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涼宮ハルヒの経営Ⅱ城で上演

最終更新:

hiroki2008

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城で上演


最後の上演を村でやるはずだったが城に変更された元の文章



 十月に入ってようやく一息入れたと思ったらまたとんでもないことを言い始める奴がいた。
「あの、涼宮さん。わたしたちがやっていたお芝居、あれもう一度やりません?」
「みっくるちゃん、あなたも段々分かってきたじゃないの。あたしも今回の旅の最後を飾る何かが足りないと思っていたところよ」
言い出しっぺがいつもの超監督じゃなくて朝比奈さんだというから、どういう事態かは賢明なる読者はおおよそ察しがつくだろう。
「脚本もさることながら、わたしたちの演技もかなりクオリティ高いと思うの」
“脚本もさることながら”という部分でチラと長門を見ているのは、おだててるのか。ハルヒを焚きつけるどころか長門を拐かすとは、なにをさせたいんだ朝比奈さんは。長門もカーテン越しの日差しの中できれいに微笑んでんじゃない。
「ま、またやるんですか」
俺がため息まじりに困った顔をしてみせると、
「あら、キョンくんが嫌なら客席で見ててもいいわ。どなたかにお願いすればいいし」
つまりだ、キョンくん、あんたの代わりはいくらでもいるわよフフンと言っているのか。
「別にキョンがいなくても楽団を呼べばいいわよ。我がSOS一座ヨーロッパ興行のグランドフィナーレよ!」
つまり俺の音楽担当はお払い箱かよトホホ。
 まあ俺だけボイコットするわけにもいかんので端役くらいはやってやるとして、マナーハウスに上演の告知に行ったり、屋台収入の五パーセントをショバ代として頂く契約を交わした。マナーハウスの広場に野外ステージを設営してそこで上演することにした。こないだ建てたばかりの多目的ホールは小麦の脱穀に使っているので籾殻にまみれてて残念ながら使えない。
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