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古泉一樹の誤算 未公開シーン 四章

最終更新:

hiroki2008

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四 章

某ゲームの仮死薬のパクりでキョンが歴史から消えてしまうシーンを入れたかったのだが
どうも入れる場所とタイミングを失ってやめた
章の区切りに入れたらかなりインパクトあったかもしれない




「きゃ、やだキョンくん、それなに?」
朝比奈さんが真っ青な顔をして俺を見つめている。まるで駅前でゾンビにナンパされましたましたみたいな表情だ。
「どうかしましたか」
そう声に出して言ったのだがかすれてうまく音声として伝えられなかった。俺はなんだか体が重力から開放されてゼロGを味わっているような感覚に襲われた。
「キョンくんの手が消えてるわ!」
じっと手を見る。右手をかざしてみると皮膚の色がだんだん薄くなっていって半透明になっているというか、向こう側が透けて見えている。
「どうしたんですか、それはいったい」
古泉も青ざめている。同じように左手も消えてゆき、足元すらも少しずつ色が透けていっている。
 ずっと心配していたことが起こったようだ。この歴史上でハルヒから一歩離れることで存在が希薄になっちまった俺の運命がとうとう人類の歴史から抹消されつつある。俺が勝手にはじめちまった歴史改変で自分自身が消えちまうなんて、まったく笑えないジョークだが。

「キョンくん、待って、行かないで」
「長門さん、なんとかならないんですか」
長門が驚愕のまなざしで俺を見つめ、慌てて右手を上げて詠唱をはじめたが、とうとう間に合わなかった。



 どうやら俺は歴史から消えてしまったらしい……。

END



DNE

。……いしらたっましてえ消は俺らやうど



「あれ、あれれ?何があったんです?」
目を開けてみると朝比奈さんが目を真っ赤にして涙を浮かべている。
「心配したわ……。もう二度と戻ってこないかと思った」
「おかえりなさい、無事戻れてよかったですよ」
「……」
長門が俺の袖を握って離さない。
「何があったんだ?」
「……歴史改変の副作用であなた自身が消えた。涼宮ハルヒの意識の中でどうでもよい存在になってしまった」
ということは三人がハルヒによって生かされているのと同じ、俺もハルヒによって存在を許されてたってことになるのか。
「……断定はできないが、あなた自身というよりジョンスミスの存在かもしれない」
いやぁ、歴史から抹消されるってのは不思議な気分だ。死んだわけじゃなくて最初から存在しなかった、それだけのことなのに。


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