ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

DIOが使い魔!?-11

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匿名ユーザー

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背後から飛来した氷槍は、一発の無駄もなく、ルイズを縛る触手を断ち切った。

次第に晴れる爆煙のなかを、タバサが駆け寄ってきた。

「タバサ、ナイス!!」

細かいことを任せれば、天下一品のタバサに、キュルケは感謝した。
タバサはそれに答えることなく言った。

「今のうち。早く逃げる」

上空から、タバサの使い魔である風竜のシルフィードが舞い降りてきた。その背中には、意識を失ったコルベールを乗せている。
シルフィードで空へ逃げるということか。
キュルケは地面に倒れ伏すルイズに駆けより、その傷だらけの体をソッと抱き上げた。
しこたま吸血されたせいか、ルイズの体は羽根のように軽かった。

(……かっこ…つけて……)

泣いてる暇はない。
ルイズを抱えたキュルケは、シルフィードの元へ駆け寄った。
タバサはすでにシルフィードに乗って、2人を待っていた。

「お待たせ!!」

颯爽とシルフィードの背に跨ったキュルケを見やると、タバサはシルフィードを空へと飛翔させた。
シルフィードが一声きゅる、と鳴いた。
ひとまずは大丈夫だ……。
騎上で2人は今度の今度こそ肩の力を抜いた。

………。
2人は下を覗いて、あの得体の知れない、ルイズの使い魔の様子を見た。 タバサに断ち切られた触手は既に八割方回復していた。
一体どこまで化け物じみているのか。
そして次に、肉から伸びる触手が、お互いに複雑に絡みついてき、やがて一つの塊を為した。
人類の原始を連想させるような、おぞましい肉塊は、次第に次第にその形を安定させていき、ついには1人の男の人影となった。
下半身は衣服を身につけていたが、上半身はものの見事に裸だった。
太陽光を受け、まるでそれ自体が輝きを放っているかのようなブロンドの髪。
古代オリエントの彫刻を思わせる、艶めかしいが躍動感の溢れる、均整のとれた肉体。
男のくせに、そいつはまるで女のような、怪しい色気を放っていた。
片膝をつき、地に目を落としている。
よく目を凝らしてみないと分からなかったが、その肉体の首の背中の付け根には、星形のようなアザがあった。
広場に現れた場違いなまでの美男子の姿に、2人は釘付けになった。
あまりにも夢中になっていたので、その腕を1人の少女がすり抜けていることに、キュルケは気づくのが遅れた。

「へ……? あっ……!?」
時すでに遅く、いつの間にか意識を取り戻していたルイズが、シルフィードから転げ落ちるように男めがけて落下をしていった。


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