ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

亀ナレフは平凡無事に憧れる-1

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トリスタニアのメインストリートから少し離れた場所に『その店』はあった。
『それ』は立地条件上、滅多に行列は出来なかったが、知る人ぞ知る名店であった。

その店の前に桃色のブロンドの髪の少女が立っていた。
「ここが噂の…」
屋根に掛けられている看板を見上げて店の名前を読み上げた。
「『エステ・シンデレラ』…変な名前」
少女は少し考える仕草をしてから、意を決した様に頷くと、ドアをノックした。

白銀と亀な使い魔外伝
『亀ナレフは平凡無事に憧れる』


話の発端は三日前に遡る。

その日の朝、ルイズがポルナレフと亀を連れて教室に入ると、ある女子生徒の回りに輪が出来ていた。
「どうしたの?」
ルイズが気になってすぐ近くにいたキュルケに尋ねた。
「よく知らないけど、『エステ』の話らしいわよ」
「『エステ』?」
「そう。最近話題の人気エステをあの子受けに行ったらしいんだけど、その帰りにかなりいい感じの人にあったんだって」
私にはエステなんて無くても男なんか簡単に落とせるけどね、とキュルケは付け加えた。
「へ~」
ルイズは興味無さそうだった。
「エステなんてここにも有るんだな」
それとは反対にポルナレフが興味深そうに言った。
「ええ。でも、あの子が受けに行ったのが普通のじゃ無いらしいの」
「どういうことだ?」
「何でも『幸運になれる』エステで、素敵な彼もその恩恵らしいの」
キュピーン!
キュルケの言葉に二人の目が光った。

その日の朝、ルイズがポルナレフと亀を連れて教室に入ると、ある女子生徒の回りに輪が出来ていた。
「どうしたの?」
ルイズが気になってすぐ近くにいたキュルケに尋ねた。
「よく知らないけど、『エステ』の話らしいわよ」
「『エステ』?」
「そう。最近話題の人気エステをあの子受けに行ったらしいんだけど、その帰りにかなりいい感じの人にあったんだって」
「へ~」
「エステなんてここにも有るんだな」
ポルナレフが興味深そうに言った。
「ええ。でも、あの子が受けに行ったのが普通のじゃ無いらしいの」
「どういうことだ?」
「何でカも『幸運になれる』エステで、素敵な彼もその恩恵らしいの」
キュピーン!
キュルケの言葉に二人の目が光った。
(こ、こここ幸運になれるですってえええ!しかもか、かかか彼氏まで…!)
(幸運=女難解除!これほど相性のいい組み合わせがあるだろうか!)
「その店はどこにあるの!?教えなさい!」
「え?あ…えーと確かトリスタニアのメインストリートから少し離れた所とか言う話だけど…」
「ありがと!」
ルイズはそのまま教室を飛び出そうとしたが、
「ミス・ヴァリエール!今から授業ですよ!」
コルベールに無理矢理教室に戻された

その晩、二人は次の虚無の予定を一切キャンセルして『トリスタニアのその店に行く』事にしたのは言うまでもない。

そして現在に至る訳だが、店の前にはルイズしかいなかった。ここに来る途中、ポルナレフは町で買い物をすると言って別れたのだ。

ルイズはドキドキしていた。一切の予定をキャンセルしてまでここに来た。これで噂と違えばどうしてくれようか?
そんな事を考えていると、
「フゥ~…お入りなさい…」
中から女性の声がした。その声に従い中に入ると、そこには若い女性が一人、椅子に座っていた。近くに簡易ベッドがある。
「あなた…名前は?」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」
「そう。あたしの名前は『ツジアヤ』…フ~…低血圧っぽい話し方するけどきにしないでねフ~…これでも仕事には意欲的なのよ…」
フ~とまた言ってから椅子に座るよう指示し、料金表を手渡した。
「『男を服従させるメイク』~?」
ルイズが怪訝そうに聞いた。
「そう。私の店は美しい顔やスリムなボディを作るためのエステとはちょっとちがってるの。いくら絶世の美女でも必ずしも幸せとは限りませんもの。そうでしょう?」
ルイズはうっと呻いた。事実モンモランシーは綺麗の部類に入るのだが、彼氏が『あれ』なだけに、恵まれていない。
「私は『幸福の顔』を作ってあげるエステティシャンなの。
いい?人の顔には人相があるけれど人は顔の相によって運が変化するものなのよ。『愛される顔』を持てば『愛と出会う』運勢になれるのよ」
ルイズはツジアヤが何を言いたいのかさっぱり分からなかったが、魔法が存在するハルキゲニアに住んでいるだけあってこういうのを抵抗無く信じる事が出来た。
「あなたの場合は目と眉の形が良くないわね~」
ツジアヤはそう言いながらルイズの目の辺りを触った。

「この形では男の子は…どんなに相思相愛でもあなただけに集中出来なくなるのよね~
違うくて?」
「そ、そそそんなことないわよ!」
思い当たる節が無いわけでは無いが嘘を着いた。
まあ、ポルナレフは何とも思ってないのだが。(本人いわく娘みたいな感覚)
「そう。じゃあとりあえず、1番安い物から試してみる?」
ルイズは料金表を見ると1番上に『愛と出会うメイク』と書かれている項目があった。値段もそんなに高くはない
「…やってみようかしら。一回ぐらいなら騙されたと思って試してみてもいいって気持ちになるし…」
「ありがとう…でも、一つ注意があるの」
「なあに?」
「あくまでこれは『メイクと美容マッサージ』…だから『30分』しかもたないの。どんなに素晴らしい事が起ころーと…30分しかもたないメイクですわ。もし愛に出会わなかったら料金はお返しします」
「30分だけ…」
ルイズは悩んだ。
あの使い魔を振り向かせてみたい。ベ、ベベ別に好きとかじゃないけど、単にあのキュルケにも無関心だったあの男を振り向かせたらキュルケがどんなに悔しがるかみたいだけなんだから!
「いいわ。それでもやる」
「わかったわ~。それでは始めましょうねェーっ」
ルイズは床屋で使用する貫頭衣みたいなのを被せられると目を閉じた。
その時、ツジアヤの背後に突如人型の機械のようなものが現れた。これこそツジアヤのスタンド『シンデレラ』である。

「そのまま目を開けないでね~動いちゃあダメよ~。動くと手元が狂いますからね~」
シンデレラがその左手にイメージにより作り上げた『愛に出会う顔』の部品を載せ、ルイズの顔に目掛けて振り下ろした!
ドギャッ!という音と共にルイズの元の顔と作られたイメージがスライドして入れ代わった。エステ終了である。


二人は気付いてなかったが、この様子を窓から覗いていた者がいた。『それ』はフード付きのローブで身を包み、そのフードから長い銀髪がいくらかのぞていた。
「今のは…まさかスタンド?」
その声は甲高かった。
「成る程…魔法では有り得んとは思っていたが…そういう種だったのか。ならば話は早い」
フッと少し笑うとくるりと後ろを向きどこかへ立ち去って行った。

「女装する必要もヘリウムガスで声を変える必要も無かったな…」


To Be Continued...

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