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3.3人で一緒に帰る

さっき修二くんが言った言葉は気になるけれど……。
仮に修二くんの言葉が本当であったとしても、今いきなり態度を変えたりしたら怪しまれてしまうかもしれない。
……それに、何より私の中にまだ隆を信じたいって気持ちがある。

だからと言って、完全に信じられるかといえば……酷い話だけど、そういうわけじゃない。
今はまだ、何もわからなすぎる。

私は今だ握り締めたままの春樹の制服をじっと見つめる。

「……」
何かに気がついたのか……春樹はこちらに視線を向けた。
そして僅かに頷く。

(ごめんね、頼りないお姉ちゃんで……)
都合のいいときにだけ春樹を頼ってしまう自分を恨めしく思う。
内心で春樹に謝りながら、私はそっと頷き返した。

「じゃ、じゃあ、3人で帰ろうよ。ね?」
顔を上げて私はそういった。

「あ、ああ」
「わかった」
私の言葉に二人はそれぞれ了承してくれた。
……隆は戸惑うように、春樹はその言葉がわかっていたかのように。


そうして、帰ることにはなったものの。

「「「………………」」」

保健室を出てからというもの、誰も一言も話さない。

なんとなく、隆に支えてもらうのも、春樹に支えてもらうのも悪い気がしてしまって、私は自分で歩いていた。
とはいえ、歩みはまさに亀のような速度。

二人が気を使ってくれるのはわかるんだけど……だからこそ、余計に沈黙が辛く長く感じる。

①隆に話しかける
②春樹に話しかける
③何もいえなくてなんとなくあたりの景色に目をやる

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①隆に話しかける

なんとなく沈黙に耐え切れなくなって、隆に話しかける。何も話さないのは不自然だ。
「そういえば、隆」
「ん?なんだ?」
「どこで私が怪我したって聞いてきたの?」
とりあえず、当たり障りのない話題を振る。
(香織ちゃんか、クラスの誰かだとはおもうけど……)
半ば答えの分かっている質問だった。
「どこって……………クラスのヤツだよ。迎えに行ったら居ないしさ」
(まぁ、そうだよね)
予想通りの言葉が返ってくる。
「……にしては、遅かったですね、隆さん」
唐突に春樹が言う。言葉にわずかな棘がある。
「え?」
春樹の言うことが分からず、私は春樹を見る。
「迎えに行ったって、もう下校時間ギリギリですよ?」
(あっ!)
私は反射的に隆を見る。
そう、遅すぎだ。
私を迎えにきてクラスの誰かに私の怪我のことを聞いたとしたら、保健室に来るのはもっと前。そうでなければおかしい。
私は委員会がない限り、すぐに帰宅するのが普通なのだから、わざわざ下校時間近くになって迎えに行くなんて、おかしい。
幼馴染の隆がそれを知らないわけはない。
「それは……」
隆が言いよどむ。
疑問が頭の中で渦巻く。足から発生した熱が、全身に回ってボーっとする。
「姉さん大丈夫?熱あがってるんじゃない?タクシー拾おうか?」
見かねた春樹が、私を支える。

1、タクシーを拾って帰る
2、このまま歩いて帰る
3、少しどこかで休んでいく

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1、タクシーを拾って帰る

頭のなかがぐるぐるする。本格的に熱が上がってきたみたいだ。
疑問だけどんどん湧いてきて、答えが全然でてこない。
「ごめん、春樹……おねがい」
一人で歩いているのもつらくなっていた。そのまま春樹にすがる。
「愛菜…」
「隆さんすみません、このまま帰りますのでここで」
隆が何かを言いかけたが、ちょうど来たタクシーをとめた春樹が言葉をさえぎった。
「姉さん大丈夫?」
「うん、ごめん……」
ぼんやりする意識で、春樹に謝る。私は本当に春樹に頼りっぱなしだ。
タクシーに乗り、春樹が行き先を告げる。
「姉さん、つらかったら俺によりかかってていいから」
「うん……」
別れ際隆を見ることができなかった。声をかけることもできなかった。
(信じたいのに……)
ぼんやりとしたまま、家に帰り着き、春樹に助けられながら部屋へとたどり着く。
そのまま、着替えてベッドに倒れこんだ。
いろいろなことがありすぎて、すぐには眠れそうにない。
今日は休んだほうがいいのはわかっているけれど…

