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①逃げ出した

きびすを返し足を引きずりながら音楽室を離れる。
怒りと悲しみと絶望とぐるぐると胸の奥で感情が渦巻く。
(どうして?)
それだけが頭の中でぐるぐると回っている。
頬を涙が伝うがそれをぬぐおうとすら思わなかった。
早くここから離れたい、そう思うのに思うように足が動かない。
数歩あるいて思わずよろける。
転びそうになった私の腕を誰かが掴んで支えてくれる。
あわてて振り替えるとそこには…

1、春樹
2、一郎
3、近藤先生

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2、一郎

そこには、私を支えてくれいてる一郎くんの姿があった。
「一郎……くん……」
「泣いているのか。可哀想に……」
ポケットからハンカチを取り出すと、一郎君は私に差し出してくれた。

いろんな感情が渦巻いていて、ただ涙がこぼれる。
隆の事を信じていたかったのに、決定的な光景を見てしまった。
どうしてこうなっていまったの? なにもかもわからない……。
信じたくない、認めたくない。
だけど……もしこれが本当の出来事なら、もう隆とは笑い合えない。
付き合い続けることなんて……絶対にできない。

差し出されたハンカチを握り締め、目を覆う。
石を飲み込んでしまったように、喉の奥が鈍く痛み続けている。
嗚咽でうまく息が出来ない。
まぶたが熱く火照って、重い。

「こんな所で盛大に泣いていると……他の生徒に見られてしまう。
ここから近い屋上に行こう」

そう言うと、一郎くんは私を支えながら歩き出す。
私は……
①一郎に支えられるまま屋上に向かった。
②不安を感じて、咄嗟に一郎から体を離した。
③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。

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③もう一度確認するために、音楽室へ戻った。

「っ…ごめん、ちょっとだけ…」
しゃっくりあげながら、やんわりと一郎君から離れる。
(今言わないと…、今……)
何を言いたいのか分からなかった。
けれど、言わなければ、という思いがわきあがる。
音楽室へもどり、扉を開ける。
「……!あい、なっ」
隆の驚いたような顔。
「あら、大堂さん」
そして水野先生の妖艶な微笑み。
「何を…ッ…驚いて、るの?隆、私と約束……してたでしょ?」
うまく言葉が出てこない。
「……そう、だな」
隆の声が低くなる。
(言わなければ…)
何が言いたいのか分からないまま言葉が滑り出す

1、「隆、さようなら」
2、「水野先生何をさがしているの?」
3、「隆は何がしたいの?」

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3、「隆は何がしたいの?」

私は嗚咽をこらえながら、言った。
水野先生といるところを私に見せ付けて、どうしようっていうの?

「それは……」
隆は言いよどんで、うつむいてしまう。
「水野先生と仲良くして、なにやっているのよ!!」
もう嫌だ。何もかも。

「大堂さん。湯野宮くんと私が男女の関係と誤解しているようだけど……それは勘違いよ」
いきなり、口を開いたのは水野先生だった。
水野先生はすべて知っているような口調で話を続けた。
「湯野宮くんと私が口付けしている所を偶然あなたが見かけてしまったと、湯野宮くんから聞いたわ。
でも、それは誤解なの。少しだけ冷静になって、私たちの話を聞いてちょうだい」
こんな状況でも、水野先生は大人の笑みを絶やさない。

「そ、そうなんだ! あれは……かこ……」
隆はそう言って、水野先生を見る。
「湯野宮くんが言いたいのは過呼吸。過呼吸状態になったの私を口を塞いで救ってくれたのよ」

かこきゅう……って、何?
でも、言い訳なんてもう聞きたくない気もする。
私は……

①もう少しだけ、水野先生と隆の話を聞く。
②隆に別れを告げる。
③隆と二人で話がしたいと言う。

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②隆に別れを告げる。

「そう、でも、もういい!!」
私は叫んでいた。
「隆、私言ったわよね?もし水野先生とまた何かあったら、隆のこと信じられないって!!」
涙がとまらない。
「前のことは許してたのに!なのに、今のはなに!?」
「……そ、れは」
「もう、信じない!隆のことなんて信じないっ。さようなら!」
「愛菜!」
隆が叫んで、私に近づいてくる。
私は隆をにらんだまま、後ろに下がる。
と、何かにぶつかった。
「湯野宮、君はそんなに大堂を傷つけたいのか?」
一郎君だった。ずっと廊下にいたんだろう、怒りを含んだ声で隆に言う。
「俺は……」
隆が何かを言いかけ、それから口をつぐむ。
「大堂、行こう」
私は一郎君に促されるまま音楽室を離れる。
一郎君は屋上に向かっているみたいだった。
涙はとまりそうに無い。けれど妙に頭が冴えている。
(そうだ、水野先生、水野先生が何かを探していることから始まったんだ)
そして、一郎君と修二君に接触した。
一郎君は何をしたくて水野先生を利用したのだろう?

