No.08 高原鋼一郎さんからの依頼



寄せては返す波…
照りつける太陽…
光を受けて輝く海…
遥か遠くの水平線…
海と空がひとつになる…そんな最高のロケーション。
ここ小笠原にいい女とその取り巻きがやって来た。
…え?ちゃんと紹介しろ?
はいはい。では、改めまして。
ここ小笠原にいい女といい男がやって来た。
バ・カ・ン・ス・である。
もとい、小笠原分校、水泳の授業であ~る。

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アララ・エステル卓2日目ss

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虎さん :「海だッ!」
雅戌 :「波の音は心落ち着きますねー」
辻斬燕丸 :「輝く太陽、ゆれる砂浜。海だぁぁぁー」
高原鋼一郎 :「海の色が違う…島だとこういうものなのかなあ」
雅戌 :「海辺ってどうもこう、眠くなるというか。泳ぐのも楽しいですけれど」
神室想真 :「紅葉国と同じぐらい綺麗だな。いい海だ。…泳ぎは苦手なんだがなぁ」
那限逢真 :「何だかのんびりするのは久しぶりだなぁ……」
月空 :「何が取れるかなぁここは(海を見渡して)」
サクサクッと白い砂を踏む感触を楽しむ者、
砂が波に持ってかれる感覚を堪能する者、
それぞれ思い思いの感想を抱きながら海を眺める面々。
う~ん、浪漫・ロマン・ROMAN・である。

アララ(先生) :みなさーん。準備運動しますよー。
いい女の声。
薄い緑の髪の美女が皆に声をかける。
アララ(先生) :せえの(取りあえず潔くシャツのボタンを自ら引きちぎる)
南国の陽気は時に人を解放的にさせる…いや、彼女の場合は素でこうだったか?
バツンッ!と吹き飛ぶシャツのボタン。
シャツの下からはこぼれんばかりのナイスバディバディ。
その身を覆うは…紐。紐のような水着であ~る。おおぅ。

雅戌 :「う、うわあ!?」 動揺します
虎さん :「ブハッ!!!」
神室想真 :「う…」(刺激が…)
動揺する男ども。直視しないように一斉にあさっての方向を見る面々。
そう、まるでモアイ像のように遠くを眺めながら精神を落ち着かせようとしている。
甲斐甲斐しい努力。少年よ、耐えるのだ。

エステル(後輩) :(自分の胸と先生のそれを見比べている)
いぶかしげにアララを見つめるエステルの視線。
エステル(後輩) :(なにか新しい寄生体の生き物が!!)
嫉妬の炎がジェラジェラとぉ~…と言うよりは素でなんじゃアレ?というようにむーん!?と口をへの字にしている。
メビウス :「あ……あぅ……(エステルだー)」
そんなエステルの顔を横目で見ながら萌え萌えしている男が1人。
ちょー難解な世界の謎を解く英傑も女の子の前では男の子に戻ってしまうのですねぇ。合掌。

アララ(先生) :今年は鼻血組なし……(成績表にチェック。全員評価E)
男どもの反応を成績表にチェックしているアララ先生。
待ってよ!先生。
今、男どもは必死で理性とか本能とか煩悩とか欲望とかその他いろいろな何かとガチンコFIGHTしてるんだよ?多分。
と、筆者は思ったが…
虎さん :「友よ、こうなったら一緒に戦死しよう」>雅戌さん
雅戌 :「死ぬ時は一緒だね!」 >虎さん
…なにか覚悟完了の方々が?
ゴッドスピード!お2人さん。
死地に旅立つ勇者と芽生える友情に涙である。

高原鋼一郎 :「…先生、運動は屈伸からでしょうか」
庄津K太郎 :「とりあえずアキレス腱伸ばしとか、あ、上体そらしとか、…いや、ここはジャンプだな」
高原鋼一郎 :「(庄津…狙っているな!)」
ああ、いろいろ吹っ切れた方々まで?
なんで上体そらしとかジャンプをする必要があるのかは…察してください。
コレこそ、『男』の浪漫・ロマン・ROMAN・なんデスーーーっ!!

