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涼宮ハルヒの経営Ⅱ分娩

最終更新:

hiroki2008

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分娩


NGシーン



「古泉、もう我慢ならん。俺が突入する」
「お、落ち着いてください、殿中ですよ」
ええい武士の情けだ引き止めるな、すがりつく古泉の腕をふり払おうとしたところドアがギィと開いて、
「紳士諸君、ごめんよー。キミらのこと忘れてたわけじゃなくて、今日は妊婦の栄養が優先だからねえ。ほんの少しだけどおすそ分けだよ」
「シスター、あ、ありがとうございまずっ」
感激の涙で寿司がよく見えないです。皿の上にはぽつんと……寿司が……三貫だけが鎮座しており、
「当然……ひとりいっこずつだよな」
「ここは公平に」
貴重なメニューとあっていつもは穏便な古泉も今回だけは引かない。伯爵はというと、生の魚が乗った白いツブツブのかたまりを凝視してこれはいったいなんだ本当に食べ物なのかという顔をしている。
「あのー、寿司初心者のマイロードにはエビをお勧めします」
「そういうものなのか」
子供の頃にいきなり青魚を口にしたときの違和感は今でも覚えていますから。寿司というのは玄人向けの大人の味です。
「あと、ワサビには若干のカルチャーショックを受けるかもしれません」
「なるほど。修道士殿、食べ方を教えてくれ」
「では、まず上に乗っているネタの部分を箸で摘んで、醤油に浸します。浸しすぎないように片側だけです。おもむろにシャリの上に戻して、全体を掴み、はぐ」
んーっ、ハバネロよ、これが日本の辛味というものだ。古泉と伯爵もマネをしてマグロとエビをそれぞれ醤油につけてシャリの上にのっけて頬張った。
「こっ、これはっ、かなりっうぐっ」
「口は閉じないほうがいいです。鼻に直撃しますから」
「なつかしいですねこのツンとくる味」
「あーこの不完全燃焼、いっこじゃぜんぜん足りんだろ。古泉、未来に帰ったらまず寿司を食うぞ」
「お任せください。機関には豊富な人材と豊富なネタを取り揃えてありますから」
新川さんのねじり鉢巻が似合いそうだな。いや森さんのメイド寿司ってのもありか。
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