ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

L・I・A 第06話

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第06話 イタリア料理を作らせに行こう!④

ミスタ・コルベールはこのトリステイン魔法学院に奉職して20年の中堅教師である。『火』系統の魔法を得意とし、『炎蛇のコルベール』の二つ名で呼ばれるメイジである。
今日は生徒達の使い魔召喚の儀式。幾つかは不都合が出るとは踏んでいたものの、今回はその斜め上を行く事態が発生した。
生徒の一人、ルイズ・フランソワーズが召喚の儀式を行ったのだが、なんという事に彼女は平民の青年を召喚してしまったのだッ!
見たことの無い奇抜な黒装束を着込み、鳥の巣の様な頭をしていた珍妙な青年であった。
それはいいのだ。だが何があっても使い魔召喚は神聖な儀式であり、やり直しはきかない。ルイズと青年には悪いが有無を言わさず契約させるつもりだったのだ。
だがしかしッ!学院の歴史にも無いであろう事件が起きたッ!意外ッ!それは逃走ッ!
召喚された青年が逃走したのだッ!彼は森へと消え、未だに目下捜索中である。
コルベールはそれについて話す為に今、本塔の最上階にある学院長室に来ていた。流石に組織のトップの居場所であり、中々の内装である。
「して?その逃げ出したという平民は確保出来たのかね?え~~~ミスタ・・・なんだっけ?」
しかし、完璧な人間とはそうそう居るわけではない。このとぼけた爺さんがトリステイン魔法学院の長、オールド・オスマンその人である。
「コルベールですッ!何度もお忘れにならないで下さいッ!!」
コルベール。そんなに怒っては更にコッ禿げるぞ?
「おお!そうじゃった、そうじゃった。分かりづらい名前でイカンよ君は」
歳百とも三百とも言われるメイジであるが誰にもその実年齢は知らない。恐らく本人さえも知らないだろう。主にネガティブな意味でだが。
多くの者がその名を知る偉大なメイジなのであるが、セクハラも堂々とする好色爺・・・いや、彼の場合性犯罪のレベルにまで達しているかもしれないが、いわゆる“真面目にしているか黙っていれば立派に見える”タイプに属する人間である。

「して?どうなんじゃ?」
ぶち壊された雰囲気が一瞬にして元に戻る。ここら辺は流石と言うべきだろう。
「はい。残念ながらまだ見つかっておりませぬ。召喚した生徒、ミス・ヴァリエールも必死に森の方を探しているようですが、一向に・・・・」
「そうか・・・・・君はどう思ってるのじゃ?」
「あくまで神聖な儀式ですのでなるべくなら見つかって欲しいモノなんですが、どうしても見つからない場合はやり直しを認めるしかないと・・・・・授業の事もありますし・・・」
「それも致し方ないのかのォ~」
「「ハァ~」」
二人揃って難儀な事だと溜め息をつく。
トンッ!トンッ!
その時、ドアが叩かれ、一人女性が入ってくる。
オスマンの秘書であり、セクハラの最大の被害者でもあるミス・ロングビルである。
「失礼します。オールド・オスマン」
「おお、どうしたのじゃ?何か事でも?」
オスマンが快く迎える。まあ、元よりここは彼女の仕事場でもあるが。
「学院長にお会いしたいと言う料理人が訪ねてきたそうですが。なんでも、住む所も無く金も無いので雇って欲しいと・・・」
オスマンは怪訝な顔をする。
「なんじゃァ?そんなどこぞの馬の骨かわからん奴、言うまでもないじゃろう?」
「はい、ですが・・・・」
歯切れが悪い。どうしたと言うのか?
「何かあったのですかな?」
コルベールが訊ねる。
「それが・・・捜索中の平民の青年と共に訪ねて来たと」
クワッ!
男二人が目を見開くッ!
「そうか・・・それなら話を聞くのも面白そうじゃな」
オールド・オスマンがその腰を上げた
「案内してくれんか?ミス・ロングビル」

