ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は引き籠り-3

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
鏡の世界は左右対称で、生き物は『許可』しないかぎり一匹たりとも存在しないが、それ以外は非常に忠実に外の世界を再現する。
爆発音についでルイズの声(なんか怒ったような調子で俺を呼んでいた)、少なからず危険を感じたオレは
とりあえず鏡の中から『外』の様子を推測してみる事にした。(ビビってるんじゃない、慎重なんだ。)

生き物(主に人間だな)が映らなくとも、その気配を探るのは割りと簡単な事だ。
人が歩く時、そいつが特に気を使わなければ、荷物は空中を移動し、絨毯は撓み、ドアはひとりでに開く。
(鏡の世界になれていない奴が見ると、相当に気持ちの悪い光景だ)
もっと注意してみれば埃の舞い上がる様子だとか。どれぐらいの人数がどちらへ移動するか、大体ならばわかるのだ。

無残に吹っ飛ばされたドアから、大人数が出て行く感じがある。
ふうん、授業だとか言ってたかな、あのハゲ。ここは学校なのだろうか。
慎重に『教室』と思われる部屋を覗き込む。確かに大学なんかの講義室に似ている・・・・が、
机や椅子は派手に吹っ飛び、窓ガラスは割れ、酷い有様だ。やはり爆発か?

爆発だとしたら、鏡の中でも危険だな。
『物体』はこちらの世界でも変わらず動く。
ラリッた野郎がナイフを振り回したり銃を乱射したりすれば、それらは俺に当たるんだ。

勿論半端なモンならマン・イン・ザ・ミラーで叩き落とせる。パワーは無いが、鏡の中はコイツの世界だ。
オレはどんなに頑張ったってティッシュボックス一つ動かせはしない。が、
正反対に『マン・イン・ザ・ミラー』は、全てを動かす権利を持っている。
(『許可』して引き込んだものはその限りじゃあないんだが。『鏡に映ったもの』だけが、マン・イン・ザ・ミラーの自由になる。)
だが爆発ってのは突然だし、思いもしないもんがスッ飛んで来るじゃあないか。
咄嗟に破片を防いでも、衝撃で後ろから本棚なんか倒れてきたら笑えもしないし
大体弾が出るモノは銃の形をしているが、爆発するものは爆弾の形をしていない方が多いだろ。心構えが出来ない。
『マン・イン・ザ・ミラー』はそんなに素早い動きは出来ないからな・・・・
『熱風』なんかが無い分やっぱり『こっちの世界』の方が安全なんだが、それでも危険なのに間違いは無かった。

恐る恐る周囲の状況を探る・・・・オレを守れよ、『マン・イン・ザ・ミラー』・・・・何が爆発したんだ・・・・?
「おっと。」
足元で何かが動く・・・・塵取り?塵取りと箒だ。無駄の多い動きでガラス片を集めている。


――――『罰掃除ですか?そんな・・・・』

『こっち側』へ引っ込む前に聞いた言葉を思い出す。
という事は、ここにルイズが居るって事か?掃除を?
(罰掃除・・・・って事は、この爆発はルイズのせいなのか。)
それなら原因なんか探す必要も無い。爆発物は『ルイズ』だ!『ルイズのスタンド』だッ!
スタンド使いを前にして大切な事は、『よく考える事』だ。
スタンドって言うのは考えれば考えるほど色んな事が出来て、色んな事が出来ない。
自分は何をすべきか、相手は何が出来るのか、考える事が『大切』――――

ルイズのスタンドは(『なんとか・サーヴァント』ってやつ)動物を連れてくるって言っていたな。
爆発なんて、言っていなかった。隠していたのだろうか?
昨日の会話を思い出し、推測し、結論を出すべきだ・・・・『爆発する』『それを隠していた』事を踏まえて・・・・

――――あたしは猫とか梟とか、出来たらドラゴンとかが良かったの!
    動物を呼び出してどうするんだ?大体何に使うんだ
    動物のがマシよッ!アンタみたいに口答えしないでしょ

――――『サモン・サーヴァント』は召還するだけで、帰すなんて出来ないわ

――――それに出来たってね、帰しやしないわ。あんたは私の使い魔だもの。あたしの――――


あ、あたしの・・・・何だって・・・・これは、これはッ!
恐ろしい仮説が成り立つッ!『サモン・サーヴァント』・・・・不自然な所の!説明がつくッ!
『それに出来たってね、帰しやしないわ・・・・あんたはあたしの――――爆弾だもの。』
こ、こういうことじゃあ、ないのかッ?!

