ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は今すぐ逃げ出したい-31

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驚いた……
まさか空に浮く大陸だなんて予想もつかなかったぞ。
もう魔法でなにがあっても驚くことはないと思っていたがこれには驚いた。
空に浮かぶアルビオンを見ながらそう思った。ルイズに聞いたところによれば、
浮遊大陸アルビオン。名の通り空中に浮遊しており、主に大洋の上を彷徨っているらしい。
そして月に何度かハルケギニアの上にやって来るそうだ。大きさはトリステインの国土ほどもあるという。
アルビオンの大陸から溢れた水が空に落ち、白い霧となって大陸の下半分を包み込んでいる。その景色に由来して通称『白の国』というそうだ。
その霧は雲になり、大雨を広範囲にわたってハルケギニアに降らすため、アルビオンはハルケギニアにとってなくてはならない存在のようだ。
十分見終え船室に戻る。
なかなか見るのは楽しかった。しかし結局嫌な予感を振り払うことも、忘れたことを思い出すことも出来なかった。
一体なんだというんだこの予感は!
あ、そういえば……
「おいルイズ」
「なによ?」
近くにいたルイズに声をかける。
「デルフは……ゲフッゲフッ!デルフリンガーは何処だ」
「……………………………………………忘れてた」
「……おい」
ルイズの話しよればウェールズ皇太子が船を襲ったときに忘れたらしくおそらく前の船(マリー・ガラントというらしい)の中であろうということらしい。
マジかよ……
「しょ、しょうがないじゃない!慌ててたしそんな剣1本に気にかけてるほど余裕がなかったのよ!」
幸運なことに『マリー・ガラント』号はちゃんと引っ張ってきているとのことだ。よかったデルフ。
そうじゃなかったらお前とは今生の別れだっただろう。

それから暫らく船室にいると船員が呼びに来るどうやら着いたようだ。
甲板に行くと眩い光に晒される。目が慣れるとどうやらここは鍾乳洞であることがわかった。光はコケから発せられているらしい。
ルイズとワルドが誰かと一緒にいる。金髪の凛々しい若者だ。
皆がこちらに気づく。
「頭を下げなさい。この方がウェールズ皇太子よ」
ルイズがそう言う。へえ、こいつが。頭を下げる。それっぽいな。
「ラ・ヴァリエール嬢の使い魔だね。しかし人が使い魔とは珍しい。トリステインは変わった国だな」
皇太子はそう言いながら笑う。
「トリステインでも珍しいですよ」
ルイズがそう返す。
「そうかい。さて船から下りようではないか」
そう言って皇太子はルイズたちを促しタラップから降りる。
タラップから下りると背の高い老人がウェールズに近寄ってくる。
「ほほ、これまた、大した戦火ですな。殿下」
老人は『イーグル』号に続いて現れた『マリー・ガラント』号をみて顔を綻ばせながらそう言った。
どうでもいいことなのでさっさと『マリー・ガラント』号に近づく。
なにやら回りの兵隊が叫んでいる。五月蠅いな。静かにしてろよ。
その後『マリー・ガラント』号からデルフを無事に回収した。
抜いた第一声は、

「どうせこんな扱いさ……、へへ……」
だった。さすがのデルフも相当落ち込んだようだ。
まあ手にもとに戻ってきただけでもよかったと思えよ。そう言ってデルフを収めた。
ルイズたちはウェールズに付き従ってどこかへ行っていた。
どうでもいいけどな。
周りの兵士の話だとパーティーがあるらしい。興味ないけどな。それよりも部屋で休みたいんだ。
兵士に部屋を聞き案内させる。
部屋で寝転がり暫らく目を瞑る。腹は減ってない。何時間も食べてないから胃は空っぽのはずなのにな。
嫌な予感がする。さっきからそれしか思い浮かばない。
それがきっと空腹すら凌駕しているのだろう。何なんだこの予感は……
さっきからベッドの上で目を閉じずっと寝転がっている。嫌な予感が頭からこびりついて離れない。
しょうがない。
そう思いデルフを持って部屋から出る。きっと不確定要素が多いから不安になっているだけなんだ。そうに違いない。
あたりを歩き回る。地理を把握するためだ。すべては夜。ルイズたちを暗殺するため。
失敗しないようにあたりを把握しておくのは当然だろう。初めはワルド呼び出して殺す。そのあとルイズを殺して逃げる。何も不安はない。
きっと成功する。成功させればこの予感もなくなるはずだ。パーティーはまだ終わっていない。しかしもうすぐ終わるだろう。
その時こそ、その時こそ...


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