ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第17話

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第17話 食・神・降・臨~前編~


「グァァァァァァァッ!!いてぇェェェェッ!!」

苦しみもがく一人の男。黒衣に身に纏い、今まさに決闘の幕を下ろさんとしていた戦士が、情けなくも地面に這いつくばり、少しでも苦痛を和らげようと叫びを上げていた。
「畜生ッ!何なんだコラァッ!!グァッ!」

誰が予想していただろうか。
未知の力を持ち、相手を殲滅せんと、勝者とならんとした男、仗助が倒れ伏す等と。
ギーシュには悪いが勝ち目は無い。
観衆の内、ギーシュ打倒派と平民の反抗を心良く思ってないながらも、仗助の力を計る事の出来た者達は思っていた。
「テメェ・・・・何しやがったんだコラァッ!」
しかし、予想は覆り、怒りに染まった目でギーシュを睨み付ける仗助の姿がそこにあった。

「ふふん。簡単な事さ」
邪悪な笑みを浮かべ、この上無い優越感に浸りながら仗助の目の前へと足を進める。
「そうさ!簡単な事なんだよ!」
ボゴォッ!!
「うぁッ!」
顔面に蹴りが入る。口の中が切れ、鉄の味がする。
「テメェ・・・・」
「ここまで来たら予想できるモンじゃないのかい?それとも、平民のオツムじゃあ気が回らないかなッ!?」
ドゴォッ!
「オェッ!」
ミシッ。腹を押さえていた手が衝撃で嫌な音を出す。ヒビが入っただろうか。

「まさか・・・・」
苦悶と驚愕の表情を浮かべ、理解した次の瞬間には憤怒の表情が浮かぶ。

「そうさッ!」
バキィッ!脇腹を蹴る。
「君の考えてる通りだよッ!」
ミシィッ!蹴る。蹴る。
「薬を入れたんだよ。君が食べた料理の鍋にねッ!」
ドゴォッ!愉悦の表情を浮かべ、種明かしの学園中に響く大演説と共に蹴る。思いのままに蹴る。
「あの新しい料理人が君に出す、と言っているのを盗み聞きをしてねッ!」
ボゴォッ!ここまで来るとギャラリーも事の顛末を理解する。
「なけなしの金をはたいて買った薬をね!強力で、死には至らないが、死にたくなる程の苦しみを与える、遅効性の拷問用の薬さッ!」
メシャッ!骨が軋みを上げる。素晴らしい。最高に気分が良い。

ブチンッ!!

何処かでアキレス腱が“切れた”様な音がした。

「しかし君には今一つの様だね。もっと強いのでも良かったかなぁ!?ハハハハハハハハハッ!!」
ドグシャアッ!顎に強烈な一撃。仗助の体は無惨にも傷つけられ、あちこちから血が噴出する。
「テ・・・・メェ・・・」
あれを食ったのは自分だけではない。厨房の連中も皆食していた。今頃同じ様な苦しみを味わっているに違いない。作ったトニオさえ・・・・

「ん?・・・トニオさん?」
立ち上がる力も無く、朦朧とする意識の中でふと思った。
トニオはあれを食ったか。いや、ずっと出す側にいた。自分は彼が食べているのを見ていない。作ったのは昨日だと言っていたから味見をしていたとしても問題は無い。
寝かせ・煮込みの後も味見をしただろうが、所詮は舐める程度。有効量にはならないのではないか。
ならば今、彼は・・・・・

「さて、後はワルキューレで痛め付けるとしよう」
ギーシュの横には再生成したゴーレムが。
「喰らえッ!」
青銅の戦乙女が構えた時だった。
シュンッ!
何かが風を切った。
ギシィッ!ドワオッ!
「え・・・・?」
認識する隙もなくゴーレムは後ろへと吹き飛び、ワンテンポ遅れて弾けた。
気が付いてみれば後ろの壁にゴーレムは弾け、残骸を壁に縫い付けるのは一振りの良く研がれた牛刀。
「ななな・・・な・・・」
「・・・やっちまったな・・・アホめ・・・」
壊れた様なギーシュとは対称的に、哀れみの目で仗助は彼を見ていた。
ザワ・・ざわ・・ざわ・・ギャラリーも騒然となる。
「オマエの仕業デシタカァァァァァァ~~~~~~」
┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙┣゙
場が凍り付く。奴が来た。
「よくモ・・・・ヨクも・・・・」
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かの地獄門より出でし母と一緒な邪神並、いや、それ以上の存在であるかもしれない。
「ヤッてクレヤガリマシタネ・・・・・」
皆の視線の先にムオッと出てくる一つの人型。ギーシュはやってはならない、やってはならない事を仕出かしたのだッ!
「オマエェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!!!!ソコを動クナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
バァ~~ンッ!!
今ここに、最強の食神が降臨した。

→To Be Continued・・・・・

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