• atwiki
  • nomad
  • 涼宮ハルヒの経営Ⅱ朝比奈みくるの失踪事案

nomad

涼宮ハルヒの経営Ⅱ朝比奈みくるの失踪事案

最終更新:

hiroki2008

- view
メンバー限定 登録/ログイン

朝比奈みくるの失踪事案


みくるの告白の後に古泉が貴族の結婚の制限について解説を入れたのでカットされた部分



「朝比奈さんの行動がまず謎なんだ。古泉は城で見かけなかったか」
「いえ、僕は仲間の騎士たちと連れ立って鹿狩りに出かけたもので」
なんだ、お前もまたゴーシャスな生活をしてんなあ。狩りは戦場を模した馬の訓練ですよ、と古泉は言い訳めいたことを言う。俺は看過できない数々の疑惑を説明し、
「つまりだな、すべての情況証拠が物語るもの、それは一つ!」俺もなんかハルヒみたいになってきたぞ。
「伯爵様ですか。もし相思相愛になったとしても、残念ながら貴族の結婚は王様に決定権があるので二人が結ばれるのは無理だと思いますよ」
「え、自由恋愛じゃないのか」
「いいえ。貴族の結婚は同盟関係を結ぶという意味合いがあります。軍事面や経済面での政略結婚を野放図にさせておいては王様の権威が脅かされますからね」
「なるほどな。日本の朝廷政治にもそういうのがあったな」
「そして身分が違いすぎると、今度は家族内から反対されます。結婚には遺産相続の権利が発生するので一族の資産が減るというわけです」
「にっちもさっちもいかんじゃないか」
「ええ、正妻にはなれず、よくて側室でしょうか。ローマカソリックは一夫多妻を認めていないので日本の殿様のように側室という地位はありませんし、あるいはただのお妾さんになる手もなくはないのですが、それでは朝比奈さんのプライドが許さないでしょう」
そうだろなあ、未来人って妙なところでお高いしな。
「まあその辺の事情はハルヒに説明してやってくれ」
「僕がですか……」
古泉は冷や汗を垂らした。
「あと、神人が出たらその始末もよろしく頼むわ」
簡単に言いますね、と古泉は疲れた顔で俺を見る。
「それより、そうなってしまった後のことは考えているんですか?」
「なってしまった後ってなんだ」
「伯爵との恋愛関係が成立したとして、未来に帰っても大丈夫なんですか?」
ううっ、古泉のしたたかな反撃。
記事メニュー
目安箱バナー