1.自分で今日聞いたことを整理する。
2.春樹を呼んで一緒に考える。
3.無理をしてでも寝る。

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3.無理をしてでも寝る。

本当はたくさん考えたいこと……考えなきゃいけないことはあった。
だけど、その「考えなきゃいけないこと」は次々と浮かんでは消えていく。
ぼんやりとして、何一つまとまってはくれない。

「私、どうしたらいいのかな……?
これから、どうなるのかな……?」
ふと、不安になって呟く。

自分以外誰もいない部屋。
答えなんて、帰ってくるはずも無かった。

(とりあえず、無理してでも寝なきゃ……。
これ以上みんなに心配をかけたくないもの)
そう思った私は、布団を頭から被り目を閉じる。

やがて、だんだんと薄れていく意識の中で私は……

1、どこかから物音がするのを聞いた気がした。
2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。
3、今日一日のことを思い出していた。

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2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。

私は使えない予知夢をみることがある。
あまり覚えていないし、今朝みたいに夢の名残として感情だけが残ることの方が多い。
だけど、現実になって初めて、「これはどこかで見たことがある」と何度も感じることがあった。
デジャビュっていうんだっけ……こういうの。

いい夢だといいな。
今朝みたいな悲しい気分にならない楽しい夢を見たい。
だけど、まったく思い通りにならないから本当に困る。
こんな使えない力なんて、いっそ無くなれば楽なのに。

こんなチカラ――

そういえば、修二君が私に耳打ちした時、「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている」って言っていた。
もしかして、私の力ってこの予知夢の事なのかな?

まさかね。よく覚えてもいない私の予知夢じゃ、馬券の一つだって当てることは出来ない。
それに、修二君が本当の事を言っているとは限らないのだ。

本格的に意識が薄れていく……
そこで見た夢は

1.私と隆がキスをしている夢
2..私と修二がキスをしている夢
3..私と春樹がキスをしている夢

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2..私と修二がキスをしている夢

気がつくと目の前に修二くんの顔。
驚いて目を見開く私。
キスをしている、と気づくまで一瞬の間があり……、気づいた時には修二くんは離れていった。
修二が何かを言う。
けれどその声は私には聞こえない。
(何?何をいってるの?)
聞き取ろうと意識を凝らす。
「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」
やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。
修二くんは私に背を向けて歩いていってしまう。
追いかけようと思って………

「あ……」
目が覚めた。
ぼんやりと明るい部屋の中。
そろそろ起きないといけない。
何か夢を見た気がする、少し胸が痛い。
「なんだったんだろう……?」
体を起こし、とりあえず着替えようと床に足をつけ……
「いったぁ……そういえば、捻挫してたんだ……」
熱は下がっているが、これでは歩くのも一苦労だ。
どうしよう…?

①学校を休む
②病院へ行ってから学校へ行く
③学校へ直行する

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②病院へ行ってから学校へ行く

熱も下がっているし、一応病院へ行ってから学校へ行こうと決める。
(そろそろ学園祭だし、休んでられないもんね)
色々気になることは多くて不安だけれど、放送委員としての準備とクラスでの出し物の準備もある。
この先学園祭に向けてどんどん忙しくなるんだ。
制服に着替え終わると同時にノックの音。
「姉さん起きてる?」
「春樹?起きてるよ」
「入るよ」
「うん」
春樹は私が制服に着替えていることに驚いたようだ。
「姉さん、今日は休んだほうがよくない?」
心配そうに足を見る。
「大丈夫だよ。それに学園祭も近くて準備も忙しくなるしね。大丈夫、ちゃんと病院にいってから学校行くから」
「そう…それなら……。ところで姉さんのクラスは学園祭なにするの?」