さて、一種異様な準備運動の光景が繰り広げられている、砂浜。
高原鋼一郎 :…(今頃鼻血を垂らしつつ抑えながら屈伸)」
よんた :「屈伸、屈伸・いっちに~さんし~」
神室想真 :「準備運動はしっかり…っと」
虎さん :「イチニ、イチニ(緊張してカクカクした動きの準備体操)」
雅戌 :「いっちにーさんっし。ごーろっくしっちはち」
月空 :「よっし。行くかっ(準備運動もそこそこに海に突撃)」
白い砂浜に赤い血の花を咲かせながら屈伸する高原鋼一郎。
どうみてもロボットダンスを踊ってるような虎さん。
そして、美女の紐水着を必死で見ないようにしてるその他の面々。
十分に体もほぐれて来た頃、今日の授業内容が告知される。

アララ(先生) :取りあえず今日は、あの浮かんでいる船(夜明けの船)までいって、ミズキ・ミズヤをさらいます。
しれっとした顔で爆弾発言のアララ先生。腕を組んで仁王立ち。
遠く沖の夜明けの船を見つめる半眼の視線は獲物を探すかのようである。
よんた :「は?」<さらう
雅戌 :「……さらう、と申されますと」
常識的な反応で聞き返す男、数名。
高原鋼一郎 :「先生、得物は何を使いましょう」(先生を乗せるボートを膨らませつつ)
庄津K太郎 :「海賊ごっこだな!」
嬉々として合いの手を打つ男、数名。
どちらの反応が正しいかはわからない。
アララ(先生) :いくわよ! 野郎ども! ちょっとくらい若いからって! いい気になってる女に! むくいを! むくいを!
ふっふっふ…と黒い笑みを浮かべながら手をわきわきと動かすアララ先生。
今、彼女の脳内でどんな光景が繰り広げられているのか?
のぞいて見たい方…貴方はこの「年齢制限ワールドタイムゲート」を越えることが出来るかな?

一方その頃。
知的好奇心旺盛な異星人美少女エステル。
彼女は口をへの字に曲げたまま矢継ぎ早に質問を出している。
太陽系人はハチと同じだとか、なぜ先生の水着が紐なのかとか、みんながそれを無視するのかとか…。
メビウス :「いえ、基本的に母体種族はあなたと同じ人型ですよ」>エステル
辻斬燕丸 :「ハチですか。あなたに近いと思いますが。・・・別にそれで人を区別したりしませんよ。大丈夫」
神室想真 :「…なるほど。目の錯覚だと思ったが本当だったか(目を逸らしつつ)」<紐
那限逢真 :「失血死の恐れがあるからじゃないかな……」<エステル
よんた :「いや、別に無視してるわけでもないけどねえ。キレイだとは思うよ」
答えに困る質問もあったが、メビウス、よんた、那限逢真、辻斬燕丸、神室想真がniceチームワークを展開。
この辺りから、アララ先生を追う熱視線ギラギラチームとエステルと過ごすまったりほのぼのチームにチーム分けが出来ていた。

綺麗な孤を描き海に飛び込むアララ先生。
先生に続けーっ!と皆、続々と飛び込む。
鼻血の軌跡も鮮やかに赤い跡を残しながらルパンダイブの高原鋼一郎。
泉の如く鼻血を噴出し命を削る虎さん。
庄津K太郎 :「先行する先生を見ると鼻血を吹きそうだから平泳ぎは避けるんだ!」
虎さん :「(紐・・・紐の水着をもう一度この目に!)」
高原鋼一郎 :「ならばあえて俺は全速力で平泳ぎをしよう!」
南国の海は透明度が違う。不純な動機もありやなしや?
いや、男ならわかるだろう。
男なら…時に命をかけてでも成さねばならない事がある事に!

雅戌 :「(いやあ、別に僕は水着が見たいとかではなくてですね? うん、違うんだよ?)」
この期に及んで保身に回るのは男らしくないとは思わないかぃ?
雅戌くん、素直になりたまえ。ここは海だ。母なる海だ。
魂の赴くままに…さぁ、心を解き放ちなさいな。開放♪開放~♪
虎さん :「ブクブクブク・・・(沈)」(あまりの刺激に沈んでいく)
雅戌 :「ガボガボガボガボガボ」 (アララ先生を見て沈む。理由は聞かないで下さい)
皆の期待に応えるかのように、ドザエモンが2つ出来上がる。合掌。

月空 :「元気でいいなぁみんな(夜明けの船を見ながらぼんやり漂ってる)」
月空 :「…先生はほんとに行くのかー攫いに(船に泳いでいく先生を見てる)」
ひとりのんびりとぷかぷか浮かぶ月空。生暖かい目で眺めながらほくそ笑む。
マイペースな人もいるもんだ。

