その男、イッシー・ハッター


 海に囲まれた小さな島の一角で・・・
イッシー・ハッターは、つい先程のことを思い出していた。

 時は数分前に遡る・・・仮面の男の言葉に一人、また一人と消えていく参加者達。
その流れに逆らうようにして、イッシー・ハッターは立ち止まっていた。
つい先程、見覚えのある機体を見かけた気がしたが、
早々に出て行ってしまったのか、その場にはもう姿が無かった・・・
(なんと言う事だっ!殺し合い、だと!)
むろん、許すわけにはいかない。
ハッターは一人頷くと、参加者達が消えた場所へと歩を進めた。

 扉をくぐると、そこはどうやら格納庫のようだった。
…無数の機体が入るであろう、その場所には・・・今や機体が三つしか残っていなかった。

 何とは無しに見ていると、そのうちの一つには男が乗り込もうとしていた。
(あれは確か、俺の近くにいた男、だな)
その男―――ロイ・フォッカーは近くにいた仮面の男を一睨みすると、
銀色の機体で外に飛び出していった。
…彼と死んだ男の関係は、勿論、ハッターには解らなかった。
だが、その瞳からは仮面の男に対する憎しみや怒りなどが感じられた・・・

「さあ、お前で最後だ・・・お前への支給品だが・・・」
 仮面の男の声に、ハッターは無言で近寄る・・・
「そんな物は、いらん!」
「そうかね・・・では、出口はあちらだ」
 男はそう言うと、先程、銀色の機体が出て行った場所を指し示した。
ハッターは指示された場所へ近づいていき・・・
不意に、男にむかって振り返ると言った。
「ユーゼスとかいったな!お前は、この、イッシー・ハッターが、成敗するから、な!」
「フフフ・・・楽しみにさせてもらうか・・・」
 ユーゼスの笑い声を背中に受けて、ハッターは外へと飛び出した・・・

 そして、ハッターはここに降り立った・・・ゲームを止めるために。
「まずは、仲間を集めなければな!」

【イッシー・ハッター 搭乗機体:アファームド・ザ・ハッター
 パイロット状態:良好
 機体状況:良好
 現在位置:H-8
 第一行動方針:仲間を集める
 最終行動方針:ユーゼスを倒す】





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最終更新:2008年05月29日 03:28