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涼宮ハルヒの経営Ⅱ伯爵との再会

最終更新:

hiroki2008

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伯爵との再会


ジャンがみくるを探しに治療院に入ってくる設定になったのでカットされた部分 外で炊き出しをやっている



 ところで朝比奈さんはというと、こんなに大量の負傷兵を見たのははじめてだったようでかなりのストレスを感じているようだ。ときどき立ちくらみと貧血の症状を発しながら鶴屋さんの背中に持たれていた。
「大丈夫ですか朝比奈さん」
「ありがとう、大丈夫よ。わたし……考えが甘かったわ。戦場の兵隊さんがこんなに血まみれになるなんて、平和に暮らしてる未来じゃ考えられないもの」
ええまあ、俺も少し吐き気を催しつつやっていますが。

「ミクルー、こっちはいいからちょっと休んできなよ」
「朝比奈さんなにも食べてないでしょう。イングランド軍が食料の配給をしてるらしいんで一緒に行きませんか」
「え、そう。じゃあお言葉に甘えて」
朝比奈さんに少し外の空気を吸わせたほうがいいだろうと促《うなが》して部屋の外に出た。廊下で負傷兵に混じってグースカ寝ているやつがいたのでそいつのケツを蹴った。
「おいハルヒ、寝てるんだったら飯の確保を手伝え」
「あー、ごはんー、みくるちゃーん、食べるー」
半分目を閉じたままのハルヒが剣の鞘を引きずりながら後をついてくる。みっともないからヨダレを拭きなさい。

 城の前の広場で兵士が炊き出しをやっていた。肉とジャガイモとオーツ麦を煮た雑炊みたいなスープだが、兵士と住民の入り乱れた長い行列ができている。戦闘のために町の生活インフラが完全に止まっちまってるから食料の調達もできないってことだ。まあ大船団のほとんどはそのための補給物資だったわけだが。
 小一時間ほど並んでからようやく木の皿にスープと固いパンを半切れほどもらって、空いているテーブルに腰掛けた。スプーンでスープをすくおうとして、その広場の向こうにいる人物と目があった。コツコツと硬いブーツの音を響かせてこっちに歩いてくる。
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