『何処かから生き物を呼び出し、そいつを爆弾に変える』もしくは『爆弾を取り付ける』・・・・凶悪な能力だ。
呼び出された動物が勝手にうろつくのを利用して、離れたところでドカン!か?
『動物がいい』のは『口答えしないから』。確かに人間だと面倒くさい。説明が無いのもうなづける。
こんにちは、イルーゾォ。早速だけどあなた、もうじき爆発するから――――なんて言われたら、俺はすぐさまあいつを殺すだろう。
だとすれば、どうする?オレはもうルイズのスタンド攻撃を受けている!『まだ爆発していない』ことは確かだが・・・・いつだ?

『爆弾をとりつける』ってんなら、オレはもう安心だ。『マン・イン・ザ・ミラー』はオレしか許可しなかった・・・・
知らず知らずのうちに取り付けられた『爆弾のスタンド』は、鏡の外に置き去りにされたはずだ。
だが、もうひとつ可能性がある。『オレ自身が、爆弾になっている』、十分にありうる!(スタンド能力ってのは、理屈なんかお構いなしだからな。)
鏡を通り抜ける時、違和感が無かった。無い、『それこそ違和感』だッ。後者のほうが、後者のほうが可能性が高いんじゃあないか?
その場合、ヤバい。物凄くヤバい。いつ爆発するかさっぱりわからないぞ・・・・どうする?オレは?何かきっかけがある筈だ・・・・
(怖がってる時間は無い!冷静に考えるんだ、イルーゾォ・・・・おまえは暗殺者だ!)
そうだ、さっきルイズの奴。なんて言った?
イルーゾォは何処なのよ、だ。居なくなったオレの事を気にしていた。そりゃあ爆弾なんだから、危険なものだから気にはするだろう。
だが、その危険なものがさっき、ルイズの近くで爆発していた!
でかい爆発なら本体も危険。遠距離がいい。『爆弾の動物』を遠くまで歩かせて、爆発させるのが。それが何故だ?
無理矢理になるが・・・・一つ可能性をあげるならば、『爆発は近くでしか起きない』だ。
勿論そんなのはおかしい。近くで物が爆発するスタンドなんて危険で仕方ないからな。
しかしそこで、『イルーゾォは何処』、だ。仮に『近くで爆発する』なら、近くに居ないオレの事を気にする必要があるか?

そう、そうだ・・・爆発は『近く』じゃない、『見えるところ』で起こる!
ルイズが視認する限りッ!ルイズが、『爆弾に変えた生き物』は『爆発させることが出来る』!!



こ、これで間違いないはずだ、『サモン・サーヴァント』の能力・・・・仮説は間違ってないはずだッ
(注:根本から間違っています)

う、うあああああああ・・・・『ルイズにサモン・サーヴァントについて聞こう』だなんて・・・・俺は恐ろしい事を考えていた。
そんなもん聞いたら十中八九、消し飛ばされる!危ない、危ないところだったぞ・・・・
しかし、逆に考えると、俺の『マン・イン・ザ・ミラー』の能力ならルイズから隠れきる事が出来る。
ありがとう、『マン・イン・ザ・ミラー』。お前のお陰でオレは大丈夫だ!

しかしそんな危険なスタンド使いの『爆発』にビビらず、しかも『罰掃除』なんか言いつける奴が居るって事は、
どうやらこの学校、スタンド使いだらけらしい。(なんて事だ!)
スタンド使いだらけのギャング組織だってあるし、スタンド使いだらけの学校があっても不思議じゃあないな。
って事は勿論、幹部に当たる『教師』も、ボスの『校長』も、まとめて殆どスタンド使いで、ルイズよりも『格上』・・・・ッ!
畜生!どうすればいい・・・・味方は居るのか?オレは、オレはどうやって帰ったらいいんだ!
唯一つ確かなのは、『鏡の中は安全』・・・・それだけ!

オレは『此処からでちゃあならない』!めったな事が無い限りッ!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー