ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

サーヴァント・スミス-12

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「………」

ナランチャはまだ寝ぼけ眼であった。
そして半信半疑ながら蒼白に染まった表情。
何でもアルビオンへ繋がる港、ラ・ローシェルまで

「何日かかるっけ」

「2日」

「ざけんな」

ということらしい。
まあ、馬と言う安定性の悪い乗り物に乗って行くのは酷である。
おまけにナランチャは慣れていない。恐らく尻か腰が痛くなることは明白であろうと思われる。

「さあ、出発しようか」

「お前なんで来てんだよ」

「そこに姫殿下がいるからさ」

「は?」

ギーシュが着いてくるのを防ぐ為、蜂の巣にしたにもかかわらずホイホイついていっちまうギーシュ。
ナランチャが何度もいいのか?と確認するたびにすごく……遠いです、と返すギーシュ
2人の間には会話が成り立つ事はないのだろうか。
霧のようにぼやける視界をはっきりさせるべく、頬を一度叩いた。

「あ、そういえば」

思い出したように、ギーシュが言う。

「僕の使い魔を……まだ!お披露目してなかったねッ!」

「いいよ見なくても」

「何ィッ!?」

「どうせモグラとかいうんじゃねーの」

図星であった。何故読まれた。
推測であるが、ナランチャは宇宙で人と分かり合える力を持っていると思われる。
その内エアロスミスが紫色のオーラを出して「ここからいなくなれーッ!」と叫んで敵に特攻する日も遠くはないのだろう。
無論精神崩壊エンドもありうる。

「チッ、何で分かったんだ。これが僕の使い魔、ヴェルダンデ。あーもう好きにやってくれよ」

荒れるギーシュ。まさか読まれるとは思っていなかったのだろう。
ぼこぼこと地面が盛り上がり、巨大なモグラが出てきた。

「うわデカッ」

ナランチャが口にミミズをくわえているそのモグラに嫌悪感を示すのと、モグラがルイズに飛び掛るのは同時。
その見ずにはいられない、男としての性が反応。
ギーシュは荒れていたが、今では息が荒れている。
ナランチャが後頭部へ俺のこの手が真っ赤に燃えるゴットフィンガーをキメなければ、ヴェルダンデにもっと卑猥な命令を下していた事であろう。
そして

「ボラボラァッ!世話焼かせんなボケモグラッ」

「うわあああヴェルダンデーッ!!」

「ご苦労ナランチャ」

「「チェックメイト」」

いつぞやタバサとやったようにハイタッチをよりによってギーシュの前でかます2人。鬼である。
エアロスミスの機銃は、ギーシュと同じく息を荒くして何かに鼻を擦り付けているヴェルダンデの二酸化炭素に反応し、非情で正確な鉄槌を下した。
一瞬遅れてその場を風が吹いた。
その向こうには髭を生やした男。

「あ。見せ場……」

「おい、ギーシュ。行くんならさっさとしろ」

「うわああヴェルダンデー」

「あ……」

馬で去っていく3人を、その男の悲しげな瞳が見つめていた。
さようなら。君のことは忘れないよ。
ナランチャたちは風と共に去っていった。

「ちょっと待ってぇぇぇぇ」

「なんか聞こえるわ」

「待ってェェェェェ」

「あ、ホントだ。レーダーになんか映ってる」

「や……やっと追いついた」

グリフォンに乗ってご登場。
その美男子は、ルイズに近づいた。
どうも何かを期待しているようだが、ルイズといったらきょとんとした顔で

「あ、ワルド」

「呼び捨てかいルイズ!?まあいいけど」

「ごめん、実は誰だったか忘れてちゃって。名前しか覚えてない」

「………」

ワルドは沈黙し、地面に何か書いている。
ナランチャが覗くと
『呪』
重い空気がその場を包み込んだ。

「……元気、だせよ。な?」

「ぐすっ……えぐっ、あり、がとう」

いい年して泣きじゃくるワルド。
それはそうだろう。
アンリエッタに指名されて合流してきてちょんまげと言われたと思ったら、ひどい扱いを受けた
実は婚約者であるルイズに『誰?』扱いされ
子供に「元気出せよ」と元気付けられ

今は自分自身がモグラに襲われている(ヴェルダンデの回復力が異常)。
今すぐにも逃げ出したかった。
ルイズに自分のことを思い出させると、何故か呼び方と態度が急に変わったのである程度機嫌は取り戻した。

「と、とりあえずだね。私もアルビオンまでついていくことになった」

「えー」

「やだーキモーイ」

ギーシュとナランチャがくねくねしながら挑発?している。
ワルドは怒る気力もなく、真っ白に燃え尽きるだけであった。
そんなナランチャを見て、天国のブチャラティはまた泣いていた。

