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僕は気絶した二人を横目に、今後の方針のため、先ほどまでの事や、喋っていた事を整理する。 整理して解ったことは三つ。 1、ここは自分のいた場所とは、全く別のものであり、昔のヨーロッパのような身分制が引かれていると云うこと。(どの程度、細分化されているかは不明) 1、少なくともこの辺りは、何故か日本語が通じるため、コミニケーションを取るに当たって不自由は無い。 1、ここにはスタンドに似た概念が存在していて、それを使うには杖(どの程度、形状が定まっているかは不明)が必要。 また概念によるクラス分けが存在する模様。 この概念は様々存在しているが、同時に複数使うことは不可能、または困難である。 整理したことで、この世界のルールはある程度解ったが、肝心の、何故僕がここにきたかまでは解らなかった。 とりあえずこの少女には、色々喋ってもらうことがありそうだ。 「あれ? ここは……」 才人は起きあがり、数回頭を振って、辺りの様子を見回す。 いまいち状況が理解できていないようだ。いや、それで普通なのだろう。 こうも淡々と状況を整理している僕が、あまりに非常識すぎるだけだ。 「ようやく、起きたようですね。才人」 「あれ? 花京院…… って事は、夢じゃなかったのかよ」 「ともかく、状況を説明します」 僕は先ほど整理したことを、かいつまんで説明する。今、確実に頼れるコミュニティーはお互いだけなのだ。 才人は、常人なら理解の範疇を越えるであろう僕の憶測を、多少取り乱しはしたが、合間合間に質問を挟みながら聞いていた。 そして全て説明し終えた時、才人は肩を落として、深いため息をつき、弱音をはいた。 「俺達、どうなるんだろうな」 「僕にも解りません。ともかく今は……」 僕は視線を少女の方へと落とす。才人もつられるようにして、少女の方に目線を持っていった。 「この少女に、いろいろ聞く他ないでしょうね」 「はぁ……それし…… がっ!? ぐぅああああああああああああ!」 「才人ッ!?」 突如、才人が左手を押さえて苦しみだした。その押さえた左手は発光しているらしく、押さえている右手の隙間から強い光が漏れる。 まさか、さっきの奴らが使った攻撃か!? 「おい! 起きろ!」 僕は急いで少女をたたき起こした。本来、女性をこうやって邪険に扱うのは許せん事だが、今は緊急事態だ。気にしてはいられない! たたき起こされた少女は不満そうに、目をこすりながらこちらを見た。 「どうすればアレはおさまるッ!」 「はえ……」 まだ完全に起きてはいないらしい。もう一回叩けば起きるかと思ったが、女性を二度叩くのは、いささか気が咎める。 「っ!」 無理にでも起こすか考えている内に、僕の左手の甲に、うっかりストーブを触れてしまったような熱さが、一瞬だけ奔った。 慌てて左腕を見る。先ほどまでと何も変わらない左腕だった。 僕は才人の方に目をやった。左腕の発光は既に収まり、代わりに何かの文様が浮き上がっていた。 「なんなんだよ、これ!」 「………! なんでアンタの方が使い魔になってるのよ!」 才人が自分の手の甲を見て、驚いたように声をあげる。 その声で意識が完全に覚醒したか、少女の方も大声を上げる。こちらは怒鳴っているような声だ。 その声にかちんときたのか、今まで溜まっていた非常識な事に対する怒りが爆発したか、才人も少女を怒鳴りつける。 そのまま二人は、僕のことなど眼中に無いように罵り合いを始めた。 「俺の身体に何しやがった!」 「使い魔のルーンが刻まれただけよ! というか何でアンタなのよ! 私はあっちの『メイジ』と契約を交わすハズだったのに!」 「メイジって何だよ! 意味わかんねえよ!」 「平民が、貴族にそんな口聞いていいと思ってるの?」 「知ったことか! 今すぐ戻せ!」 「その辺でもう……」 このまま何時までも、二人に口げんかをさせていては本当に日が暮れる。 