「……私は…公爵家の三女として…生まれたのよ。父様も母様も姉様達だって優秀なメイジなのに…
なのに…私はドットですらない…簡単な魔法ひとつまともに使うことができていないわ…!使い魔召喚の儀式ですらまともにできない私はきっとメイジではないのよ…!
……きっとこんな私を父様や母様はヴァリエール家にいることを許さないわ…!」
ルイズの独白をトリッシュはただ黙ってきいていた。ルイズの言葉からは家族に見捨てられることへの恐怖と家族の期待を裏切った自分へのふがいなさを責める気持ちがない交ぜになった悲しい気持ちを十分にトリッシュへ伝えてきた。
それは家族を失ったトリッシュにはもう失ってしまった感情のひとつだった。トリッシュはルイズを慰めるための言葉が見あたららない。
トリッシュは気がつくとベットに腰掛けてルイズの傍らでルイズの頭をなでていた。
ルイズは驚いたようにトリッシュをみたがトリッシュがはじめて見せるやさしい顔をみて、何も言わずされるがままになっていた。
なによりトリッシュになでられていると学院にきて心の休まるときがなかったルイズにかつての心のよりどころであるカトレアを思い出させた。
心地いい気持ちに身をゆだねるようにいつしかルイズはトリッシュの肩に頭を預けた。
「ねぇルイズ…使い魔がちゃんといれば…家族にも見捨てられることはないのかしら?」
「あなた…なにを…いって…」
「例えば…私があなたの使い魔になれば…ルイズ、あなたは馬鹿にされることもなく、家族にも見捨てられることはなくなるんじゃないの?」
『トリッシュ、ソレナラバ私ガルイズノ使い魔ニナッタホウガヨイノデハ?』
「スパイス・ガール…あなたではだめよ。ルイズには『なぜか』見えているようだけれど…他の奴らにはスタンドは見えないわ。それに、ルイズが使い魔として召喚し、契約したは私よ。他の奴らにもわかるように私がルイズの使い魔になるべきなのよ…!」
ルイズは顔を上げトリッシュを見上げた。そこには力強い意思の光を感じるトリッシュの目がじっと自分を見ていた。ルイズはなぜか顔を赤らめてしまった。
「…でも、いいのトリッシュ、私の使い魔になっても…?」
ルイズはとても信じられなかった。なぜなら、トリッシュがここにきてから自分の使い魔になってくれるような要因は何一つ見当たらない。
逆に『ならない』理由なら山ほど見当たったが。
「ルイズ…私は、私の居場所にやがて帰らなくてはならないと思っているわ。…でも、ルイズ…、あなたが私を元の場所に戻すために協力してくれるというのであれば…元の場所に戻るまでの間なら、ルイズ、あなたの使い魔になってもいいわ」
ルイズはこくこくと、肯定の意味を示すように首を振ると、トリッシュはルイズに微笑みながらやさしく頭をなでた。
「さぁルイズ…もう寝ましょう。ずいぶんとたくさん泣いて、疲れたでしょう?ベットに横になりましょう?」
トリッシュはルイズをベットに運び、横にさせた。
「トリッシュ…もう少しだけ…もう少しだけ…頭をなでていてくれないかしら?私が眠るまでの間でいいから…」
ルイズは顔を真っ赤にさせながらトリッシュの服をつかみながら恥ずかしそうに消え入りそうな声でトリッシュに言った。
「…ええ、いいわよ、ルイズ。ゆっくり休みなさい…」
トリッシュはやさしくそういうとルイズの頭を抱きながら、ルイズのふわふわした髪をやさしく、やさしくなで続けた。
5分ほどそうしているとルイズの口からすーすーとかわいらしい寝息が聞こえてきた。
そのルイズを起こさないように、スパイス・ガールが遠慮がちにトリッシュに聞いてきた。
「トリッシュ…ヨイノデスカ?当初ノ予定デハ、ルイズカラ召喚ノ時ノ話ヲ聞イタラ、サッサト他所ヘ移動スルハズデハ…?
使イ魔ナドニナッテ…一刻モ早クイタリアヘ帰ルタメニコウドウスベキデハ…?」
「いいのよ…スパイス・ガール、コルベールに聞いた話ではイタリアに帰るにはかなり苦労しそうだし…何よりルイズをほうっておくことが私にはできないわ…」
トリッシュはそういうともう話は終わりと目を閉じた。
(トリッシュ…アナタハ…ヤサシスギマスヨ…マッタク)
近くでスパイス・ガールのため息が聞こえたような気がしたが、トリッシュは無視してさっさと寝た。
抱きしめた、小さな少女の体温をしっかり感じながら。
なのに…私はドットですらない…簡単な魔法ひとつまともに使うことができていないわ…!使い魔召喚の儀式ですらまともにできない私はきっとメイジではないのよ…!
