サントラ・楽曲別使用状況

「世紀末の魔術師」オリジナル・サウンドトラック

2023-06-18更新


 「名探偵コナン『世紀末の魔術師』オリジナル・サウンドトラック」は、映画のストーリーがロマノフ王朝のイースターエッグをめぐる争いということもあり、かなりスケールの大きな楽曲が目立ちます。
 テレビ作品では’99年9月27日放映の第162話「空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件」(一時間スペシャル)より使われ始めました(「14番目の標的」のBGM解禁からちょうど一年)。ただ「14番目の標的」の時と異なり、その時にはわずか一曲しか使われず、本格的に解禁されたのは’00年1月3日放映の第174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」からであり、「時計じかけの摩天楼」の楽曲が使われ始めた時から考えると、少しずつ本格解禁日が後ろへ後ろへとずれ込んでいるのが分かります。’00年はオリジナル・サウンドトラック4の楽曲が使われ始めますが、「瞳の中の暗殺者」の楽曲は’01年の5月になって初めて解禁されたので、映画公開から一年以上が経過してようやくテレビに登場する運びになっています。「時計じかけの摩天楼」のBGMが映画公開からわずか一ヵ月半ほどで使われ始めたことを考えると、先送りし過ぎの感があります。
 また「世紀末の魔術師」のBGMは当初、「時計じかけ~」や「14番目~」に比べると使用頻度が低く、新曲で一気に盛り上がることは少なかったように思います。このように一部の曲を除いて放置され気味だった楽曲群ですが、後に浦上氏と井澤氏が積極的に使うようになった曲もあります。

1.名探偵コナン メイン・テーマ(世紀末ヴァージョン)
2.I’ll be there
3.走るリムジン1
4.怪盗キッド出現
5.出動のテーマ1~予感
6.怪盗キッドの予告状1
7.恋のトランプゲーム占い(世紀末ヴァージョン)
8.蘭のテーマ(世紀末ヴァージョン)
9.イースターエッグの謎
10.怪盗キッドの予告状2
11.スケボー大作戦
12.行き止まり
13.コナンVS怪盗キッド
14.出動のテーマ2~サイレンサー
15.古城の神秘
16.尋問
17.阿笠博士のテーマ(世紀末ヴァージョン)
18.想い出(世紀末ヴァージョン)
19.空飛ぶ怪盗キッド
20.走るリムジン2
21.赤い光のスナイパー1
22.古城の探索
23.秘密の地下室
24.古城のテーマ
25.赤い光のスナイパー2
26.キミがいれば(世紀末ヴァージョン)
27.城が燃えている
28.愛はいつも
29.飛び立つ鳩



1.名探偵コナン メイン・テーマ(世紀末ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件
’01 250.アイドル達の秘密(後編)
合計2

 この「世紀末ヴァージョン」は「標的ヴァージョン」のイントロを継承したメロディになっていて、全体的に音が高めになっている。これはイースターエッグなど「宝石」をイメージしたためではないかと推測される。楽曲の一番の特徴は、締め部分が「チャチャチャチャチャチャチャチャ」で終わらないことだろう。他にこのように終わらないバージョンはないので貴重である。
 テレビでは二回だけ使われている。特に’00年正月の「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」で使われた時は鳥肌ものだった。コナンと服部平次が二手に分かれて船内を捜索するシーンで使われたが、「14番目の標的」をベースにしたバージョンがテレビで使用されるのは初めてで非常に興奮したのを覚えている。今でこそ「14番目~」のイントロが標準になったが、当時は珍しかったので新鮮でワクワクしたものだ。
 それからもうひとつ、とても印象に残る使われ方をしたことがある。’99年5月3日放映の第143話「疑惑の天体観測」本編終了後、翌週の5月10日に放映される「上野発北斗星3号(前編)」の予告シーンが流れるのだが、このバックにかかっていたのが、なんとこの世紀末ヴァージョンなのである。確か映画公開プレゼント告知の時期で、この「世紀末の魔術師 オリジナル・サウンドトラック」がその週の商品だったと思う。プレゼントの内容に合わせて世紀末ヴァージョンのメイン・テーマを流したのだろうが、普通ならプレゼント告知から次回予告のシーンに変わる時に普段の予告バージョンに切り替えるところを、なんとそのまま世紀末ヴァージョンを最後まで流し続けたのである。これが物凄く様になっており、「ネクストコナン! 上野発北斗星3号(前編)」とコナンがタイトル名を読み上げ文字が表示される最後の締めがいつもの「チャチャチャチャン」ではなく、世紀末ならではの終わり方であったため、とてつもなく心に刻まれることになった。また、その当時は「~事件」という名に縛られずに自由度を上げたタイトルへ移行し始めた時期だったので、「上野発北斗星3号」というタイトル名の響きと相まって、何とも言えない新鮮な雰囲気を味わえたのを覚えている。
 たまには普段と違う予告もいいな…と思う次第である。


