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涼宮ハルヒの経営Ⅱ妹男爵騒動の後

最終更新:

hiroki2008

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妹男爵騒動の後


カットしたが、ハルヒにはバランスを取る潜在的な能力もある、という話はどこかでしていた気がする



「いえ、元はと言えば私が空回りしてみんなをふり回しただけだから」
俺は得意の流し目で、
「古泉の言い草じゃないですが、よかれと思ってしたことですよ」
「分かってるのよ。私が自分の倫理観を押し付けて壊してしまった縁談を、いいえ、壊してしまった既定事項をね。修復してくれようとしていたのは涼宮さんだってことを」
「知ってらしたんですか」
「ええ。二人とも知ってたの?」
俺はまあ、常にハルヒの行動を観察してきてるっていうか、たまに今までと違うようなことをしでかすと本能的に気がつくようになってるわけで。
「ええまあ。なんとなくですが」
「……知っていた」
ハルヒといえば世界を崩壊させたり、時間の流れをぶっ壊したり、時空に空手チョップで亀裂を入れたりと、どっちかというとあんまり建設的でない破壊神の代名詞みたいなところがあり、朝比奈さんにすれば意外だったのだろう。
「これも古泉の言い草で癪ですけど、ハルヒってやつは存外、バランスを取ろうとする力も備わっている、んだとか。もっぱら壊すほうに快感を覚えてるようで、あんまり当てにはなりませんがね」
「そうなのね。修復するのは未来人の、私達の役目だとばかり思っていたわ」
そこで長門が哲学的に意味深なことを言う。
「……壊すことと、創り出すことは等しい」
時間と空間が同じものだったり、個人と集合が同じものだったり、平行世界が単一世界だったり、偶然が必然だったり、俺には分からんが長門の住んでいる世界ではそういうものなのだろう。ハルヒの場合はただ気まぐれに元に戻してみたくなっただけ、な気もするがな。
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