1、喫茶店
2、お化け屋敷
3、町の歴史展

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2、お化け屋敷

「お化け屋敷だよ」
私が答えると、春樹が悪戯っぽく笑った。
「……ふーん。姉さん、大丈夫なの?結構怖がりじゃなかったっけ?」
「大丈夫だよ!私、お客さんじゃないんだから!」
からかうようなその言葉に、ちょっとムッとしながら言い返す。
すると、なぜか春樹はやさしく笑った。
「ごめんごめん。
……じゃあ、下で朝食の用意してくるから。準備できたら下りてきて」
それだけ言って部屋を出て行った。

「もう……」
春樹が出て行った後、大きくため息をついた。
呆れたような言葉とは裏腹に、私はなんだか明るい気持ちになれていた。
(どうしてかな……)
知らなかった。
何気ないやり取りで、こんなにも救われるなんて。
「ありがとう、春樹……」
一人呟く。
聞こえないとはわかっていたけれど、言わずにはいられなかった。

階段を下りてリビングへ行くと、春樹はもう座って待っていた。
「ああ、来た。歩くの辛いかなって思って、タクシー呼んでおいたから。
来るまでに朝食済ませよう。さ、座って」
春樹に促されて、席に着く。
朝食はトースト、ハムエッグ、サラダ。それとスープ。

「「いただきます」」
二人で挨拶をしてから、朝食に手をつけようとして―――
(……そうだ、春樹に話したいことがあったんだっけ)
不意に、そんなことを思い出す。

「……あのね、春樹」
手を止めて春樹に話しかける。
「ん?何、姉さん?」
春樹も食事の手を止めて、こちらを見た。

①「隆のことなんだけど……」
②「昨日も予知夢を見たよ」
③「御門君って男の子、知ってる?」

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③「御門君って男の子、知ってる?」

「御門?うーん……」
私に言われて、春樹が考えるようなしぐさをする。
「……ごめん、俺は知らないな。
1年のヤツ?」
考えこんだ様子のまま、申し訳なさそうに春樹が言ってきた。
そして逆に問われる。
「うん、たぶん……」
そう答えたものの、彼が1年生なのかはわからない。
ただ、1年生の教室の近くであったからそうなのかと思っただけ。
(お礼言いたかったし、気になることもあったから、会いたかったんだけど……。
御門君のこと、全然わからないや……)
素性も、保健室の外からのあの行動も。
御門君についてもまた、謎が多かった。
(なんて、1回……2回かな?会っただけだし、当然か)
「何?何かあったの?」
春樹が訝しげに聞いてくる。
昨日のこともあるから、余計に心配しているのかもしれない。
私は……

①素直に話す
②ごまかす
③話をそらす

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②ごまかす

とりあえず保健室へ運んでもらったことだけ話し、校庭で見たことは伏せた。
「そう……俺が知らないだけかもしれない。他のやつに聞いてみるよ」
春樹はそういいながら、まだ自分の記憶を探っているみたいだった。

ぴんぽーん

そこでチャイムが鳴る。
「あ、タクシーがきたのかな?姉さん準備して、ちょっと待っててもらうように言ってくるから」
「わかった」
春樹が玄関へ向かう。
私もなるべく急いでかばんを取りに行き、玄関へ向かう。
「ですから、姉さんは病院に……」
玄関へ行くと春樹の硬い声が聞こえた。
「春樹?どうしたの?」
「あ、愛菜!」
「……隆」
(そうだ、一応付き合ってるんだし、昨日も来たんだから、今日だって迎えに来て当然よね…)
「あ、あの、よ、足、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。一応これから病院にいくし…」
「それじゃ、俺がついていくよ」
「え!?」
突然の隆の申し出に驚く。
「隆さんが付き添うのはおかしいですよ。家族でもないんですから病院の人が変に思います。
 付き添いが必要なら俺が付き添いますから大丈夫です」
すかさず春樹が口を挟む。

プップッー

ちょうどそこでタクシーが到着した。
どうしよう…

1、隆につきそってもらう
2、春樹につきそってもらう
3、一人で行く

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