そして遂に、アララ先生、夜明けの船に到着。がばぁっと船に乗艦する。
…が。
アララ(先生) :(水着が、ない)
………
……

アララを追っていた男たち、固まる。
雅戌 :鼻血を噴いて派手に卒倒します
虎さん :「おし、追いつい・・・ボハッ(鼻血)」
次の瞬間、盛大に鼻血を吹いた。その勢いを推進力に変えて宙を飛ぶ。
綺麗な孤を描き、真っ赤な軌跡を残しながら着水。海に大輪の赤い華が咲いた。
高原鋼一郎 :「ぐはぁ!先生とりあえず着るものを確保してまいります!」
吹き出る鼻血を抑えつつ艦内に飛び込む高原鋼一郎。その名の通り、鋼の精神の持ち主であったか。

雅戌 :「(父さん、僕は世界の真実を垣間見たよ……)」
雅戌 :「(びくん!びくん! と痙攣している)」
至福の顔で沈みゆく男、雅戌。この世の楽園を見たかのようだ。
しかし、その血で大きな魚が集まりだした事に周りが気づく。
庄津K太郎 :「…サメだ!」
この声に場が騒然となる。
即行で沖に逃げるもの。
船内に避難するもの。
急いで水に潜るもの。
そして、呪文の詠唱に入る先生。
アララ先生は赤にして薄紅のオーマネームを持つアラダである。
アラダは絶技と呼ばれる魔法のようなのが使えるのだ。
アララ(先生) :最神……雷撃!
空が真っ暗になる。雷を呼んでいるようだ。
こんなの海に落とされたらたまったもんじゃない。
どう考えても感電です。海にいる者たちまで死んでしまう。

しかも…
エステル(後輩) :ポイポイダー!
ポイポイダー:「ピィピィ!」(ジャンプ)
エステルが集まってきていた魚の正体に気づく。
サメかと思われたのはポイポイダーと呼ばれるバンドウイルカ。
絢爛舞踏祭に登場する人に非ずな我々の友であった。
月空 :「ポイポイダー!」
雅戌 :「イルカの友!」
神室想真 :「(ぷはっ)なんと!彼もいるのか」
神室想真 :「うぉ、ポイポイダーだ(見とれる)」
よんた :「ああ。ポイポイダーか~・・・。はっ絶技まって~~~~!!!」
思いもよらない友との再会に喜ぶ声と…
庄津K太郎@キノウツン :「ヤバイ、絶技が!」
神室想真 :「雷はヤバイ!陸へ、陸へ!」(エステルを最優先)
メビウス :ちょっとったーーー(エステル&ポイポイダーの前に立ちふさがるよ!) >>>>アララ
高原鋼一郎@キノウツン藩 :「動ける連中は海から上がるんだー!」
那限逢真 :「皆でエステル引っ張れ!」
よんた :「船の上にっ!ソッチのが近い~!」<エステル。ポイポイダー
阿鼻叫喚、必死必死の叫び声が交じり合う。
ゴロゴロゴロッ…と空に響き始める雷鳴。刻一刻と近づく落雷の瞬間。カウントダウンスタート?
皆の協力で、エステルがポイポイダーを抱いて船に上がる。
皆の説得が聞こえたか?陸に揚げられた様に危険はないと判断したか?
呪文の詠唱をやめるアララ先生。空がサァッ晴れていく。
ほっと安堵の息をあげる男たちとポイポイダーのヒレに当たって海中に落ちていく男、高原鋼一郎。

アララ(先生) :(頭をかいて)あー。えーと。みんな。
アララ(先生) :もどろっか(照れながら)次はお昼ご飯で。
大人気なく絶技まで使おうとしたからか、少しはにかんだような表情でアララが言った。
いつもよりずっと幼く見える笑顔を皆に向けながら。
皆、輝くばかりの笑顔で返事を返す。

その横で…。
庄津K太郎 :「高原、さっきのメモリーこっちにもナイショで廻せよな?」
高原鋼一郎 :「ナンノコトヤラ、つーかメモリーって何だ」
瞼に焼き付けた俺だけのメモリー。一生消えることはない…いや、消させないと心に誓いながらとぼける高原鋼一郎。
しかし、鼻から流れる浪漫の分泌物は正直であった。

fin


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製作:
猫屋敷兄猫@ナニワアームズ商藩国
http://cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=95;id=

引渡し日:2007/



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最終更新:2007年09月25日 12:07