2.I’ll be there

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 (2)
合計1(2)

 映画ではイースターエッグの光が壁に照らされて、それが想い出のアルバムだったことが判明する有名なシーンで使われた。英語の歌なのでファンなら誰もが覚えている曲だと思う。
 テレビでもわずか一話だけだが使われたことがある。’03年「揺れる警視庁 1200万人の人質」において、高木刑事と佐藤刑事が「イイ雰囲気」になる時と、番組のエピローグで、佐藤刑事が松田刑事のメールを「けじめ」として消し「バイバイ松田くん…でも忘れないからね」と締めるシーンで使われた。


3.走るリムジン1

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’03 335.東都現像所の秘密(前編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 名探偵コナンのおさらい
SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章
合計4

 軽快なリズムで車を飛ばすイメージで作られた曲なのだろう。映画では文字通り、リムジンの走行シーンで使われた。
 だが、実際にはあまりマッチしている感じがしなかった。どちらかと言うとコナン達が捜査のために奔走したり、推理の詰めで使ったりした方が相応しかったのではないかと思う。実写版では推理シーンで使われたことがあるが、その使い方が最もしっくり来ると感じた。サントラ3の「ひらめき」のような役割はぴったりだ。
 ’07バージョンが作られており、これまではなぜか怪盗キッドのテーマとして使われている。


4.怪盗キッド出現

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う (3)
191.命がけの復活 黒衣の騎士
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (2)
’02 288.工藤新一NYの事件(解決編)
’05 403.不思議な天使の館(前編)
合計5(7)

 「西洋の神秘」という表現がぴったりの曲で、映画では怪盗キッドが吉田歩美のマンションに降り立つシーンで使用された。それまではキッド専用の曲はなかったが、この映画を経て晴れてキッド用のBGMが誕生したことになる。
 テレビでは決してキッド専用の曲ではなく、相応しいシーンなら柔軟な使われ方をした。使われたのはやはり、「西洋」というキーワードが見え隠れするストーリーばかりである。
 ’07バージョンが作られた。原曲と若干異なっているがベースは変わらない。


5.出動のテーマ1~予感

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (5) 後半部分・1 「赤い光のスナイパー1」とセット・1
205.本庁の刑事恋物語3(前編) 後半部分
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’02 302.悪意と聖者の行進(後編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 後半部分
305.見えない容疑者(前編) 前半部分
337.転落事件の裏事情
’04 370.逃げ回るゲームソフト
’05 384.標的は毛利小五郎 (3) 前半部分
395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) 共に前半部分
’06 449.本庁の刑事恋物語 偽りのウェディング (6) 前半部分
450.トリックvsマジック(前編) 現実音
SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章 「出動のテーマ2」とセット・2
458.園子の赤いハンカチ(後編)
合計13(16)

 映画未使用曲でありながら、「世紀末の魔術師」のサスペンス・テーマのひとつである。前半はアクション曲、後半はサスペンスになっている。
 この曲は浦上氏・井澤氏の時代になって花開いた。それまでは前半のアクション部分が一度しか使われていなかったが、音響監督の交代に伴ってやや使用頻度が高くなり、しかも事件発生曲としての地位を確保するに至った。
 ’07バージョンも作られており、事件発生曲として時々使われていたが、最近はあまり使用されていない。


6.怪盗キッドの予告状1

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 191.命がけの復活 黒衣の騎士
202.10人目の乗客(後編)
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
229.殺意の陶芸教室(後編)
’03 308.残された声なき証言(後編)
311.黒の組織との接触(決死編)
317.汚れた覆面ヒーロー(後編)
324.服部平次絶体絶命!(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (3)
356.怪盗キッドの驚異空中歩行
’05 394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 名探偵コナンのおさらい
合計14(15)

 「怪盗キッド出現」が怪盗キッド神秘のイメージテーマだとすれば、こちらは神出鬼没のマジシャンとしてのイメージテーマと言えるだろう。なんとなくコミカルな調子で始まるが、後半部分はスマートでかっこいい曲調に変化する。
 さほど変わってないが、この曲も浦上氏と井澤氏になってから使用頻度が上がった印象を受ける。キッドのテーマとしてより推理曲として使われるのがしっくり来ていいと感じた。具体的には’01年第229話「殺意の陶芸教室(後編)」と’03年第308話「残された声なき証言(後編)」のような使い方だ。
 この曲は’07バージョンアレンジが作られており、稀にだが使用される。


7.恋のトランプゲーム占い(世紀末ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 188.命がけの復活 洞窟の探偵団
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
’01 225.商売繁盛のヒミツ
’02 281.小さな目撃者たち
’03 331.疑惑の辛口カレー(前編)
’06 440.極限のカースタント
合計7

