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2.ぼーっと窓の外を眺める

私は窓際のベッドに腰掛けたままなんとなく外を眺めた。
校庭では体育の授業が行われている。
どれくらいボーっとしていたのか、ふと時計を見るともうそろそろ授業が終わる時間だった。
「あ、もうこんな時間だ、…先生帰ってこないな」
そのとき、ふと視線を感じて、窓の外を見る。
校庭の隅、少しはなれたところから、私を見ている人がいる。
それは…

1.隆
2.御門くん
3.水野先生

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2.御門くん

さっき、保健室までつれてきてくれた男の子だった。
(確か、御門くんっていったっけ……)
その男の子……御門君は、制服姿のままそこに佇んでいる。

私が見ていることに気がついていないのか。
それとも……気がついていて、なおそうしているのか。
御門くんは私を見つめ続けていた。

1.窓を開けて声をかける
2.見つめ返す
3.視線をさえぎるようにカーテンを閉める

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2.見つめ返す

まだチャイムも鳴っていないのに御門君は校庭でなにをやっているんだろう?
体育の授業の見学にしては不自然だし、かといって参加するわけでもない。
サボるにしたって、目立ちすぎるし。まじめそうな外見で実は問題児だったりして……。
そんな他愛のないことを考えていると、ふと御門君と目が合った。
ジッと私に見つめられていることに気付いたのか、無愛想にきびすを返すと、御門君はその場から去ってしまった。

あ……そういえば御門君にお礼言ってないな。
一年生だったら、春樹が知っているかもしれない。帰ったら訊いてみようかな。
そんな事を考えながら、傍らの本をぺらぺらとめくっ

授業の終わりを告げるチャイムと同時に、ガラッとドアが開いた。

「ちょっと! 大怪我したって大丈夫なの?」
「香織……ちゃん」
私を見るなり飛びつくようにして、突然、香織ちゃんが近づいてきた。
「足首ひねったって、ちゃんと歩けるの?」
「うん……た、たぶん」
「熱もあるっていうじゃない。私が送ってってあげるわよ」
「大丈夫……平気」
「もう……本当に心配したのよ」
そう言いながらも、少し安心したのか香織ちゃんの顔に笑顔が戻っていた。

「ありがとう、香織ちゃん。でも本当にたいした事でもないから安心して。ホームルームまでにはちゃんと戻るから」
「ダメよ。先生から帰宅の許可も下りているんだから、愛菜は大人しく帰りなさい。わかった?」

放課後には修二君との約束があるけど、どうしよう?
1.素直に帰宅する
2.保健室に残る
3.教室に戻る

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2.保健室に残る

香織ちゃんの気遣いはうれしいけれど、修二くんとの約束がある。
でも、香織ちゃんを心配させるのも心苦しいので、保健室で休んでいることにする。
「ありがとう、でももう少し休んでるね」
香織ちゃんはちょっと頬を膨らませると、ため息をついた。
「仕方ないわね。次の授業終わったら鞄持ってきてあげるから、おとなしくしてるのよ?」
「わかってるって」
何度も念を押しながら香織ちゃんが出て行く。
次の授業のチャイムが鳴った。保健室の先生はまだ戻ってこない。
私はベッドに横になった。

…いつの間にか眠っていたらしい。
ふと、額にひんやりしたものが触れて目が覚めた。
「あ、姉さん、起きた?」
目を開けると、春樹がいた。
「あれ?春樹?」
「足は大丈夫?さっきまで長谷川先輩が居たんだけど、姉さん寝てたから鞄置いていったよ」
「香織ちゃん来てたんだ…、起こしてくれればよかったのに」
私は時計を見て、あわてて飛び起きる。
修二君との約束の時間が過ぎている。
「姉さん?どうしたの?」
急に起き上がった私にびっくりした春樹が私を押しとどめようとする。
「…いったぁ……」
床に足をつけたとたん、痛みが走った。
「急に動くからだよ、仕方ないなあ姉さんは」
あきれたように春樹が言う。
どうしよう…

