ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

DIOが使い魔!?-25

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匿名ユーザー

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DIOは、ギーシュが倒れるのを見てから、一歩一歩ゆっくりとギーシュに近づいた。
うつ伏せに倒れるギーシュは、身を捩って喘いだ。
全身をくまなく苦痛が襲い、涙が溢れる。
気が触れる寸前だった。
そんなギーシュを、DIOは見下ろす。
片膝を地面につけ、ギーシュの肩にポンと手をおいた。

「『安心』しろよ小僧。
今すぐ医者に見てもらえば、助かるさ……多分な。
ほら、見ろよ。心臓も肺も無事だぞ?よかったな」
既にギーシュは目の焦点が合っていないのだが、そんなことはDIOには関係なかった。

「なぁ、小僧。俺は知っているぞ。俺のこの状態は、決して長続きしないことを。
…恐らく、ほんの束の間さ、俺がこうしていられるのも。
すぐに元の木阿弥さ。
わかるんだ」
ギーシュは急性出血からショックを起こし、体がガクガク痙攣している。

「今お前を、地面を這いつくばるカエルみたいにペチャンコにしてやってもいいんだが、そうすると後が問題さ。
ここは人目が…メイジが多すぎる。
さすがの俺でも、少々困ったことになってしまう」
チラッとDIOは振り返った。

ルイズが無表情で、右手の親指でクビをギィッと掻き切る真似をした。
GOのサインだ。

「かわいい『マスター』は、お前を殺して欲しいらしいぞ……だが、貴様は殺さん。かといって、このままでは俺の気が収まらん。
そこで……!」
DIOはおもむろに、その五本の指を、ギーシュの胸に突き刺した。
ギーシュがコフッと、血を吐いた。
体が痙攣して、杖をぽとりと取り落とす。

"ズギュン"
"ズギュウン"
"ズギュゥゥウン…!"
DIOはその指を通じて、ギーシュの血を三回ばかり吸った。
貧血により、本当に顔面蒼白となったギーシュは、あっさりと意識を手放した。
DIOは指をギーシュから引き抜き、その指についた血をペロリとなめた。
勝負ありだった。

「シエスタ」
「はい、DIO様」
DIOの呼びかけに、シエスタが即座に応じた。
しずしずとDIOのそばに歩み寄り、お辞儀をする。

「邪魔だから、片付けておけよ……そのボロクズを」
DIOはきびすを返し、広場を立ち去ることにした。
その左手の甲のルーンの光が、ふっと消えた。
DIOが近寄ると、輪をかいていた観衆のその部分が、モーゼのように二つに割れた。
シエスタは、かしこまりましたと言い、ギーシュのそばに近寄った。

何をするのかと思いきや、シエスタは一言"よいしょ"と気合いを入れると、ギーシュを軽々とその肩に担いで、医務室の方へと背筋を伸ばしたまま歩いていった。

---あれなら石像を運んだと言われても納得だろうか、とルイズは思ったが、そんなことはどうでもよかった。
さっきギーシュがナイフに全身を貫かれた時、そして、血を吹き出すのを見たとき、自分は何を思ったか。
それだけが重要だった。
…………なんとまぁ、あの赤い生命の旨そうなことか…そう思ったのだ、確かに。
これは、おかしい。
まるで自分がギーシュの血を飲みたいと思っているみたいではないか。
二重に契約したことで、自分はDIOと精神的により深い面でつながっていることをルイズは知っていたので、それのせいだろうか、とルイズは思った。
そして、考えていたせいで、ルイズはギーシュを爆殺する機会を逃したことを知り、舌打ちした。
いずれにせよ、DIOはまたしても、命令不履行を働いたことになる。
ルイズは、ギーシュを殺さなかったDIOの後を走って追いかけた。
結局ルイズは、DIOが向かった自分の部屋にたどり着いても、少しも息を切らすことはなかった。

ギーシュ……全身にナイフが刺さり、瀕死の重傷。早退(リタイア)

to be continued……


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