 「14番目の標的」のBGMである「恋のトランプゲーム占い」を、ややギャグテイストにアレンジした曲である。もちろん「世紀末の魔術師」には恋のトランプゲーム占いは登場しないが、原曲がこういうタイトルなので、そのアレンジバージョンという曲名になったわけだ。
 オリジナルバージョンに比べると格段に使用頻度が低い。こちらの方はオナラのような音が入っているせいか、普通の日常曲と少し異なるために使われる場面が限定されてしまったのかもしれない。


8.蘭のテーマ(世紀末ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (2)
’01 250.アイドル達の秘密(後編)
255.松江玉造連句十四番勝負(前編)
’02 266.バレンタインの真実(事件編)
合計4(5)

 「蘭のテーマ」の日常用アレンジとしてはこれまでに、オリジナルバージョン、音コンテバージョン、摩天楼ヴァージョンと作られており、これが4作目になる。世紀末ヴァージョンは摩天楼ヴァージョンのようにアクティブなイントロではなく、オリジナルに近い静かな出だしとなっている。他のバージョンに比べるとやや大人しい印象を受ける。
 またまたこれまでのバージョンと異なり、使用頻度が極端に低い。そのため最も印象が薄く、語られることが少ないバージョンだと思われる。ただし、映画ではこの後も何度か登場する。


9.イースターエッグの謎

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件
184.呪いの仮面は冷たく笑う
188.命がけの復活 洞窟の探偵団
203.黒いイカロスの翼(前編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
’05 403.不思議な天使の館(前編)
’06 437.上戸彩と新一 4年前の約束
合計7

 美しい宝石のテーマで、トラック2「I’ll be there」のインストバージョンに位置づけられる(とは言え全くそのままではないが基本メロディは同じ)。映画では、展示されているエッグの仕掛けのシーンで使われている。楽曲の中盤で不思議さや謎を臭わせるメロディを差し挟んで、また元のメロディに戻るのが特徴だ。
 それほど多くは使われていないが、美しい風景や恋愛模様などのシーンで使用された。第174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」では、夕陽をバックに蘭が「I am a king of the world!」とタイタニックの真似をしているシーンで流れていると言えばお分かりだろうか。第203話「黒いイカロスの翼(前編)」でも夕陽を眺めるロマンチックな場面で使われている。
 この曲、実は’07バージョンが作られており、そちらの方が本格的に使われている。不思議なことに、先述した「不思議さや謎を臭わせるメロディ」の部分だけを取り出して、ひとつのBGMとして利用されている。’08年から現在に至るまで毎年かなり安定して使われており、一定の地位を確保している。


10.怪盗キッドの予告状2

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
"06 SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章 1
合計1
 映画でもアニメでも未使用の曲。「怪盗キッドの予告状1」を短めにまとめたようなバージョンで、06年10月の10周年記念実写版ドラマ『さよならまでの序章』では使われたことがある。


11.スケボー大作戦

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
’04 359.本庁の刑事恋物語5(後編) 「行き止まり」とセット
合計2

 映画では大阪でスケボーを使ってキッドを追いかけるシーンとクライマックス前に逃走する犯人を追いかける場面で使われた。いわゆる追跡のテーマのひとつである。
 テレビでは小林氏によっては使われず、浦上氏が第304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」において東都タワーに乗り込んでいくシーンで、もうひとつは浦上氏か井澤氏か分からないが、「本庁の刑事恋物語5(後編)」で犯人を追跡するシーンで使用した。


12.行き止まり

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
’02 303.戻って来た被害者
’03 308.残された声なき証言(後編)
’04 359.本庁の刑事恋物語5(後編) イントロ部分・「スケボー大作戦」とセット
’05 385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
合計5

 「スケボー大作戦」と基本は同じだが短いイントロがあるのと、中盤に曲が穏やかになる「ブレイク箇所」があるのと、終盤の締めが「スケボー大作戦」より切迫している。映画では「スケボー大作戦」に続いて使用されている。
 テレビでの役割は事件発生曲のイメージが強い。折角そんな使い方をしたのだから、もっと使ってもよかったのにと思う一曲である。


13.コナンVS怪盗キッド

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う
合計1

 映画ではキッドに追いつけなかったコナンが、服部平次のバイクに乗り換えて更に追跡する際に使用された。中盤はメイン・テーマのアレンジになっているが、これがめちゃくちゃかっこいい。そのバイクのシーンでは、コナンがバイクに跨るのに合わせてそのメイン・テーマ部分へと繋げたので様になっている。
 テレビでもたったの一度だけだが使われたことがある。’00年第184話「呪いの仮面は冷たく笑う」において、コナンと蘭が館を駆けるシーンで使用された。この時も蘭がかっこよく着地する瞬間に合わせてメイン・テーマの部分へと曲が切り替わって惚れ惚れする演出になっていた。とにかくかっこいいのである。かなり特殊な曲なのでいたずらに使うべきではないのだが、もう一回ぐらいどこかで聞きたかったのが本音だ。それでもきちんと一度使われたのだから感謝しなければならないだろう。


