ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

反省する使い魔!-2

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反省する使い魔!  第二話「召喚奇想天外」

目から覚めるとそこには今時の日本では滅多に見られないと思わせるような
澄んだ青空が目に入る、自分は今なぜか横になっているようだ。
すると急に後頭部から痛みがやってきた。

「いってー…、頭でも打っちまったかぁ?」

むくりと起き上がり頭を擦りながら音石は周りを見渡す

「…どこだよ…ここは?」

どうなってんだ?俺ぁさっきまで駅のホームに居た筈だ。
それじゃあ、このサラサラした草原やあの中世のヨーロッパあたりを
連想させやがるデッケー城はなんだ!?
などと混乱しながらも音石はついさっきまでの事を思い出す。

(電車が来て乗ろうとしたら……そう、鏡みたいなモンが現れて…
鏡?そう、鏡だ鏡!あれに飲み込まれたんだッ!!)

そこまで思い出すと音石はハッ!と気付き急いで起き上がり
ちゃっかり愛用のギターが傷ついてないか確認しながら
体勢を立てる。

(あの鏡がスタンド攻撃なら…やばいぜ!もうすでにオレはなんらかの
 スタンド攻撃にハマっちまったって事じゃね~のか~!?)

となるとオレを襲う理由は何だ?…決まってる!!
三年前、杜王町でオレがやらかした件でどっかのバカが
仕掛けてきたんだろ~よ~、スタンド使いなら恐らく形兆あたりが動機かぁ~?
オレとはちがってあの野郎を慕ってた人間がいてもおかしくはね~…
それに形兆ぶっ殺す時の邪魔にならないよーに前もって調べた
あのアンジェロとか言うクズ野郎も妙に形兆のことを慕ってたからな…


そんでわざわざオレが出所すんのを待ち伏せして…いや、まて…妙だな
スタンド使いならわざわざ三年も待つ必要があるかぁ?
刑務所内で仕掛けてきたっていいはずだ…
くそっ、こいつはますますワケわかんねーぞ…


この時、音石の思考の中に億泰などが出てこなかったのは
彼なりに一度戦った相手として億泰という人間が
わざわざ三年も待つような、奇襲するような奴じゃないということを
理解していたからであろう。


「アンタ誰?」
「ああン?」

いきなり話しかけられ声がしたほうに振り向いてみると
そこには桃色頭の小柄な少女が自分を見上げていた。
服装はこれまた珍妙で黒いマントを纏い
手には杖のようなものを持っている。

(なんだこいつ?まるでゲームに出てくる魔法使いみてーじゃねーか…)

すると音石は周りにも少女と似たような格好をした子供の男女の存在と
その傍にいる見たことの無い生き物の存在に気付いた。
それを見た瞬間、音石は危うくスタンドを発現しかけてしたが
彼の用心深い思考がそれを止めた。

(…ッ!?ス、スタンドか!?い、いや違う、スタンド使いとしての
勘だがスタンドとは少し違う!なんてゆーか…
そう!スタンドとしてのビジョンらしさが無いんだ!
間田の『サーフィス』みてーに実体があるタイプなら納得いくが
この数全部ってのは異様じゃねーかぁ、さすがによ…
だが、スタンドじゃないとするとこいつら一体……)


「ちょっとアンタ!誰かって訊いてんのよ!名乗りなさい!!」

そんな音石の思考は先ほどの桃色頭の少女によって中断された。

音石自身、理解不能なことが連続続いているせいで
イラついているのかその少女を睨み付ける。
そんな音石の目に少女は若干たじろぐものの負けじと睨み返してくる。

「な、なによその目……へ、平民の分際で無礼よ!」
「平民だぁ~?…一体なんのこと言ってんだ、てめぇ?」
「とぼけんじゃないわよ!変な格好してるけど、あんた平民でしょう!?」

はあっ?と言った音石の顔を見て少女は舌打ちをし
少し離れた位置にいる禿頭の外見40歳くらいの男に抗議をしはじめた。

「ミスタ・コルベール!もう一度やり直しを要求します!」
「残念だがミス・ヴァリエール、それはできない相談だ」
「なぜです!?平民を使い魔にするなんて聞いたことがありません!!」
「それは私も同じだミス・ヴァリエール…しかし、この儀式は
君も知っての通り神聖なものだ、呼び出された以上
彼が君の使い魔ということになるのはもう決まっているのだよ」
「平民でもですか!」
「平民でもだ…ミス・ヴァリエール、それとも君は
始祖より受け継いだこの神聖な儀式を侮辱する気かい?
君はそんな子じゃないだろう?さあ、儀式を続けたまえ!」
「…ッ、わかり…ました」

