ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-14

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匿名ユーザー

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デルフリンガーを持ったおれはガンダールヴの力で身体能力が向上する。
その状態ならこっちに気づいていないワルドを一撃で仕留めるのは容易だった。
だがワルドはそれを避けた。
どうやらこちらの攻撃を予想して、警戒していたらしい。
ワルドはルイズを放り投げ、こちらに向き直った。
「昨日はよくもコケにしてくれたな!」
あ、怒ってる。樹から落とした事怒ってる。
「貴様を倒すためにこの役目を引き受けたのだ!」
「おい、貴族派は明日の正午に攻撃するって言ってたらしいな?それなのにこれはどういう事だ?」
「トリステインとゲルマニアの同盟を潰すのが最優先、そのためには奇襲が良いのでね」
なるほど。貴族派ってのは組織そのものが腐ってるのか。
確かにこいつらは放って置けば不可侵条約とかも平気で破りそうだな。
さっさと倒しておかないとな。
「ウェールズ!ルイズを頼むぞ!」

さあ戦闘開始だ。
ワルドの作り出した風の塊がおれを襲う。おれはこれを避け、テーブルの下に滑り込む。
わざわざ正面からやりあうつもりは無い。
ウェールズはルイズを連れて離れたようだし襲われる心配も無い。
おれが隠れられるだけの遮蔽物はあるんだし、存分に利用させてもらおう。
テーブルの下を走り、ヤツの死角から攻撃して決着を付けるつもりだ。
ヤツの斜め後ろまで回りこんだ所で一旦停止。
少し観察して見る。さっきは完全に奇襲のつもりだったのに避けられたからな、
何で避けられたのかを考えなきゃさっきの二の舞だ。よーく観察しなきゃな。
「どうした?仕掛けてこないのか?では、こちらから行くぞ!」
ヤバイ。居場所がバレてる。防御か回避をしないと。
クソッ!どうしてこっちの場所がヤツには分かるんだ?

考えるだけじゃダメだ。とにかく行動しないと間に合わなくなる。
やつの死角に向かって走り出す。
それを正確に捉えるワルドの杖。
「エア・ハンマー!」
風の塊が当たった。

おれの形をした砂人形に。
「砂だと!?」
一瞬ではあるが動揺するワルド、それを見逃すつもりは無い。
ワルドに向かって走り出し首筋にデルフを走らせる、はずだった。
「フム、砂をあんな風に操る事もできるのか」
おれの攻撃は杖で防がれていた。
「一体どうして!?」
「風の流れで見分けているのでね。二つに分かれた事くらい分かるさ」
うわ、本物のバカだコイツ、そりゃバカにされた恨みからおれを見下したいってのは分かるけどさー
いくらなんでも戦っている最中に手の内を明かすか?まあいいや好都合だし。
「や、やめてくれ!何でもするから命だけは!」
もちろん演技だ。
「フ、情けないな、命乞いか?」
「助けてくれ!」
「ダメだ」
最高に楽しいって顔をしてやがる。そしておれに止めを刺そうと杖に風を集め始めた。おれの砂ごとね。
「何!?貴様、まだ何かできたのか!?」
そりゃ出来るよ、別に攻撃受けてないし。
風に乗って攻撃すれば感知できないってのは砂を操るおれが相手では致命的だった
ワルドの杖に砂が集まっている。それは距離にしたらワルドの右腕に集まっているも同然だ。
おれはその砂をワルドの顔面に向かって撃ちだす。
はい、命中。哀れワルドは消えました。……消えましただと!?
ヤバイ!偏在で作った分身だ!時間稼ぎのために口数が多かったのか!
となると本体は…手紙のあるルイズの部屋か!