14.出動のテーマ2~サイレンサー

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 後半部分
’03 314.壊れた柵の展望台
’06 SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章 (4) 前半部分・1 「出動のテーマ1」とセット・2
458.園子の赤いハンカチ(後編) 「赤い光のスナイパー2」とセット
合計3

 トラック5「出動のテーマ1~予感」を若干アレンジした曲だが、一度聞いただけではさほどの違いを感じないだろうと思う。出だしは「出動のテーマ1~予感」のようにショック感のある強い音ではないのと、その代わり前半のアクション部分及び後半のサスペンス部分は強力になっている。
 「出動のテーマ1~予感」に比べると使用頻度が低い。あまりその違いを意識しなけれれば「そうだったの?」というぐらいの印象だろう。


15.古城の神秘

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 184.呪いの仮面は冷たく笑う (3)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド
’02 298.法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)
合計4(5)

 じわじわと盛り上がる曲だがサスペンス調というわけではなく、ひとつの謎が解明された時の「そうだったのか…」と嘆息を漏らす時の心情を表現している気がする。随所に宝石系の音が入っているために、そういう意味では世紀末の魔術師らしい曲である。
 使用頻度は(ここまでのほとんどの曲がそうだが)低い。使われ方はいずれもよく、「集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド」で犯人が謎の答を知る時の心情をよく表していたと思うし、「法廷の対決Ⅱ 妃vs九条(後編)」で証拠が揃った時に使われるのも印象深い(個人的にはこういう使い方ならもっと使用回数を増やせたのではないかと思う)。


16.尋問

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 162.空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件
169.ビーナスのキッス
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事 16(17)
177.黒の組織との接触(コナン編)
180.赤い殺意の夜想曲(前編)
184.呪いの仮面は冷たく笑う
185.殺された名探偵(前編)
186.殺された名探偵(後編)
191.命がけの復活 黒衣の騎士
195.意味深なオルゴール(後編)
196.見えない凶器 蘭の初推理
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
200.容疑者 毛利小五郎(後編)
204.黒いイカロスの翼(後編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
210.五彩伝説の水御殿(前編)
215.ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編)
218.封印された目暮の秘密(後編)
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (6)
226.バトルゲームの罠(前編)
232.マンション転落事件
239.大阪3つの”K”事件(後編)
245.ヒマワリ館の銃声
’02 272.隠して急いで省略(後編)
282.水流るる石庭の怪(前編)
284.中華街 雨のデジャビュ(前編)
286.工藤新一NYの事件(事件編)
287.工藤新一NYの事件(推理編)
288.工藤新一NYの事件(解決編)
292.孤島の姫と竜宮城(追求編)
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 11(12)
316.汚れた覆面ヒーロー(前編)
320.忍法アリバイ工作の術
323.服部平次絶体絶命!(前編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
327.炎の中に赤い馬(解決編)
331.疑惑の辛口カレー(前編)
333.似た者プリンセス(前編)
336.東都現像所の秘密(後編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (10)
347.お尻のマークを探せ!(後編)
350.忘れられた携帯電話(前編)
351.忘れられた携帯電話(後編)
364.シンクロにシティ事件(前編)
367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
370.逃げ回るゲームソフト
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 384.標的は毛利小五郎 (7)
385.ストラディバリウスの不協和音 前奏曲
390.本庁の刑事恋物語6(前編)
401.宝石強盗現行犯(前編)
406.コナン平次の推理マジック(仕掛編)
412.神社鳥居ビックリ暗号(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
426.蘭へのラブレター
443.ため息 潮干狩り(前編)
合計58(64)

 「尋問」の名に相応しく泥臭い捜査のテーマという匂いがプンプンとする一方で、ジャズを織り交ぜており非常に渋い一曲に仕上がっている。「14番目の標的」で言えば「トリック」の役割に近い重要な曲であり、事情聴取から推理シーンまでこなす。
 実際、本映画曲にしては使用頻度が高い。小林氏が’00年にレギュラー曲へと昇格させた後も、大きく衰えることなく’06年まで突っ走った印象だ。
 ’07バージョンもそれなりに使われているが、一時期ほどの安定感はなくなっており、明らかに減少傾向にある。


17.阿笠博士のテーマ(世紀末ヴァージョン)