こんな軽装で野宿はごめん被りたい。 僕はこの不毛な争いを止めようと間に入る。 「できるんなら、とっくにしてるわよ! なんでアンタみたいなのを『召喚』しちゃったの!」 「何だって!? 『召喚』!?」 「な、何! 急に大きい声出さないでよ!」 少女の一言に、僕は思わず反応した。 彼女が僕らを呼び出した奴だというのか? しかも「アンタみたいなの」と言った。 つまり、特定の相手を呼び出そうとして呼びだしたわけではないらしい。つまり、僕や才人がここに来たのは『事故』と云うことだ。 つまり僕は独り相撲を取っていたというわけだ。相撲は好きだが、独り相撲は相撲じゃない。などとずれたことを考えた。 しかしこれはマズイ。元の場所に帰れる方法を知っているかもしれない相手の心情を、勝手に暴れて悪くしてしまったことになる。 そうでなくても、少なくとも帰る手段を探すまでは、こちらで生活する必要があるのだ。 ここは何とかして、少女に協力を取り付けるしかない。 少女は僕たちが先ほど逃げてきた施設(トリステイン魔法学校というらしい)へ戻ろうとする。 僕はともかく、この少女……ルイズについていきながら、今の僕らの状況を、憶測もふまえて説明した。 「……という訳です」 「それ、本当?」 「嘘ついてどうするよ」 「信じられないわ。異世界があるなんて」 「違う星、という可能性もありますが」 説明している間に暗くなった空を見上げ、僕の知っている月の、優に二倍はある二つの月を眺めながら、言う。 「どっちにしたって同じよ。いったいそんなものが何処にあるのよ」 「俺の元いた所にはあったんだよ! そこには月が一つで、魔法使いもいな……い……よな?」 才人が途中で言葉をうち切り、僕の方に話を振る。 僕のスタンドも、彼からしてみれば魔法と同じくファンタジーの産物だろう。 そういえば一度も説明していなかった。話すだけは話しておく必要があるだろう。 僕は簡単に精神の力を、様々なものを通じて実体化させる力とだけ説明をした。 しかし、なまじ似た概念が存在すると、返って理解を妨げるとは思わなかった。 「だから『魔法』と何が違うわけ?」 何度説明しても、さっきからずっとこの調子だ。わからんやつだなッ! とどこか叩きたい気分になった。 まだ才人のように、超能力ですましてくれる方が楽だ。 理解してくれるまで、同じ説明を何度も繰り返している内、僕らはようやくトリステイン魔法学院にたどり着いた。 つくなりルイズは、 「あんた達はここで待ってなさい」 といって僕らを門の前で待たせ、先に学院の中へ入っていった。 まぁ、あれだけ暴れた相手がまた学院に姿を見せれば、騒ぎになることは間違いない。 待っている間に、僕は門に身体を預け、これから先のことに思いをはせた。 「なぁ、俺たちどうなるんだろうな」 「……」 「家に……帰りたいなぁ……」 「……ああ」 しんみりとする。僕もふと、両親の事を思い出していた。 父さんと母さんはどうしているだろう。もう寝むっているのだろうか? 晩ご飯も無駄になったんだろうな。心配かけてすみません。 「あ! 」 「どうしたッ!」 突如、才人が挙げた声に驚き、僕は思考を中断して反応した。 「パソコン入ったカバン、落とした」 「才人……」 「ん? 」 僕はとりあえず、才人の顔面に、後で肘を決めておく事にした。
地面に倒れたまま、中々動かない才人と少女。 このままではマズイ。すぐさま、僕は二人の瞼を開いて意識を確かめる。 白目を剥いていた。 次は呼吸だ。 制服のポケットからティッシュを取り出し、薄く裂いて二人の顔にかぶせる。 二人とも規則正しく、ぴくぴくとティッシュを動かす。呼吸はあるようだ。 どうやら伸びているだけのようだ。 おそらく命に別状がないことを確認した僕は、そのまま二人を森の草むらへと隠した。 これで意識が戻るまでの間ぐらいは、追ってくる相手を巻けるだろう。 一応、追っ手が来れば解るよう、ハイエロファントを辺りにはりめぐらしておく。 