①「一郎君は何がしたいの?」
②「水野先生は何を探しているの?」
③「なんで隆に水野先生をけしかけたの?」

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①「一郎君は何がしたいの?」

屋上へと続く階段の途中で立ち止まって、私は問いかける。
「……?
大堂が何を言っているのか、よくわからないな」
同じように立ち止まり、不思議そうに聞き返してくる一郎君。

そのまま……短いような、長いような沈黙が訪れる。

数日前の私なら、ありのままの一郎君を信じていただろう。
一郎君は何も知らなくて、ただ隆に怒りを感じながらも私を慰めようとしてくれているだけなんだって。

だから、一郎君にはこの質問は理解できないもので、私のしていることは無意味なんだって。
そう思っただろう。

……でも、今は。
ほんの一部だけだけど……知ってしまったことがある、今は。

私は思っていることを言葉にするために、口を開いた。

①「私が何も知らないって、思ってるの?」
②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
③「私だって無関係じゃないんでしょ?お願いだから話して」

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②「私、一郎君がわからない……信じられないよ」

涙が止まらない。
私は何を信じれば良いのだろう。
「そう、か、修二か。修二が話してしまったんだな……」
ため息をつきながら一郎君がふとつぶやく。
ふっと一郎君の表情が変わる。
どこか硬く線を引いたような表情が消えた。
「すまない、大堂。君を泣かせることになってしまった」
苦しそうに一郎君が私に手を伸ばす。
とまらない涙をぬぐってくれる。
「守りたかっただけなのにな……」
言葉にかすかな後悔。
「行こう」
涙をぬぐっていた手を離し、そっと手を差し出す。
どこへ?屋上?私は…

1、ついて行く
2、どこへ行くのかたずねる
3、家に帰る

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1、ついて行く

私は頷いてその手をとった。
一郎君が微笑む。
そうして笑うと修二君とそっくりになった。
同じ顔なのに絶対に見間違うことがなかったのは、やっぱり雰囲気がぜんぜん違うからなんだな、とぼんやりと思う。
「足は大丈夫か?」
「うん…」
一郎君と私の間にさっきまであった見えない壁みたいなものが消えている。
一郎君がそれを消してくれたのだと分かる。
今の一郎君なら信じられる、そんな気がした。
私たちはそのまま屋上への階段を上る。
屋上の扉の前までたどり着いたとき、向こう側から誰かが扉を開けた。
それは…

1.修二くん
2.御門くん
3.春樹

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3.春樹

「姉さん探したよ。鞄はないのに靴は残ってるしさ…」
私の姿を見てホッとしたように息をついたのもつかの間、春樹はすぐに怖い顔になる。

「お前!姉さんに何をしたんだっ!?」
そういいながら私をかばうように一郎君との間に割ってはいる。
今にも殴りかかりそうな勢いだ。

「春樹?」
春樹の行動の不可解さにあっけにとられたが、すぐに私が泣いているからだと気付く。

「春樹違う!一郎君のせいで泣いてるんじゃないからっ」
「…いや、俺にも原因はある。責められても仕方がない」
「……どういうことだよ。昨日の修二先輩との話にも関係あるのか?」
私の制止と、一郎君の言葉に眉をしかめて春樹が問う。

「修二がどんな話をしたのかは分からないが、おそらく関係あるだろう」
「また、力がどうとかいうのか!?そんな話信じられるとでも?」
「信じる信じないの問題ではない。一部の人間にとっては現実だ」
静かに一郎君が言う。
その静けさに春樹が口をつぐむ。

「大堂、君にもそろそろ分かっているのではないか?」
一郎君が私を見る。
私は…

1「わからない」
2「夢の事?でも…」
3「そんな力はない」

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3「そんな力はない」

「そんな力、私には……」
一瞬、夢のことかとも思った。
だけど……あれは内容もよく覚えていない、その瞬間になって初めて認識するような―――普通の夢とほとんど変わりがないものだ。

「それは、本当か?本当にそう思って、そう言っているのか」
射抜くような視線。
一郎君は私の”何か”を探るかのようにじっと見つめてくる。

そこには、先ほどまでの柔らかな雰囲気はなくなっていた。
いつもの……硬い壁のようなものを感じる。
(……どうして?)

「わ、私は……」
一郎君への安心感が……この人なら信頼できるという自分の思いが急速に揺らく。薄らいでゆく。
私は一郎君の視線から逃れるように、ただ俯くしかなかった。

「もう、やめてください」
私の声をさえぎるかのような、その言葉。
そっと顔を上げる。
春樹が半ば睨み付けるようにして、一郎君をじっと見据えていた。

「力とか、現実とか、関係者とか……仄めかすだけで、ろくに真実を告げようともしない。
姉さんを不安にさせて、あなた達はそんなに楽しいんですか?」
強い、責めるような口調のまま春樹は続ける。
一郎君は、何を言い返すわけでもなくただ冷静にその言葉を受け止めていた。

「確かにあなたたちが何をしようが何を探そうが、おそらく俺には関係ないことなんでしょう。
だけど、何も知らない姉さんを……勝手に巻き込んで、傷つけるのはやめてください」
「春樹……」
春樹は一度だけこちらを振り返って―――わずかに苦笑いのような微笑を浮かべた。
そして再び一郎君へと向かい合う。

「もし、あなたたちの勝手な都合で姉さんに何かしようというのなら……傷つけようというのなら、俺はあなたたちを決して許さない」
最後に、はっきりとそう告げた。

誰も何も言わない。
ただただ沈黙が訪れる。

やがて、沈黙を破ったのは一郎君だった。
「……帰るよ。弟さんがいれば大丈夫だろうからね」
春樹から視線をそらすと、大きく息をついた。
それから階段のほうへと歩いていく。

「すまなかったな、大堂……」
すれ違いざまに、一郎君が私に囁いた。
「一郎くっ」
思わず振り返り、その名前を呼ぶ。
しかし引き止める私の声にも足を止めずに、彼は階段を下りていく。

1.一郎君を追いかける
2.春樹と一緒に帰る
3.今は一人にしておいてほしいと言う
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