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’04 381.どっちの推理ショー(前編) 1(2)
合計1(2)

 映画未使用曲。サントラ1のオリジナルバージョンではなくサントラ2の音コンテバージョン寄りのメロディである。博士の発明品をイメージしてか、コンピューターや機械を想起させる音が多数入っている。
 テレビでは第381話「どっちの推理ショー(前編)」で使用された。


18.想い出(世紀末ヴァージョン)

 映画でもテレビでも未使用の曲。これまでの「想い出」アレンジの中で最も想い出らしい曲だと思う。テレビで使われなかったのが惜しい。
なお、「世紀末の魔術師」ではお蔵入りになったが、「迷宮の十字路」ではめでたくOP明けに使用された。


19.空飛ぶ怪盗キッド

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 185.殺された名探偵(前編)
191.命がけの復活 黒衣の騎士
193.命がけの復活 約束の場所
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (2)
’04 356.怪盗キッドの驚異空中歩行
合計6(7)

 「怪盗キッド出現」をベースに、もう少し躍動的にアレンジした曲である。映画では通天閣の頂上に立つキッドが「Ladies and gentlemen!」と叫んでマントを拡げるシーンで使用された。
 相変わらず使用頻度は低いが、命がけの復活シリーズやスペシャル作品で使われるのがほとんどで、作品全体の特別感を演出するのに大きな役割を果たした。


20.走るリムジン2

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 196.見えない凶器 蘭の初推理
'06 SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章
合計2

 「走るリムジン1」をそのまま短く編集した感じで、新たに特筆すべきことはない。
 テレビでは唯一、第196話「見えない凶器 蘭の初推理」においてコナンが証拠を探しに街を駆けるシーンと06年10周年SPドラマ「さよならまでの序章」において真犯人を追求するシーンで使われた。もっとこういう捜査シーンや推理シーンで使うと映えたのにもったいない。


21.赤い光のスナイパー1

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (7) 全て後半部分 「出動のテーマ1~予感」とセット・1
184.呪いの仮面は冷たく笑う イントロ部分・1 後半部分・1
210.五彩伝説の水御殿(前編) 後半部分
211.五彩伝説の水御殿(後編) 後半部分・前編のおさらい
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (11) イントロ部分・2 後半部分・2
222.そして人魚はいなくなった(事件編) 後半部分
223.そして人魚はいなくなった(推理編) 共に後半部分 事件編のおさらい・1
224.そして人魚はいなくなった(解決編) 後半部分・事件編と推理編のおさらい
230.謎めいた乗客(前編) 後半部分
242.元太少年の災難
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編) (4)
301.悪意と聖者の行進(前編) 後半部分・1
302.悪意と聖者の行進(後編) 前編のおさらい
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 10
305.見えない容疑者(前編)
306.見えない容疑者(後編) イントロ部分 前編のおさらい
307.残された声なき証言(前編) イントロ部分
311.黒の組織との接触(決死編)
313.夕陽に染まった雛人形(後編)
322.消えた誘拐逃走車(後編)
326.炎の中に赤い馬(捜査編)
336.東都現像所の秘密(後編)
337.転落事件の裏事情
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー イントロ部分
352.フィッシング大会の悲劇(前編)
377.桃太郎謎解きツアー(前編)
380.秘湯雪闇振袖事件(後編)
’05 388.薩摩に酔う小五郎(前編) イントロ部分
394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編) イントロ部分
397.辛く苦く甘い汁
402.宝石強盗現行犯(後編)
403.不思議な天使の館(前編) 後半部分
407.コナン平次の推理マジック(館編) イントロ部分 仕掛編のおさらい
423.探偵団と青虫4兄弟 イントロ部分
’06 434.名犬クールのお手柄 (8)
435.探偵団に注目取材(前編) イントロ部分
437.上戸彩と新一 4年前の約束
443.ため息 潮干狩り(前編)
452.こんぴら座の怪人
SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章 イントロ部分・1
458.園子の赤いハンカチ(後編) イントロ部分 前編のおさらい
合計41(52)

 「出動のテーマ1~予感」「出動のテーマ2~サイレンサー」の、それぞれ後半部分に当たるサスペンス箇所のアレンジ曲だ。イントロが強いショック音楽になっていて、この部分だけ取り出して使われたことが何度もある(主に事件発生曲として使用された)。全体的に使用率の低い「世紀末の魔術師」サントラにおいて、多くの人が、聞き覚えがあると答えるであろう一曲だ。
 小林氏よりも浦上氏と井澤氏によって多く使われた。小林氏の時代には、サスペンス部分(後半部分)だけ使われることも多かったが、浦上氏と井澤氏は、ほとんどのケースにおいて丸々一曲流すかイントロ部分だけを用いた。
 ’07バージョンが作られているが、これまでのところイントロのショック音楽しか聞いたことがない。もしかするとその箇所だけしか作られていないのかもしれない。