そこまでの動作を終えた所で、僕は二人を隠した草むらに、倒れ込むようにして座り込んだ。 これで少しは肩の力も抜けるだろう。 まだ暗くなりきっていない空を見上げると、優に二倍はある大きな月が二つ、僕らを見下ろしていた。 変な動物を見た時も思ったことだが、これで一つ、確信が出来た。ここは僕の知る世界ではないのだ。 改めて確信すると、元の世界の両親の事を思い、寂しい気持ちになった。 だがそれ以上に今の、この奇妙な体験が、頭の殆どを占めていた。 「……。どうしたものかな」 僕は気絶した二人を横目に、今後の方針のため、先ほどまでの事や、喋っていた事を整理する。 整理して解ったことは三つ。 1、ここは自分のいた場所とは、全く別のものであり、昔のヨーロッパのような身分制が引かれていると云うこと。(どの程度、細分化されているかは不明) 1、少なくともこの辺りは、何故か日本語が通じるため、コミニケーションを取るに当たって不自由は無い。 1、ここにはスタンドに似た概念が存在していて、それを使うには杖(どの程度、形状が定まっているかは不明)が必要。 また概念によるクラス分けが存在する模様。 この概念は様々存在しているが、同時に複数使うことは不可能、または困難である。 整理したことで、この世界のルールはある程度解ったが、肝心の、何故僕がここにきたかまでは解らなかった。 とりあえずこの少女には、色々喋ってもらうことがありそうだ。 「あれ? ここは……」 才人は起きあがり、数回頭を振って、辺りの様子を見回す。 いまいち状況が理解できていないようだ。いや、それで普通なのだろう。 こうも淡々と状況を整理している僕が、あまりに非常識すぎるだけだ。 「ようやく、起きたようですね。才人」 「あれ? 花京院…… って事は、夢じゃなかったのかよ」 「ともかく、状況を説明します」 僕は先ほど整理したことを、かいつまんで説明する。今、確実に頼れるコミュニティーはお互いだけなのだ。 才人は、常人なら理解の範疇を越えるであろう僕の憶測を、多少取り乱しはしたが、合間合間に質問を挟みながら聞いていた。 そして全て説明し終えた時、才人は肩を落として、深いため息をつき、弱音をはいた。 「俺達、どうなるんだろうな」 「僕にも解りません。ともかく今は……」 僕は視線を少女の方へと落とす。才人もつられるようにして、少女の方に目線を持っていった。 「この少女に、いろいろ聞く他ないでしょうね」 「はぁ……それし…… がっ!? ぐぅああああああああああああ!」 「才人ッ!?」 突如、才人が左手を押さえて苦しみだした。その押さえた左手は発光しているらしく、押さえている右手の隙間から強い光が漏れる。 まさか、さっきの奴らが使った攻撃か!? 「おい! 起きろ!」 僕は急いで少女をたたき起こした。本来、女性をこうやって邪険に扱うのは許せん事だが、今は緊急事態だ。気にしてはいられない! たたき起こされた少女は不満そうに、目をこすりながらこちらを見た。 「どうすればアレはおさまるッ!」 「はえ……」 まだ完全に起きてはいないらしい。もう一回叩けば起きるかと思ったが、女性を二度叩くのは、いささか気が咎める。 「っ!」 無理にでも起こすか考えている内に、僕の左手の甲に、うっかりストーブを触れてしまったような熱さが、一瞬だけ奔った。 慌てて左腕を見る。先ほどまでと何も変わらない左腕だった。 僕は才人の方に目をやった。左腕の発光は既に収まり、代わりに何かの文様が浮き上がっていた。 「なんなんだよ、これ!」 「………! なんでアンタの方が使い魔になってるのよ!」 才人が自分の手の甲を見て、驚いたように声をあげる。 その声で意識が完全に覚醒したか、少女の方も大声を上げる。こちらは怒鳴っているような声だ。 その声にかちんときたのか、今まで溜まっていた非常識な事に対する怒りが爆発したか、才人も少女を怒鳴りつける。 