ルイズの部屋に飛び込む。そこはかなり無残に荒らされていた。
あの野郎!おれを!このおれを騙しやがった!
でもまあ良いか、本物はおれが持ってるんだし。残念だったなワルド。

さてルイズ達と合流するか。

ルイズ達を探すためにまず匂いから探そうとしたがこれは案外あっさり見つかった。
その匂いをたどりルイズ達と合流。でもウェールズの姿が見えない。
「兵を指揮するために別行動にしたのよ。私は早く手紙を持って脱出しろって」
「手紙ならおれが持ってきてるぜ。他の荷物はダメだった」
状況を簡単に説明する。
手紙を渡すのは正直惜しいが敵の手に渡ったことになるとトリステインの外交がどうなるか分からなくなる。
戦争の混乱に乗じるのもアリだがまだ力が足りない、のでもったいないけど手紙をルイズに返す。
「そうなの…分かったわ、港に来る時に乗ってきたイーグル号があるからそれで脱出するわよ」
「分かった。おれはちょっとやりたい事があるから少し遅れるぜ」
ルイズだけじゃなくギーシュもいるしおれがついてなくても脱出できるだろう。

やりたい事の為にある仕掛けをして、飛行船イーグル号のある船着場に行く。
仕掛けにちょっと時間を使ったせいでおれが最後だった。
「遅いわよ!イギー!何してたの!」
「ちょっとつけてきたんだ」
ルイズはおれが何を言っているのか分からないらしい。とても分かりやすく言ったのにな。
「全員揃ったようだね。ではお別れだ」
ウェールズが船を降りようとした瞬間に

城で爆発が起きた。

「よし!大成功!」
もちろん犯人はおれだ。

俺の行動はこうだ。
まずそこらに松明で火をつける。
次に火薬庫に行くのだが道中蝋燭をいくつか失敬していく。そして火薬庫にあるロープも使う。
その後で仕掛けを作る。仕掛けといっても蝋燭が燃えて火の位置が下がるとロープが切れ、
その切れたロープで別の蝋燭を火薬樽の中に落とすといった単純なものだ。
解除されたらいけないので人間は通れないがおれなら通れるくらいの隙間を空け、ドアに棚で蓋をする。

「どうだ?スゲーだろ!」
アルビオンから脱出した船の上でおれの武勇伝を話していたのだが誰も何も言わない。
「おいおい、拍手も無しかよ?」
「ぱちぱちぱち」
ありがとうタバサ。おれの偉業を分かってくれるのはお前だけらしい。

「スゴイ訳無いでしょ!タバサも拍手止める!」
「おいおいそりゃないぜ、せっかく活躍したのに」
「あれのどこが活躍よ!ただのテロじゃない!」
「少しは自分で考えてみろよ、爆破って事は中にあるものがどうなるかを」

少し考えれば分かる事だ。
城が爆破されたら中には何があるのか分からなくなる。

「つまりどういう事よ?」
「死体が判らなくなる」
「何でそんな事を?」
まったく、コイツは頭までゼロなんじゃないのか?

そうすれば城に行こうとしたから気絶させて無理矢理連れてきた皇太子様が城の中で死んだ可能性が残るだろ?

城に火をつけてから仕掛けを作ったから城の中には人は残っていないはずだ。
残っているのは既に死んだ者達のみ、その体が誰のものかを特定させない。
ウェールズの死体が無かったら逃げた可能性を疑われる。
だが死体が分からなかったら?
『死んでいるけど確認できていないだけ』かもしれなくなる。
ただ連れ出しただけではトリステインへの亡命がバレるかもしれない。
だがこれなら確実な証拠が無い。外国であるトリステインにそうそう手は出せなくなる。
死者を利用するようで気分は良くないが仕方が無い。

誰も何も言ってこない。
当然か、ルイズは元々亡命を望んでいたんだし他の連中もウェールズに死んで欲しいとは思ってない。
「……何故だ?」
言ってくるとすれば死ぬ覚悟を奪われたウェールズのみ。
「君は僕の覚悟を分かってくれたと思ったのに……」
「分かってるさ、…昔のおれに似てたからな」
「なら何故だ!?」
「アンリエッタ王女」
その言葉でウェールズは固まった。
「アンタに死んで欲しいなんてあの王女は思ってないぜ」
ウェールズは何も言わない。ただ涙を流し始めた。
「それにさ…」
ウェールズだけでなく他のみんなもおれの次の言葉を待っている。
「あー、やっぱなし、忘れて」

「何よそれ!」
怒られた。でも言っても分からないだろ?
最大の理由はおれたちがすぐに諦めた、でも一番選びたかった②に○をつけてやりたかったなんてさ。


To Be Continued…

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