22.古城の探索

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 16(28) 全て後半部分
176.黒の組織との再会(灰原編) 前半部分
177.黒の組織との再会(コナン編) 後半部分
184.呪いの仮面は冷たく笑う 全て後半部分
189.命がけの復活 負傷した名探偵 後半部分
191.命がけの復活 黒衣の騎士
192.命がけの復活 帰ってきた新一… 共に後半部分
194.意味深なオルゴール(前編) 後半部分
198.スーパーカーの罠(後編)
199.容疑者 毛利小五郎(前編)
201.10人目の乗客(前編)
203.黒いイカロスの翼(前編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り 全て後半部分
217.封印された目暮の秘密(前編) 後半部分
218.封印された目暮の秘密(後編) 全て後半部分
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (12) 後半部分・1 締め部分・1
221.偽りだらけの依頼人(後編) 後半部分
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
226.バトルゲームの罠(後編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
230.謎めいた乗客(前編)
231.謎めいた乗客(後編)
232.マンション転落事件
236.南紀白浜ミステリーツアー(前編) 全て後半部分
’02 279.迷宮のフーリガン(前編) 後半部分
291.孤島の姫と竜宮城(事件編)
’03 329.お金で買えない友情(前編) (4) 後半部分・1 締め部分・1
332.疑惑の辛口カレー(後編) 締め部分
338.4台のポルシェ(前編) 後半部分
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 10(15)
362.帝丹高校学校怪談(後編)
367.丸見え埠頭の惨劇(後編)
368.魔女の棲むお菓子の家
370.逃げ回るゲームソフト 全て後半部分
373.猛毒蜘蛛の罠 共に後半部分
374.星と煙草の暗号(前編) 後半全て
376.タイムリミットは15時! 後半部分
380.秘湯雪闇振袖事件(後編) 後半部分・1 後半全て・1
383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い 共に後半部分
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 後半部分
404.不思議な天使の館(後編) 後半全て
408.コナン平次の推理マジック(解決編) 締め部分
’06 440.極限のカースタント 4(7) 後半全て
441.最期のアーン
452.こんぴら座の怪人 後半部分
SP. 工藤新一への挑戦状 さよならまでの序章 後半部分・3 締め部分・1
'11 SP. 工藤新一への挑戦状〜怪鳥伝説の謎〜 1(2) 後半部分・1 前半部分・1
合計49(73)

 「世紀末の魔術師」BGMの中でも使用頻度の高い曲である。前半部分は神秘的かつ感傷的な心情曲で、後半部分は一転して「じわじわと迫り来る悪のテーマ」に変わる。前半部分が使われたのは’00年第176話「黒の組織との再会(灰原編)」にて灰原哀が自分の身の上について語っているシーンと11年SPドラマ「怪鳥伝説の謎」の捜査シーンのみで、その他は全て後半のサスペンス部分が使用されている。
 テレビでは’00年第184話「呪いの仮面は冷たく笑う」での使い方が印象的だった。完全に番組の空気を支配するテーマ曲となっていて、呪いの館のイメージを演出した。
 ’07バージョンが作られており、年に数回程度使用されている。



23.秘密の地下室

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 前半神秘部分+後半神秘部分
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド 前半神秘部分
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
321.消えた誘拐逃走車(前編)
’04 383.甲子園の奇跡!見えない悪魔に負けず嫌い
’05 395.奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) 前半神秘部分+後半神秘部分
396.奇抜な屋敷の大冒険(解決編) 前半神秘部分
404.不思議な天使の館(後編)
合計8

 この曲も「世紀末の魔術師」らしく神秘に満ちており、初期の楽曲のイメージが強いととても同じ作品のBGMには思えない。映画では前述した通天閣に立つキッドが、変電所の爆弾を爆破させるシーンで使われた。一曲の中で表情がコロコロ変わり、神秘→アクション→神秘→アクションでまとめられている。
 ’07バージョンも存在し一時期使われたが、近年はご無沙汰である。


