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古泉一樹の誤算 NG 四章

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hiroki2008

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四章



アラスカに行っちまった谷口の手紙:

── 前略、キョンへ。元気か。俺は今アラスカの大自然に抱かれて毎日鮭を獲って暮らしている。まだ朝倉は見つからないが、白熊とヒグマの見分け方は分かったぜ。

あのバカ、カナダとアラスカの違いも知らないのか。凍死しないうちに迎えに行く必要があるんだろうなぁ。



「あー、みんなちょっと静かに。急なことだが岡部先生は家庭の事情で実家に帰ることになった。後任の先生を紹介する」
教室がざわめいた。今度は岡部か!岡部がシベリア送りになっちまったのか!谷口か国木田あたりだと思ってたのに、いやぁフェイントだったな、はっはっは。などとツッコミどころを間違えそうな雰囲気である。それを聞いてすっかり元気を取り戻した涼宮ハルヒが目を輝かせていた。
「はわあぁ、これは事件だわ。ねえねえ、……って古泉いねーし(ぐすん」



お察しのとおり、新川です。

「皆様!待ちに待った夏休みです、わたくしどもは太平洋の無人島へ参りますぞ。文芸部の夏季合宿はサバイバル訓練にございます!」
「あの、新川先生。文芸とサバイバルがどう関係あるんでしょうか」
「なにをおっしゃるキョンくん、人生これすべてサバイバルです。道を歩いていてブービートラップが仕掛けてあったらどうなさいますか」
いえ、日本の道端で穴掘って爆弾しかけるような輩はいないと思いますが。
「道に迷って水も食料もなかったらいかようにして生き延びますか」
そのへんのコンビニで補給すればいいんじゃ。
「せ、先生、わたしやります!」
「よい心がけです朝比奈さん。あなたを二階級特進して少佐に任じます」
ま、またそれですか。しかもいきなり少佐って二階級どころじゃないでしょう。
「この訓練を終えてSOS団が生還した暁には最強の部隊になっていること、まず間違いなしでございます」
「さっすがは新川先生ね、先任軍曹の腕章を進呈するわ」
「ありがとうございます将軍閣下、拝命いたします。そういうことだみんな!脱落者は許さんぞ」
ってことは俺は二等兵かよ。やれやれ、しごかれそうだぜ。


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