフィードは、暇そうに高空をぐるぐる回っている。
もう、これ以上つけまわす必要は無さそうだ
―――本を両手で胸に抱えて、タバサはそう考えた。
『土くれ』のフーケとやらが暴れ回っている近頃では、貴族がその従者に武器を持たせるのが流行っている。
ルイズもご多分に漏れず、その流行に乗ったという所なのではないだろうか?
確かに、DIOを観察するのは重要事項とは思うけれど、四六時中目を離さずにいろというのも無理ってモノだ。
タバサは独り頷いて、学院に帰るべくキュルケを説得しようと思った。
その時、
黙々と城下町を歩いていたルイズとDIOが突然立ち止まった。

2人の顔が、同時にグルンと振り向かれ、タバサを捉えた。
赤色と鳶色の目で射竦められ、タバサはその小さな体を強ばらせた。
バ、バレてた…………!
本を抱える両腕に力がこもる。
息を詰まらせ、タバサは2人と数瞬視線を交わらせた。

(……『見て』いるわね?)
ルイズがタバサを指差した。
遠くなので声が届くはずもなく、ルイズの唇の動きだけで、タバサはルイズの言葉を知る。
タバサはジリジリと後ずさった。

(…………無駄無駄)
軽やかな口振りでそう言うと、ルイズはもう興味がないという風にフイと視線を戻した。
暫くしてDIOもそれに従った。
再び歩き始め、近くの服屋に消えていった2人を見届けて、タバサはようやくその体を動かす事ができた。
もう一秒だってここにはいたくない。
振り返って、まだ行ったり来たりしているキュルケに呼びかける。

「キュルケ……!」
「あ、あら何タバサ?
そう言えば、ルイズ達は何処行ったの?」
のん気そうにルイズの次の行き先を尋ねるキュルケだったが、タバサはそれを無視して、キュルケを街の外れまで無言で引っ張った。

「ち、ちょっと、タバサ…!まだ尾行は終わってないわよ…!?」
「退却!」

名残惜しそうに街の方を見つめるキュルケだったが、珍しく必死な様子を見せるタバサに、グチを言いつつも振りほどけないでいた。
タバサはそのまま指笛を吹いて、シルフィードを呼びつけると、キュルケと共にその背に跨り、
逃げるようにしてブルドンネ街から飛び去った。
余りに慌てていたのか、キュルケが一瞬シルフィードから転げ落ちそうになった。
シルフィードの背びれにもたれながら、タバサは、DIOから四六時中目を離さずにいられるような方法を真剣に考え始めていた。
シルフィードの飛んだ後の空には、一本の白い筋が尾を引いていた。

to be continued……


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