24.古城のテーマ

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 11(17) 前半部分・4
178.黒の組織との再会(解決編)
184.呪いの仮面は冷たく笑う
188.命がけの復活 洞窟の探偵団 後半部分
189.命がけの復活 負傷した名探偵 後半部分 洞窟の探偵団のおさらい・1
190.命がけの復活 第三の選択
193.命がけの復活 約束の場所 前半部分
204.黒いイカロスの翼(後編)
205.本庁の刑事恋物語3(前編) 後半部分
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り 前半部分
210.五彩伝説の水御殿(前編) 締め部分・「赤い光のスナイパー2」前半サスペンス部分とセット
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (9)
224.そして人魚はいなくなった(解決編) 前半部分
227.バトルゲームの罠(後編)
230.謎めいた乗客(前編)
259.シカゴから来た男(後編)
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編) 後半部分
287.工藤新一NYの事件(推理編) 後半部分・事件編のおさらい
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質 前半部分
309.黒の組織との接触(交渉編)
312.夕陽に染まった雛人形(前編) 前半部分
320.忍法アリバイ工作の術
321.消えた誘拐逃走車(前編)
341.トイレに隠した秘密(後編)
343.コンビニの落とし穴(前編) 前半部分
344.コンビニの落とし穴(後編)
’04 354.小さな依頼者(前編)
364.シンクロにシティ事件(前編)
’05 394.奇抜な屋敷の大冒険(封印編)
404.不思議な天使の館(後編) 前半部分
418.米花町グルニエの家
420.八岐大蛇の剣(後編)
’06 425.ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間 (9) 前半部分・5
439.そして誰もいなくなればいい 前半部分
446.封印された洋窓(前編)
'11 SP. 工藤新一への挑戦状〜怪鳥伝説の謎〜 1
合計36(52)

 非常に不気味な音色におどろおどろしいメロディと、緊張感と恐怖を引き立てるスーパーサスペンス曲だ。サントラ2の「緊迫」や「14番目の標的」の「一触即発」などと似通ったタイプで、曲の怖さに大きな特徴があり「とっておき感」を漂わせている。映画でも繰り返し使用され、特に古城にシーンを移してからは頻繁に使われた。その中でも城の仕掛けが作動するシーンと、燃えさかる炎の中で犯人を前にしてコナンが推理を披露するシーンで使われたのは印象深い。
 テレビでも組織編や命がけの復活シリーズ、スペシャル系統の作品を中心に用いられた(音響監督交代後は割と平凡な使われ方も多くなったように感じる)。
 ’07バージョンが作られており、数年に一回程度使用されている。


25.赤い光のスナイパー2

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’99 172.よみがえる死の伝言(前編) (2) 共に前半サスペンス部分
’00 174.二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 (7) 前半サスペンス部分・1 後半サスペンス部分・1
184.呪いの仮面は冷たく笑う 前半サスペンス部分
205.本庁の刑事恋物語3(前編)
208.迷宮への入り口 巨大神像の怒り 共に前半サスペンス部分
210.五彩伝説の水御殿(前編) 前半サスペンス部分・「古城のテーマ」締め部分とセット
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (8) 全て前半サスペンス部分
222.そして人魚はいなくなった(事件編)
223.そして人魚はいなくなった(推理編)
224.そして人魚はいなくなった(解決編)
228.殺意の陶芸教室(前編)
229.殺意の陶芸教室(後編) 前半サスペンス部分 前編のおさらい
’03 304.揺れる警視庁 1200万人の人質
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー 中盤アクション部分
364.シンクロにシティ事件(前編) 前半サスペンス部分~中盤アクション部分
372.物言わぬ航路(後編) 前半サスペンス部分 前編のおさらい
376.タイムリミットは15時! 中盤アクション部分
’05 384.標的は毛利小五郎 (4) 前半サスペンス部分
386.ストラディバリウスの不協和音 間奏曲 共に前半サスペンス部分
413.完全半分犯罪の謎 中盤アクション部分~後半サスペンス部分
’06 457.園子の赤いハンカチ(前編) 前半サスペンス部分
458.園子の赤いハンカチ(後編) 中盤アクション部分・「出動のテーマ2~サイレンサー」とセット
合計22(28)

 「世紀末の魔術師」サスペンスシリーズ最後の一曲だ。「出動のテーマ1~予感」「出動のテーマ2~サイレンサー」「赤い光のスナイパー1」と来て4曲目。この映画から曲調の変わる曲が増えたが、この曲もサスペンス→アクション(→ひと休みしてアクション)→サスペンスと変化する。サスペンス部分は「予感」「サイレンサー」「赤い光のスナイパー1(後半)」箇所のミニアレンジだが、静かに湧き上がっていく怖さがある。アクション部分は「出動のテーマ1・2」部分のミニアレンジで、全アレンジの中で最も音が強くはっきりしている。
 テレビの使われ方で印象に残っているのは記念すべき一回目の’99年第172話「よみがえる死の伝言(前編)」において犯人が被害者の待つトイレに向かっているシーンだ。事件が起きる予兆をこの曲が演出して背筋が寒くなったのを覚えている。同時に、年明けの第174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」で「世紀末の魔術師」BGMが本格解禁されるのは間違いないと確信するに至った。この時の使われ方にはそんなメッセージさえ込められていたと感じた。


26.キミがいれば(世紀末ヴァージョン)

