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3、一人で行く

「もぅ、二人とも、私だって子供じゃないんだから、一人でいけるって」
微妙な雰囲気の二人に、つとめて明るく笑う。
「私に付き合う口実で、サボろうとしてるんでしょ?まったくもぅ」
やれやれと、肩をすくめてみせて靴を履く。
「それじゃ、二人とも遅刻しないようにね?」
「うん、姉さんも、無理しないで痛かったら休むんだよ?」
「…………」
「はいはい」
春樹が苦笑ながら言う。隆は何かをいいたそうだったが、無言で頷いた。
タクシーのドアが閉まる。
行き先を告げ、走り出したタクシーの中で思わずため息をつく。
隆へどう接していいのかわからない。
修二くんの言った事が本当かどうかわからない今、態度を変えるのはおかしいことだとわかってはいるけれど…。

診察を終え、会計を済ませる。
湿布を張り替えてもらい、万が一また熱が上がったときのための薬ももらった。
病院を出ようとして、ふと視界の先に見知った顔。
それは…

①一郎くん
②御門くん
③厳格だが生徒思いの近藤先生

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②御門くん

御門くんだった。
「……」
玄関の柱に背を預けて、時間を確認している。

(……何してるのかな?)
疑問に思いながらじっと見ていると、不意にその視線がこちらを向く。

(わっ!)
私は思わず見えないように隠れてしまった。
御門くんは見回すようにこちらを眺めていたが、やがて視線を手元に戻す。

(はぁ……よかった)
ほっと、息をつく。
(って、よく考えたら、別に隠れる必要なかったんだよね……)
ふとその事実に気がつき、なんとなく恥ずかしくなる。
だけど、なんとなく出て行くタイミングがつかめいまま、私はそのまま御門くんの様子を見ることにした。

(それにしても、どうしてこんなところにいるんだろう?今日は普通に学校のはずなのに)
しばらく様子を伺っていると、今度は胸元から何か小さなものを取り出した。
そして、それを手の平に乗せてじっとみつめている。

「……」
その顔は相変わらず無表情のまま。
なのに、なぜだろう。御門くんから何かの感情が伝わってきた気がして。
……どこか気になった。
(何、見てるんだろう……?)

1、話しかける
2、そっと近づく
3、気にせず学校へと向かう

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1、話しかける

よく考えれば昨日のお礼を言ういい機会だ。
「あ、あの、御門くん?」
思い切って声をかけながら近づく。
私の呼びかけに顔を上げた御門くんは相変わらず無表情だ。
「あ、あの昨日保健室に連れて行ってもらった大堂愛菜です。昨日はありがとう」
「………」
(覚えてない、ってことはないよね、昨日のことだし……
 あ、でも少しの間だったし、向き合ってたわけでもないから、顔は覚えてないのかも…)
「……いえ、足の具合はいかがですか?」
少しの沈黙の後、感情の伺えない声で御門くん。
「あ、うん、湿布もお薬ももらったし、大丈夫。まだ痛いけどね」
「そうですか、それは良かったです」
そういいながら、御門くんは持っていたものを胸ポケットにしまう。
(何だろう?金属?)
ちらりと見えたものはなにか金属の破片のように見えた。
そのまま会話が途切れる。
えーっと…

①「ここで何をしているの?」
②「今のはなに?」
③「今から学校へ行くんだけど、良ければ一緒に行かない?」

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①「ここで何をしているの?」

金属片の仕舞われたポケットを見つめながら、私は尋ねた。
「…………」
御門くんは無表情のまま、何も答えず私の顔を見つめている。
「学校はどうしたの?」
「…………」
御門くんは何も言わず、無表情にこちらをジッと見ている。
「どうしてこんな所にいるの? 教えて」

ポケットに仕舞われた金属片。
保健室で見た光景。
隠し事をしているような態度。

「どうしてここにいるの? ここで何をしているの? お願い、教えて」
助けてくれた御門くんを信じたい。
だから私は、心の中に生まれた『監視されているかもしれない』という疑念を振り払うために尋ね続けた。
それでも御門くんはずっと黙ったまま、私を見つめ続けている。
「答えて!」
取り乱した私を見て、御門くんがようやく重い口を開いた。
「…………わかりました」
そう言うと突然、御門くんはネクタイに手を掛け、シュルッという音をさせながら一気に外した。
ブレザーを手早く脱ぎ捨て、真っ白なシャツのボタンを外していく。
「なっ、何?」
病院の前で何を始める気なの!?
自動ドアから出てきたおばさんが奇異の目で私たちを見ている。
「まっ、待って!」
私は御門くんを止めようと必死になってその腕をつかんだ。