そのまま二人は、僕のことなど眼中に無いように罵り合いを始めた。 「俺の身体に何しやがった!」 「使い魔のルーンが刻まれただけよ! というか何でアンタなのよ! 私はあっちの『メイジ』と契約を交わすハズだったのに!」 「メイジって何だよ! 意味わかんねえよ!」 「平民が、貴族にそんな口聞いていいと思ってるの?」 「知ったことか! 今すぐ戻せ!」 「その辺でもう……」 このまま何時までも、二人に口げんかをさせていては本当に日が暮れる。 こんな軽装で野宿はごめん被りたい。 僕はこの不毛な争いを止めようと間に入る。 「できるんなら、とっくにしてるわよ! なんでアンタみたいなのを『召喚』しちゃったの!」 「何だって!? 『召喚』!?」 「な、何! 急に大きい声出さないでよ!」 少女の一言に、僕は思わず反応した。 彼女が僕らを呼び出した奴だというのか? しかも「アンタみたいなの」と言った。 つまり、特定の相手を呼び出そうとして呼びだしたわけではないらしい。つまり、僕や才人がここに来たのは『事故』と云うことだ。 つまり僕は独り相撲を取っていたというわけだ。相撲は好きだが、独り相撲は相撲じゃない。などとずれたことを考えた。 しかしこれはマズイ。元の場所に帰れる方法を知っているかもしれない相手の心情を、勝手に暴れて悪くしてしまったことになる。 そうでなくても、少なくとも帰る手段を探すまでは、こちらで生活する必要があるのだ。 ここは何とかして、少女に協力を取り付けるしかない。 少女は僕たちが先ほど逃げてきた施設(トリステイン魔法学校というらしい)へ戻ろうとする。 僕はともかく、この少女……ルイズについていきながら、今の僕らの状況を、憶測もふまえて説明した。 「……という訳です」 「それ、本当?」 「嘘ついてどうするよ」 「信じられないわ。異世界があるなんて」 「違う星、という可能性もありますが」 説明している間に暗くなった空を見上げ、僕の知っている月の、優に二倍はある二つの月を眺めながら、言う。 「どっちにしたって同じよ。いったいそんなものが何処にあるのよ」 「俺の元いた所にはあったんだよ! そこには月が一つで、魔法使いもいな……い……よな?」 才人が途中で言葉をうち切り、僕の方に話を振る。 僕のスタンドも、彼からしてみれば魔法と同じくファンタジーの産物だろう。 そういえば一度も説明していなかった。話すだけは話しておく必要があるだろう。 僕は簡単に精神の力を、様々なものを通じて実体化させる力とだけ説明をした。 しかし、なまじ似た概念が存在すると、返って理解を妨げるとは思わなかった。 「だから『魔法』と何が違うわけ?」 何度説明しても、さっきからずっとこの調子だ。わからんやつだなッ! とどこか叩きたい気分になった。 まだ才人のように、超能力ですましてくれる方が楽だ。 理解してくれるまで、同じ説明を何度も繰り返している内、僕らはようやくトリステイン魔法学院にたどり着いた。 つくなりルイズは、 「あんた達はここで待ってなさい」 といって僕らを門の前で待たせ、先に学院の中へ入っていった。 まぁ、あれだけ暴れた相手がまた学院に姿を見せれば、騒ぎになることは間違いない。 待っている間に、僕は門に身体を預け、これから先のことに思いをはせた。 「なぁ、俺たちどうなるんだろうな」 「……」 「家に……帰りたいなぁ……」 「……ああ」 しんみりとする。僕もふと、両親の事を思い出していた。 父さんと母さんはどうしているだろう。もう寝むっているのだろうか? 晩ご飯も無駄になったんだろうな。心配かけてすみません。 「あ! 」 「どうしたッ!」 突如、才人が挙げた声に驚き、僕は思考を中断して反応した。 「パソコン入ったカバン、落とした」 「才人……」 「ん? 」 僕はとりあえず、才人の顔面に、後で肘を決めておく事にした。

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