 テレビ未使用曲。当時の映画作品では恒例になっていた「キミがいれば」のニューバージョンである。「14番目の標的」ではオリジナル(摩天楼)バージョンが流用されたが、「世紀末の魔術師」ではまた新たに作り直された。歌手は同じ伊織なのだが、別人かと思うぐらい歌い方と声を変えているので違和感を抱いたのを思い出す。映画では燃えさかる城の中、犯人をキック力増強シューズで倒すシーンで使われた。後の劇場版第10作『探偵たちの鎮魂歌』でも襲撃ライダーとの対決・撃退・逃走シーンでも使われた。


27.城が燃えている

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 193.命がけの復活 約束の場所
194.意味深なオルゴール(前編) 命がけの復活シリーズのおさらい
’06 452.こんぴら座の怪人
合計3

 ここから三曲はクライマックスの「コナンと蘭のシーン」で使われた壮大な楽曲が続く。「城が燃えている」という曲名から、当初は燃える城に込められた思いを演出する予定だったのではないかと推測するが、その場面では「古城の探索」前半部分が使用された。曲は明らかに、後述する「愛はいつも」のノンボーカルバージョンと言っていい内容である。とにかくそれまでのコナンにはなかった、迫力ある「名シーン」のために作られた特別な曲である。
 テレビではなんと言っても第193話「命がけの復活 約束の場所」で使われたことがまず思い浮かぶ。なお、この回の終盤シーンにここからの三曲が使われることは予め推測できた。あまりにもシーンが「コナン×蘭」であり、世紀末の該当シーンとモロにシンクロするからである。


28.愛はいつも

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 193.命がけの復活 約束の場所
’04 345.黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー (2)
合計2(3)

 「城が燃えている」のフルバージョンで歌詞がついていると思ってもらえるといい。ボーカルはトラック2「I’ll be there」と同じ菅井えりだ。この曲を聞くとまず「例のシーン(作画崩壊ではない)」が思い浮かぶというぐらい有名だろう。
 テレビではその「例のシーン」を彷彿させるもうひとつの「例のシーン」で使われている。「命がけの復活 約束の場所」の「あのシーン」のことである。当時、コナンファンの女性の多くが涙を浮かべたという(ウソ)あのシーンだ。
 まあそのシーンはお決まりをなぞった感があるものの仕方ないとして、第345話「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」では蘭を撃つことにためらうベルモットのテーマとして使用されたが、個人的にはどうもこれが好かないのだ。まるでベルモットさんが「人の心」を取り戻しつつあるかのような印象を与えるが、一度ニューヨークで命を助けられたぐらいで何を血迷っているのだろうと冷めてしまったのを覚えている。その程度のことで改心できるならあんなまっくろくろの組織で大ボスの側になどいられないと思うのだが…今まで殺した人間の数など数え切れないだろうに、そんなことではっとさせられるものだろうか。どうしても合点がゆかぬのである。そんなひねくれた意見を持っているので、あのシーンで感動的な「愛の歌」を流されても困ってしまうのだ。筆者なら「頭が混乱して苦しんでいる」というカオスな曲を選択したいところだ。当時そんな曲があったかと言われると思い出せないのだが、近年の楽曲でなら「沈黙の15分」の「マッドネス」などどうだろうか。


29.飛び立つ鳩

西暦 話数とサブタイトル 使用回数(2回以上のみ;赤) 年間使用話数と回数(赤) 備考
’00 193.命がけの復活 約束の場所 後半部分
203.黒いイカロスの翼(前編) 前半部分
’01 219.集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド (2)
’02 286.工藤新一NYの事件(事件編)
290.迷いの森の光彦(後編)
’04 355.小さな依頼者(後編)
’05 391.本庁の刑事恋物語6(後編) 前半部分
400.疑惑を持った蘭
404.不思議な天使の館(後編)
’08 ※工藤新一NYの事件(デジタルリマスター特別編集版) (1) オリジナルシーンの追加による
合計9(10)(11)(12)

 前二つの壮大な曲に続き、物語を締めくくるのに使われたフィナーレのテーマだ。映画ではEDに入る直前、コナンが新一に扮したキッドと話をしていて最後に鳩と一緒に消える、いわゆる「鳩だらけのキッド様」のシーンで使われた。前半は「イースターエッグの謎」に礎を置いたメロディで、後半部分は「アーアーアーー」(←これでは全く伝わらないかもしれないが)という女声で感動的に締めくくる。
 テレビではやはり、上2つと同じく「命がけの復活 約束の場所」の締め括りに使われたのが印象深い。それ以外でも時々使われており、これだけ壮大なテーマの割には意外と重用されたようだ。’08年「工藤新一NYの事件(デジタルリマスター特別編集版)」では新規制作箇所に使われた。
最終更新:2023年06月18日 00:40