「燃え尽きた……燃え尽きたよ……真っ白にな」

「ワルド様!あ、やっぱりこの呼び方ダメ。ワルド、立ち直って。お願いだから」

「萌え尽きたァァーッ!!」

「キモッ」

「………」

再び泣くワルド。しかし、どこか嬉しそうである。宛らその姿は悟りを開いたようであった。
とりあえず(イヤイヤで)ルイズがワルドと一緒にグリフォンに乗り、ラ・ローシェルを目指すことになった
一匹だけ残された馬は力なく「ヒヒーン」と泣くだけであった

道中、2人で地面を駆けるナランチャとギーシュは語らっていた

「マジ気に入らん」

「同感。ワルド嫌」

ひどい言われようであった
しかし、そのおかげで彼が輝くと言うのも事実であり――
あえて言うなら、彼はそのために生まれてきた(いじられ役)

「っとぉッ?止まれギーシュ!ワルドお前も止まれボケ」

「あ、はい」

「うん?ナランチャ、どうしたんだい?」

「敵だ。多分な……」

繊細な状況を示しだすレーダーに、二酸化炭素――つまり、生物の存在を教える光点がいくつも映っている。
ジィッと見つめ、真剣な表情で判断を下す
指が指し示すのは、崖。
隠れやすい所だ。上からなら矢なども放てるし、攻撃の幅が広がってくる。
敵は熟練者のようだ。
ナランチャは気を引き締め、エアロスミスのレーダーでロックオンをはじめた

「ワルド、ちょっと風の魔法をあの崖に撃て」

「はい」

「ギーシュはワルキューレを全部出して待機。飛び道具が恐いから壁にするんだぜ?」

「分かった!君が言うことだしな。それも君の力かい?」

ワルドは力なく返事を返していた。
すでに魔法を撃ちこみ始めている。
ギーシュの問いに「そんなもんだ」とだけ答え、エアロスミスの機銃を乱射した。
機銃がワルドに当たっても良い。撃つだけである。ひどい。

火の灯った矢をワルキューレで防ぎ、陰からエアロスミスで撃つ。
思わぬ先手を打たれた所為で敵は総崩れとなっており、あっさりと倒せて行く。
このエアロスミスのレーダーがあれば、不意を突かれることは当然少なくなる。

「ようし……矢を撃つヤツは全部始末した。ワルキューレを!」

突撃。
いくらドットの作り出すゴーレムであっても、相手が魔法を使えないなら話は別であり、頼りになる。
それに、一応頑丈といえば頑丈。易々とは切れない。
赤い帽子を被り弟は緑の、そんなスーパースターのように踏んづけていき、1UPした。

結果。予想通りワルドに少量当たった。20発ほどなので心配するほどではないだろう(ナランチャにとってはだが)
風で、巣を突付かれた蜂のように出てきた敵を撃ちぬいていた。
情報を聞き出すため生かしてはいるが、ルイズが止めなかったら彼らはどうなっていたかわからない。

「ようし、行くぞ」

(ドドドドドドド)
『尋 問 開 始』

「俺たちはタダの物取りだ。それ以下でもそれ以上でもねえ『待った!』

「……本当に、タダの?」

「ああ、そうさ」

(どうする……)

→もっと強く揺さぶる
 他の質問をする

「正直に答えないと、体が蜂の巣になるぞ」

「へっ、そんなことがお前に出来るって言うのか!?」

『異議あり!』

「出来る!証拠があるんだよ!」

突きつける
→エアロスミス
 タバ茶
 ギー茶
『喰らえ!』

「ボラボラボラァッ!!」

『有 罪』

こうして、彼らはただの物取りではなく、仮面を被ったキザなメイジに命令されてご一行を襲ったのだということが判明した。
やや強引で、何か逆転しそうな裁判っぽかったが、ナランチャの秘めた才能(尋問)も判明した。
蜂の巣にされた一名は気の毒だったが、それだけですんで良かったと考えるのだ。

「ふむ……その仮面の男、気になるな」

ワルドがううむ、と唸って呟く
ナランチャはといえば、胸につけた弁護士バッジを外した。
どこから持ってきたのかは秘密である。

「よし、行くぜ、細かい事気にしたって頭がイテーだけだ」

「はい」

「ああ」

またご一行はラ・ローシェルを目指し、旅立つ。
その後、ワルドの精神と性格が元に戻るのはラ・ローシェルについてからであった




To Be conti...?

「あー!戦ってたのにもう行っちゃってるよ!」

戦闘の跡を見たキュルケがぼやいた。
前方で激しい轟音が響きまくっていた(主に悲鳴)ので、戦闘が行なわれていて足止めを喰らっていると判断し、急いだのだが……
短時間で先頭を潜り抜けるとは――さすがナランチャ
とか内心思っていたが、口に出す暇は無い。

「急いで」

「きゅいきゅい!」

タバサとキュルケはシルフィードに乗ってナランチャたちを追いかける。
素早さで上回るシルフィードが追いつくのも時間の問題であった


To Be continued ...

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