「ンだとォーーーー!?」
仗助は本日二回目の驚愕の表情を浮かべる。
あのあと、なんとトニオの要求通り一番エライ人間だという学院長、オールド・オスマン氏らが現れたのだ。
そこで、さっき言われた『召喚』だとか『使い魔』だとかの言葉の疑問が溶けた。なんとこの世界ッ!まさにファンタジーッ!
お伽噺に出てくる様な『魔法』がある世界だと言うのだッ!
証拠を見せてみろ、と吹っ掛けて見ると、杖の先からたくさんの火の玉が出てきたりだとか、只の水がなんと一瞬にして油に変わってしまうではないかッ!
これはもう、仗助とトニオの二人も信じるしか無かった。逆に異世界から来た仗助達は仗助の携帯電話で信じさせる事に成功する。ちなみにSPW財団謹製である。まぁ、その過程で、使い魔についての説明を聞いたときの仗助が
「冗談じゃあねェーーーー!!俺ァ、のび太の為になんでもしてくれるドラえもんじゃあねェーーーンだぞォーーーー!!」
とプッツンしかけ、こちらの出す条件をある程度呑んでくれればやってやってもいいと言うことになるという一悶着があったのだが。
一方、トニオの方はと言うと、自分は料理人なので出来ればここで雇って欲しい、と言ったのだが、
「それは別に構わないのじゃが、一応厨房に関してはワシでは無くマルトー君に任せているのじゃが・・・誰か呼んできてくれんか?」
と言うことでミス・ロングビルが一人の男を連れてくる。四十過ぎの太ったおっさんである。彼がコック長のマルトー親父である。
彼は自国の女王陛下と雇い主のオスマン以外は、貴族と魔法を毛嫌いしていた。故にミス・ロングビルに連れてこられた時もどことなく不機嫌そうであった。
その場で話を聞いた親父は、
「オスマンの旦那がそう言うんだったら仕方ねェーですが、俺ァ自分の認める奴しか一緒に仕事させる気はありませんぜ」
との言葉により、トニオの腕を見せてみろと言うことになった。

「トニオさん。どうするンスかァ~~~?」
「無論、受けて立ツに決まっているデショウ?」
トニオはやる気満々である。一瞬仗助は心配になったのである事を訊ねた。
「まさか、パール・ジャムを・・・・」
それを聞くと、少々驚いた様な顔をし
「勿論デショウ?アレが『ワタシの料理』ッてヤツデスよ。アレが認められなけレバ、ワタシが認められないのと一緒デス」
そう言って一歩前に歩み出て、
「デハ、オ題ハ何デショウカ?」
悠然と言い放った。オスマンがそれに対して
「テーマは特に決めん。ワシとマルトー君の二人を満足させてくれれば合格じゃ」
勝利条件をトニオに示す。「材料はあるもの使っていいからよ」
「ワカリマシタ。それでハ、ちょっと失礼シマス」
そう言うとトニオはオスマンとマルトー親父の二人に近づき、先にオスマンの手を取り、それを見つめる。
暫くしてトニオが口を開く。
「学院長サン。アナタ、腰の調子が最近良くアリマセンね?・・・フゥン、パイプなどをヤラれてマスね?肺もダメージがありマスネ?」
まるで医者の如く診断結果を下していく。
「な、何故それをッ!?」
オスマンは驚愕で空いた口が塞がらない状態だ。
トニオは続いてマルトーの手を取り、
「マルトーサン。アナタの方ハ肩コリが酷いようですね?ソレに最近力の入れすぎか寝不足ギミデスね?」こちらも診断を下していく。
「なんでそれをッ!?」
マルトーも当てられ、二人とも的確に自分の調子が悪いところを言い当てられて驚愕している。
「ワタシはお客様の手を見ルダケで健康状態がワカルのデスヨ」
二人に優しげな微笑みを向け、
パンッ!
両手を叩き、そして宣言する。
「それデハ、料理を始めマショウカ?」

To Be Continued・・・・・・

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