上半身が露わになった御門くん。
そこで私が見たものは……

①肩に巻かれた包帯
②体に埋め込まれた金属片
③文化祭用のボディペイント

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①肩に巻かれた包帯

「今朝、自転車とぶつかってしまって肩を痛めたので病院へ来ました」
淡々と話す御門くん。
「あ、そう、なんだ…」
私が納得したと確認すると、何事もなかったかのように制服を着る。
(そう、だよね。私の考えすぎ…、病院だもん怪我とか病気の治療に来てるに決まってるじゃない……)
取り乱してしまったことにいまさらながら恥ずかしくなる。
「ご、ごめんなさい」
御門くんは何も言わず、じっと私を見ている。
昨日も校庭から私を見ていた。
その視線に落ち着かなくなる…

1、「わ、私の顔に何かついてる?」
2、「昨日も見てたよね?」
3、「御門くんは一年生?」

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2、「昨日も見てたよね?」

「昨日も私の事を見ていたよね?」
私はどうしても昨日の不可解な行動が気になって思わず尋ねた。
「はい。あなたが廊下で怪我をしている姿を見かけました」
御門くんは冷静な口調で答えた。
「そうじゃないの。えっと……」
「以前にもお会したことがありましたか?」
「昨日、初めて会ったよ」
「いつ、どこで、何を見ていたのかもう一度、明確に教えてください」
淡々と御門くんは言った。

「昨日、この怪我の後にね……保健室から制服を着たまま校庭にいる御門くんを見かけたんだ。授業中だったから、少し気になって」
あの時、お互いの目が合っていたような気がする。確か、御門くんは私の視線に気付いて去っていったんだ。
「昨日は、五時限目も六時限目も教室で授業を受けていました。校庭には行ってません」
有無を言わせない、はっきりとした言い方だ。
「……そうなんだ。私の見間違いだったのかもしれないよ。ありがとう」
確かに御門くんだったような気がするけど、本人が否定しているのならきっと私の勘違いだったんだろう。


それにしても、御門くんって……
①少し変っているな
②何を考えているか分からないな
③すごく真面目だな

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②何を考えているか分からないな

表情に変化が乏しいのが一番の原因だと思う。
声にも感情が入っていなくて淡々としているし…。
人をじっと見るのはクセなのかな?

 チャラリ~ン

「あ…」
私の鞄の中から音がする。
メール着信の音だ。
(あぶない、あぶない、マナーモードにし忘れてた…)
携帯電話を取り出す。
「では、これで」
「えっ?」
メールを確認しようと携帯電話に視線を落としたところで、御門くんは行ってしまった。
(誰かを待っているみたいだったのに……?)
疑問に思いながらメールをチェックする。
メールの送信者は…

①春樹
②隆
③知らないアドレス

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②隆

それは隆からのメールだった。
『昨日からお前……、俺のこと避けてないか?
放課後ゆっくり話をしたいんだ。
ちゃんと水野との誤解も解いておきたいし、音楽室まで来れるか?』

音楽室……。
もう気にしないって決めていたのに、偶然見てしまった光景を思い出して心臓がはねた。
隆と水野先生の濃厚なキスシーン。
私と付き合う以前の出来事なのに、今でもこんなにも心を乱されてしまう。

もちろん、避けているだけじゃ恋人になった隆をいつまでも信じることは出来ない。
だけど、修二くんが耳打ちした言葉を考えると、少しだけ会うのが怖い。

私は携帯を握り締めながら、メールを隆に送る。
その内容は……
①『用事がある』と誤魔化して断る
②『わかったよ』と承諾する
③『音楽室だけは嫌なの』と牽制する

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②『わかったよ』と承諾する

(でも、このままで良いはずがない…)
承諾の返送をして、病院を出る。
病院の前に並んでいるタクシーに乗り学校へ向かう。
学校へ着いたときには昼休みが終わるところだった。
教室へ向かう途中で丁度昼休み終了のチャイムが鳴る。
教室へ戻って行く集団と一緒に教室に入る。
「あ、愛菜!今日は休むかと思ってたよ。足は大丈夫?」
すぐに私を見つけて、香織ちゃんが近づいてくる。
「うん、病院に寄ってきたら遅くなっちゃった」
「そっか、こんな時間になるなら休んじゃえば良かったのに。っと、先生来ちゃった、じゃ」
先生が入ってきて香織ちゃんが席に戻っていく。
授業が始まるが、隆とどうやって話そうかということばかり考えていて集中できない。
そんな事ばかり考えていたら、すぐに放課後になってしまった。

音楽室へ行かなくては…

①少し早いけどに行く
②時間ぎりぎりに行く
③やっぱり行かない

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①少し早いけどに行く

少し早いけど、音楽室へ行こう。
私は鞄に荷物を入れると、足を引きづりながら音楽室へ向かった。

(つ、疲れた……)
壁を這うようして、ようやく音楽室の前までたどり着くことが出来た。
深呼吸をして、乱れた息を整える。
(まだ少し早いけど、待っていればいいよね)

そう思いながら音楽室の扉に手を掛けた瞬間、二つの人影に気付いた。

隆と水野先生?

ほとんど後ろを向いていて、隆の顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
扉越しの私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。

この光景――
めまいで視界が歪む。
夢がフラッシュバックする。

わたしは思わず……
①逃げ出した
②その場にへたり込む
③鞄を落としてしまう
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