そのやり取りを見ていた周囲の連中がドッと笑い出す。

「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうすんのよ!」
「まったくだ、さすがゼロ!期待を裏切らないでくれるよ、クックック」
「ちょっと、ギーシュ!そんなこと言ったらゼロがかわいそーよ、ふっふっふ」
「まあ、ルイズらしいって言えばルイズらしいわね!」

周りの罵倒にルイズと呼ばれる少女は群集をにらめつけながらも
無駄だと判断し、再び音石に視線を向けた。

ルイズは自分が呼び出した使い魔の姿を改めて見てみると
本当に珍しい格好をしている。
自分と同じくらいの長い髪、顔は悪くはないが額から口元にまで伸びている古傷がある
コートには十字架のブローチのようなものがいくつも付いており
そのほかにも多くの金具が付いている、そして首には見たこともない
金属製の首輪がしてある、そしてルイズが一番気になったのは
彼がぶら下げている物である。

(あれは、何?楽器みたいだけどヴァイオリンじゃなさそーだし…)

「ミス・ヴァリエール!早くしたまえ」
「あ、は…はい!」

そしてルイズは仕方なく儀式を続ける覚悟を決めた。


そしてとうの音石はというと

(おいおいおいおい、さっきの会話…、こいつはスタンドとは
もっと違う事態なんじゃねーのかぁ!?)

頭が痛くなっていた、つまりなにか?この桃色の嬢ちゃんが
オレを召喚しったっていうのか!?などと理解していくにつれ
自分の今の現状が最悪のものだといやでもわかってしまう。

(勘弁してくれよ…、コッチは出所したばっかだってのによ~…)

こう言うのは間田とかの役目だろ!
あいつこういうの好きそうだしよ!
どっちかって言うと巻き込まれキャラだろ!
などと自分に言い聞かせても無駄だと判断し
音石は考えるのをやめた…

「ちょっとアンタ!無駄に背が高いわね…そこに屈みなさい!」
「はぁ、もうどうにでもなれだ…これでいいか?」
「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて
普通は一生あり得ないんだから!」
「?」
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

長い口上を述べ少女は手に持つ杖を音石に向ける
そして…

「ん……」
「…!?」

音石と唇を重ねた…

「…終わりました、ミスタ・コルベール」
「よろしい、ではみんな教室に戻るぞ」

先程の男がきびすを返すと突然宙に浮き始め
それに続きまわりの少年少女も宙に浮き始めた!

「ルイズ!あんたは歩いて帰りなさいよ!その使い魔
アンタにお似合いよ~」
「うるわいわよキュルケ!」
「おいおい、あんなのもアリなのかぁ!?」

少女ルイズのキスに音石もさすがに戸惑ったが
スタンドや飛行機とはちがう移動手段を見て
音石は驚愕した。

「なに言ってんのよ?貴族だから飛ぶのは当たり前でしょう!?」
「…お前は飛ばねーのかよぉ?」
「…ッ!うるさいわね!平民のあんたに合わせてんのよ!」

そう言うとルイズは城に向かって歩き出した

「そいつはなんとも優しいこったな……」

ルイズに質問することがあるため音石も後を追おうとしたが
突然、強烈な痛みが音石の左手に襲い掛かった!

う…な、なんだ!?おい!左手がめちゃくちゃ熱いぞ!!」
「使い魔のルーンを刻んでんのよ、すぐに治まるわ…ところでアンタ名前は!」

ルイズがふと思い出したかのように振り向くが
自分の使い魔は腕を押さえうずくまったまま
ピクリとも動かないことに気付いた。

「し…死んでる、立ったまんま……死んでる…」
「勝手に殺すな!」
「あ!よかった、生きてた!アンタ何してんのよ!」

「……出所して自由になれたと思ったのによ~~、いきなりワケわかんね~~トコに
連れてこられて…この苦しみと心の痛みィ……どこに…ブツけりゃぁ~いいんだぁ~
……この怒りィ……誰に訴えりゃぁいいんだぁアアア~~~~……」

「え…?ちゃっとアンタ?」

ドギュウウウウーーーーーーーーーーン!!!

「え?え?ちょっとなになに!?」

ドリュラドユラドユデリレリレドリデドリデリレリレドリュラドリュラドギュギララ
[ライトハンド奏法]

ギュウウウーーーーーーーーーーーン!!!

「………ふう、スッキリしたぜぇ」
「ちょっと!なによ今のわけわかんない音!!びっくりするじゃない!!」
「ワリィワリィ、一種のストレス発散法だ、それで…そうそう名前だったな!」

そして音石は突然走り出しルイズを通り過ぎ城をバックにこう言った!

「名前は 音石 明 22歳 まっ!このギターは気にしないでくれ」
「ギターって何よ!!」

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