ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第二話 サーレーの受難と魔法少女

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匿名ユーザー

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『第二話 サーレーの受難と魔法少女。』

「いった――い!!」
「っつ・・・・」
サーレーとルイズはサンドイッチのように折り重なっていた。
「!!お前!!」
サーレーが自分の上にいるルイズに気が付いた。
サーレーが逃げようと立ち上がる。おお!?ずっこけた!!
「何してんのよ・・・。」
「死にたくない!死にたくない!死にたく・・・」
「誰もあんたを取って喰ったりしないわよ・・・。」
サーレーがピクッと止まった。
「ここはパッショーネのスタンド使いの養成機関じゃないのか?」
「スタンド?パッショーネ?」
ルイズがハァ?と呆れた顔をした。
「何それ。頭イカレてるの?この状況で。」
そう言っているとサーレーとルイズの周りを生徒達やコルベール先生が取り囲む。
「!なんだァ!まだヤンのか!」
コルベールがサーレーの目の前に来た。
「ミス・ヴァリエール。彼と契約したんですか?」
ルイズの顔が少し曇った。
「はい・・・たぶん・・・。」
「たぶん!?さっき小さく多分って言わなかった!?」
(何なんだよ一体・・・)
サーレーはこの状況に付き合いきれなくなり辺りを見回した。
(こいつら、同じ格好・・・。学生か・・・。)
良く見ればすぐ分かるような事にやっと気が付いた。
今まで戦ってきたのは堅気の人間だった。
今まで戦いで高揚していた精神の大半が萎えちまった・・・。
大人ならまだ良い。だが堅気のガキを攻撃してたのか俺は。
サーレーはガクッと肩を落とした。
「はは、はははは。」
サーレーが笑い出したため生徒たちが杖を出して警戒を始めた。
「はははは・・・・。!!!」
サーレーは体の内に明らかな変化を感じた。
「!?うおおおおおおおおおおおおおお!?」
サーレーの頭に激痛が走った。

「いってェ・・・・・。」
サーレーは自分の傷口と血の溜まった場所に残る銃弾を見つめていた。
この銃弾は本来、サーレーのスタンドで自分で穿り出す気だった。
しかし、こんな風にひとりでに出てくるとは思っていなかった。
「な、何なんだよコイツは!!」
「ば、化け物!よ、寄るな。」
おいおい・・・。
ついさっきまで殺そうとした人間に言う言葉かよ・・・。
それが・・・。
勝手なガキどもが!
サーレーの右腕には血が溜まっていた。

「君、契約は済んだようだね。」
コルベールがサーレーに近寄ってくる。
所々何やら争った後があるのだが気のせいだろうか・・・。
自慢のコッパゲが何か焦げて偉い事に成ってるし・・。
「・・・・そうみたいだな。」
サーレーは自分の今まで無かったルーン文字の刺青を見た。
ルイズはコッパゲの魔法で黒焦げになっていた。

「・・・つまり、俺はお前の使い魔とやらになったのか・・・。」
「そうゆう事。ということで今からあんたのご主人様は私よ!」
(ナアニ無い胸張ってんだか。)
サーレーとルイズはルイズの学校の寮にいた。
サーレーはこの場所はどこか。自分はどうやったら家に帰れるのかを聞くために此処来ていた。
出来れば早く帰りたい。サーレーには兄弟が六人もおり、その内4人はまだ幼い。
すぐ下の妹と弟もアルバイトぐらいはやっているが6人を養う経済力とまではいかないだろう。
第一、 サーレーの父親は組織のお抱えのヒットマンでスタンド使いだったが厄介に思った別の組織に消されていた。
第二にサーレーの母親は病気で入院費用がいる。これが結構高い。
計8人分の生活費と学費。さらに母の入院費も払うにはリスクもリターンもバリ高のギャングの荒事専門のグループに入るしかなかった。
サーレーは母の入院と同時に学校を辞めたので小卒で学も無く、日常生活では使い難い自分の能力を最大限に引き出せる絶好の機会を、一度いけばもう戻ってこれない道を行くことにした。
しかし、全ては家族のため、生きるためには仕方の無かったと言ってはいても、人殺しはやっぱり嫌だ。
ポルポの遺産の話を聞いたとき、サーレーは心の底から欲しいと思った。
金があれば幹部になって収入もある程度安定し、その上莫大な利益を得ることが出来る。
もう人殺しをしなくても済むと思っていた。

そう、失敗するまでは。

「で、俺は故郷に帰れるのか?」
「無理よ。」
ルイズが真顔で即答した。
サーレーの顔に動揺の色が浮かぶ。
「な、何ぃ!?」
サーレーがルイズの小さな肩を激しく揺さぶる。
「一体どういうことだよ!!それは!」
「な、何!?痛い!痛いわ!放して!!」
しかし、サーレーは明らかに取り乱していた。
そう、もう何がなんだか分かっていないように。
「俺が帰らなきゃ、お袋が死んじまうんだ!!」
サーレーの悲鳴のような怒号が夜のトリステインに響いた。

TO BE CONTINUED

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