①春樹に屋上へ連れて行ってもらう。
②春樹に修二君を連れてきてもらう。
③がんばって一人で屋上へ行く。

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②春樹に修二君を連れてきてもらう。

「あのね、放課後に修二君と会う約束してたの」
「修二先輩と?」
訝しげに問われた。
「そう。時間すぎちゃったから、今も待ち合わせの屋上で待っているはずだから会いにいかないと…いたっ」
足をベットからおろしたらまたしても痛みが走った。
「そんな足で何やってんだよ。あーもう、先輩をこっちに連れてくるから、姉さんはおとなしくしてて」
そういいおいて保健室を出ていった。
ほっとしたが、よく考えると春樹と一緒だと修二に話しが聞けないのではないだろうか?
(だけど、この足だと寄り道なんて春樹が許さないだろうな)
春樹のこと、どうしよう…

①修二君に判断してもらおう。
②私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。
③今日は事情を話して家に帰る

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②私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。

私だけでは煮詰まってしまいそうだし、春樹は信頼できる。
修二君にお願いして、一緒に話を聞いてもらえるようにしようと思ったとき。
廊下を走る音が近づいてきた。
「愛菜ちゃん!怪我したってほんと?」
息を切らせて保健室に入ってきたのは修二君。
その少しあとに、春樹がこちらも息を切らせて入ってくる。
「修二先輩、さすが、足、はや……」
「二人とも、どうしたの…?」
「俺も何がなんだか…、姉さんが怪我をして保健室にって言ったら、血相変えて走って行って…」
「誰かにやられたの!?」
私の言葉も春樹の言葉も修二君の耳には届いていないみたいだった。
「ちがうって、私が不注意で春樹にぶつかっちゃったの、ね?」
最後は春樹に同意を求める。
「うん、姉さん廊下走ってたから…」
「な、なんだ、そうか」
ホッとしたように修二君は笑う。
「それで、話のことなんだけど、春樹も一緒に聞いてもいい?春樹は家族だし」
修二君に頼んでみると、修二君はじっと春樹を見つめた。
「……姉さん変なことに巻き込まれてるのか?」
それを見つめ返しながら、まじめな顔で春樹が問う。
「どうしてそう思う?」
「さっき、修二先輩が「誰かにやられたの?」って言ってたから」
それに、修二君は苦笑する。
「あー、俺としたことが、失態だわ。まあ、いいや君は信用できそうだし。で、何が聞きたい?」
聞きたいことは…

1、水野先生のこと
2、一郎君のこと
3、隆のこと

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2、水野先生のこと

水野先生とことが、やっぱり気になる。
一郎君と人目を盗んでコソコソと話し合ったり、修二君を誘惑してみたりする。
目的は何? そして、隆まで誘惑してどうしようっていうの?

「水野先生の事を教えて……」
語尾が震えてしまった。私、緊張してるんだ。
「水野か。水野の事を話す前に兄貴と水野の関係を話しておいたほうがいいか」
そういいながら、修二君はベッドのそばにあるパイプ椅子に腰掛けた。
「一郎先輩と水野先生? どういう事だよ、一体……」
春樹はまったく話が見えていないようだ。
無理もないか。春樹は何も知らないんだし。
「ああ……弟君はとりあえず適当に聞いといて」
修二君は片手をヒラヒラさせながら言った。
「……」
春樹は馬鹿されたと思ったのか、何も答えず、ムッとしている。
やっぱり、こういう仕草が軽薄にみえちゃうんだろうな。実は親切なところもあるのに、損してるよ。
だけど、一郎君と水野先生の関係って……何だろう。