……きっとこんな私を父様や母様はヴァリエール家にいることを許さないわ…!」
ルイズの独白をトリッシュはただ黙ってきいていた。ルイズの言葉からは家族に見捨てられることへの恐怖と家族の期待を裏切った自分へのふがいなさを責める気持ちがない交ぜになった悲しい気持ちを十分にトリッシュへ伝えてきた。
それは家族を失ったトリッシュにはもう失ってしまった感情のひとつだった。トリッシュはルイズを慰めるための言葉が見あたららない。
トリッシュは気がつくとベットに腰掛けてルイズの傍らでルイズの頭をなでていた。
ルイズは驚いたようにトリッシュをみたがトリッシュがはじめて見せるやさしい顔をみて、何も言わずされるがままになっていた。
なによりトリッシュになでられていると学院にきて心の休まるときがなかったルイズにかつての心のよりどころであるカトレアを思い出させた。
心地いい気持ちに身をゆだねるようにいつしかルイズはトリッシュの肩に頭を預けた。
「ねぇルイズ…使い魔がちゃんといれば…家族にも見捨てられることはないのかしら?」
「あなた…なにを…いって…」
「例えば…私があなたの使い魔になれば…ルイズ、あなたは馬鹿にされることもなく、家族にも見捨てられることはなくなるんじゃないの?」
『トリッシュ、ソレナラバ私ガルイズノ使い魔ニナッタホウガヨイノデハ?』
「スパイス・ガール…あなたではだめよ。ルイズには『なぜか』見えているようだけれど…他の奴らにはスタンドは見えないわ。それに、ルイズが使い魔として召喚し、契約したは私よ。他の奴らにもわかるように私がルイズの使い魔になるべきなのよ…!」
ルイズは顔を上げトリッシュを見上げた。そこには力強い意思の光を感じるトリッシュの目がじっと自分を見ていた。ルイズはなぜか顔を赤らめてしまった。
「…でも、いいのトリッシュ、私の使い魔になっても…?」
ルイズはとても信じられなかった。なぜなら、トリッシュがここにきてから自分の使い魔になってくれるような要因は何一つ見当たらない。
逆に『ならない』理由なら山ほど見当たったが。
「ルイズ…私は、私の居場所にやがて帰らなくてはならないと思っているわ。…でも、ルイズ…、あなたが私を元の場所に戻すために協力してくれるというのであれば…元の場所に戻るまでの間なら、ルイズ、あなたの使い魔になってもいいわ」
ルイズはこくこくと、肯定の意味を示すように首を振ると、トリッシュはルイズに微笑みながらやさしく頭をなでた。
「さぁルイズ…もう寝ましょう。ずいぶんとたくさん泣いて、疲れたでしょう?ベットに横になりましょう?」
トリッシュはルイズをベットに運び、横にさせた。
「トリッシュ…もう少しだけ…もう少しだけ…頭をなでていてくれないかしら?私が眠るまでの間でいいから…」
ルイズは顔を真っ赤にさせながらトリッシュの服をつかみながら恥ずかしそうに消え入りそうな声でトリッシュに言った。
「…ええ、いいわよ、ルイズ。ゆっくり休みなさい…」
トリッシュはやさしくそういうとルイズの頭を抱きながら、ルイズのふわふわした髪をやさしく、やさしくなで続けた。
5分ほどそうしているとルイズの口からすーすーとかわいらしい寝息が聞こえてきた。
そのルイズを起こさないように、スパイス・ガールが遠慮がちにトリッシュに聞いてきた。
「トリッシュ…ヨイノデスカ?当初ノ予定デハ、ルイズカラ召喚ノ時ノ話ヲ聞イタラ、サッサト他所ヘ移動スルハズデハ…?
使イ魔ナドニナッテ…一刻モ早クイタリアヘ帰ルタメニコウドウスベキデハ…?」
「いいのよ…スパイス・ガール、コルベールに聞いた話ではイタリアに帰るにはかなり苦労しそうだし…何よりルイズをほうっておくことが私にはできないわ…」
トリッシュはそういうともう話は終わりと目を閉じた。
(トリッシュ…アナタハ…ヤサシスギマスヨ…マッタク)
近くでスパイス・ガールのため息が聞こえたような気がしたが、トリッシュは無視してさっさと寝た。
抱きしめた、小さな少女の体温をしっかり感じながら。