「昼休みに兄貴と水野が二人きりでいる所を放送部で見かけたって言ってたよな?
愛菜ちゃんは、 二人の様子について……どう感じた?」

えっと……
①恋人同士のように親しくみえた
②一郎君が先生を利用しているようにみえた
③先生が一郎君を利用しているようにみえた

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②一郎君が先生を利用しているようにみえた

どちらかというと、一郎君が水野先生をけしかけてる、利用してるみたいだった。
見た感じはそうだった。でもすぐにその場を離れてしまったので自信はない。
「うん、それアタリ。「兄貴は、水野を利用してる。でも、水野は兄貴から聞き出したいことがある」
修二君はそこで言葉を切って、じっと私を見つめた。
「いってみれば、水野と兄貴は化かしあいをしてるんだ。今は、ね」
少しの間をおいて、言葉を続ける。
「そして、それは俺も同じ。水野は俺からも聞きだしたいことがある」
修二君は私と春樹を順番に見ていった。
「兄貴はそれをネタに水野を利用して、俺は水野を拒絶した」
小さく笑って、修二君はまたじっと私を見る。
「水野は探し物をしている。とても、とても見つけにくいものだ」
「その情報を、一郎先輩と、修二先輩がもっているということですか?」
それまで、黙って聞いていた春樹が口を挟む。
「ん~、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?」
修二君はしっくり来る言葉を捜すように視線をさまよわせる。
「さて、そろそろ下校の時間だ、最後に聴きたいことはある?」
時計を見て、修二君が言った。時間的に今日聞けるのは後一つだけだ。

1、「水野先生が探しているものは何?」
2、「一郎君の目的はなに?」
3、「修二君はどうしてそれを私に教えてくれるの?」

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1、「水野先生が探しているものは何?」

私は最後の質問を修二君にぶつけた。
水野先生が探しているものは、とても見つけにくいもの――
それを知る手がかりを一郎君と修二君が握っている――
水野先生の探しているものを知れば、水野先生と隆の事も分かるかもしれない。

「水野の探しているものは、ごく一部の人にしかないものだ。それは水野を含む普通の人には見えない。
だけど……兄貴と俺は分かる。それが俺たち双子の力だから」
力って、何? もう、わけが分からないよ。
「じゃあ、水野先生は一郎君と修二君を利用して、それを探そうとしているって事?」
「まぁ、そんなに上手くいかないから、逆に、兄貴に利用されてるんだけどな」
そういいながら、薄い笑みを浮かべた。
とても優しくて、冷たい表情。
その顔が一郎君とダブって見えて、やっぱり双子なんだと思い知らされる。
「さて、そろそろ時間だ」
そう言って、修二君はパイプ椅子からゆっくり立ち上がった。
「ちょっと、待て!  そんな話じゃ、姉さんが巻き込まれている理由にはならないだろっ」
そう言って、春樹は修二君の前に立ち塞がった。
「春樹……」
修二君はやれやれといった表情の後、ため息を吐くように漏らした。
「愛菜ちゃんも部外者じゃないって事くらい、気付けよ……」
そして、修二君は春樹を睨みつけると、私だけに何か耳打ちをして、保健室を去っていった。

今、修二君は私に何って言っていたのかな……
①「湯野宮隆の力が利用されようとしている。気をつけろ」
②「湯野宮隆は水野の手駒だ。気をつけろ」
③「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」

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③「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」

(隆が私をねらっている?)
不意に耳打ちされた言葉に、呆然とする。
隆は幼馴染だ。小さいときから知っている。
でもそんなそぶりは一切ない。
でも、修二君がウソをついているようにも見えない。
修二君の言葉をすべて信じるとしたら……。
(私、もしかしてすごく大変なことをしたのかも…?)
修二君の言葉をすべて正しいものだとするなら、私は隆に一郎君と水野先生のつながりを話してしまった。
でも、修二君が私にウソをついている可能性もある。
「……姉さん」
呼ばれてハッと顔を上げる。心配そうな春樹。
「あ、ご、ごめん…。ちょっと考え事してた」
「うん……帰ろう、姉さん」
そう言って春樹が私を支えてくれる。
保健室を出ると、向こうから隆が走ってきた。
「愛菜!怪我をしたって!?」
私は思わず、春樹の制服をぎゅっと掴む。
「姉さん?」
一瞬不思議そうな顔をした春樹は、次の瞬間何かに気づいたように険しい顔になる。
「愛菜、送っていくよ」
隆が言う。どうしよう

1.隆に送ってもらう
2.春樹に送ってもらう
3.3人で一緒に帰る

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