ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第七話 タバサ-捜索者

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
ギーシュ戦から三日後…
明日から自室待機の学校閉鎖状態が終わり、授業が再開される。
事件に関しての生徒達の興味は少しはおさまってきたが、学院外部からの侵入者に対しての厳重警備は未だ解かれてはいない。
いったい何が真実なのであろうか。総てはまるで夢のよう。
真実は虚実、虚実は真実であり、夢は現、現は夢なのだ。

 第七話 タバサ-捜索者 その①

「…というわけで、私はあなたを召喚して、あなたは私の使い魔になったの。」
「つまりは、物体移動と契約(対象を僕として制限する)する能力というわけか。」
フー・ファイターズはまだ、スタンド能力だと勘違いしていた。
「(なんか完全に理解してくれてはなさそうだけど)大体そんな感じよ。」
一通り説明を終えたルイズ。フー・ファイターズは、自分が知らないだけでこういった土地があるのだろうと思っていた。
勘違いの力は恐ろしいものである。
また、使い魔として従うことに抗わないのは、命を張って自分を助けたルイズの黄金の精神に徐倫の影をを見たからである。
(徐倫達は大丈夫なのだろうか?)
徐倫達に思いを馳せるフー・ファイターズだが、ノックの音とともに考えるのをやめざるをえなかった。
ルイズがドアを開ける。
「キュルケ知らない?」
入ってきたのは水色短髪の少女だった。

 第七話 タバサ-捜索者 その②

タバサはある人物を探していた。そう、友人のキュルケをである。
ギーシュ戦のあった日から、キュルケの姿を見ていない。それにもう既に三日もたってしまっている。
タバサは不安になった。なんかあったんじゃあないのだろうかと。
でも一日二日程度ならまだ気にしなかった。でも、三日もたつとそれは無理ってもんだ。
最後にキュルケの姿を見たあのとき、タバサはギーシュ戦の結果を教えてくれと言われていた。
そのときの表情を思い出しても、蒸発するような人の表情じゃあなかったのをタバサは覚えている。
直前に男に会いに行くといっていたが誰かわからないので、キュルケと関係を持った複数の男達に話を聞きに行った。
話を聞くことができた男達はみな、知らないとのことであり、タバサを悩ませた。
けれども唯一話を聞けなかった男がいる。消去法でキュルケが会っていたのは彼だろうと推理はできた。
しかし、聞けなかった理由にタバサは胸糞が悪くなった。
なんとその男、ベリッソンは、キュルケが帰ってこなかった日の翌日に、………

自室でロープを首に括り、変わり果てた姿で級友に発見されていたのだ。

そうしてルイズのところに行くことを決心する。
普段からキュルケとは『喧嘩するほど仲がいい』な関係であるからだ。
そうしてルイズの部屋のドアをノックした。

 第七話 タバサ-捜索者 その③

ルイズはタバサから事のあらましを聞いて、協力することにした。
初めはうちは、どうせ男とにゃんにゃんしてるんでしょ、と思っていたが、タバサの話を聞いているうちに、本当に何かあったんじゃあないか、と思えるようになってきたからだ。
『将来、詐欺に合わないか心配だな。』とアヴドゥルを召喚していたら思われてしまうだろう。
「あのツェルプストーの色情魔め、まったくどこほっつき歩いてるのよ!」
いつも通りの悪態をつき、
「行くわよ、フー・ファイターズ!ちゃんと水持っていきなさい!」
とフー・ファイターズに指示を出し、一向は出発した。
勿論、タバサとルイズは別行動だ。二手に分かれたほうが効率がよい。
ルイズは考えた。誰に聞いたら情報が得られやすいかと…。
そうして、
(女といったらやっぱりあのスケコマシよ!)
という結論が出たので、まずはギーシュのところに向かうことにした。
一応まだ、医務室で療養中だ。
医務室に向かう途中、いつもと様子が違うマリコルヌが話しかけてきたが、とりあえず無視をしてルイズは医務室に向かった。
残されたマリコルヌはというと、
「どうせ僕なんて……」
と一人呟いていた。

 第七話 タバサ-捜索者 その④

「ギーシュ、あーん。」
「あーん。……(モグモグ)……おいしいよ、モンモランシー。やっぱり君が剥いた林檎は世界一ィィィィィィだ。」
「もう、ギーシュったら……(ハァト)」
医務室にはバカップルが一組。そのうち『最高記録だ!』と加速した時の世界で言いそうなくらいである。

あの決闘の後、意識が戻ったギーシュは、モンモランシーにケティとのいきさつを話した。
すべてを理解し、包み込んでくれるモンモランシー。
怪我によって動きづらいギーシュに対して献身的に付き添ってくれるモンモランシー。
ギーシュはバカップルにはならないように精一杯努力したが、ここまで献身的にしてもらっては我慢の限界である。
そうして二人はバカップル堕ちたのだ。

「モンモランシー、君は今、生理中だろう?」
「ど、どうしてわかったの、ギーシュ。」
「あの決闘の後、妙に嗅覚が鋭くなってね。」
《これは嘘。本当はヴェルダンテが偵察していた。》
「ギーシュのエッチ!…そんなエッチなギーシュにはもう一個林檎をむいてあげるわ。」
簡単に騙されるモンモランシー。完全にバカップルだ。
「ありがとう麗しきモンモランシー、でもその林檎は腐っているよ。臭いでわかるんだ。」
《これも嘘。適当に言っただけだ。》
「本当にギーシュって凄いのね。」
そういって、モンモランシーは林檎を捨てた。
こいつらはもう手遅れである。
丁度そのときドアを開けてルイズが入ってきた。

 第七話 タバサ-捜索者 その⑤

「キュルケについてなにか知らない?」
ルイズは細かいことは話さず、キュルケ失踪とタバサが心配しているということのみ話し質問した。
もちろん知っているはずがないギーシュ。
「いくらミス・ツェルプストーが綺麗といわれても、モンモランシーの前ではただの人さ。モンモランシーの美しさに目がいってしまって、他の情報が頭に入ってこなくてね。」
「…ギーシュったら、もう…」
話がかみ合っていない。
(こいつら、バカップルよ。これ以上は無駄ね。)
とルイズは判断し、病室をあとにした。
そのあと色々な人に聞いてみたが、全く成果はなし。
諦めかけたルイズの前をミス・ロングビルが通った。
「あの女にはまだ話しかけてないぞ。」
フーフ・ファイターズが言う。
それにルイズは反応し、
「そんなことわかってるわよ!……一応、ありがと。」
と返し、今日はこれで終わりにしようと考えた。

 第七話 タバサ-捜索者 その⑥

「あの、ミス・ロングビル、少し宜しいでしょうか?」
「どうしたの?別にかまわないわよ。」
ルイズの質問に対して快く返事をするロングビル。
内心は、
(早くしやがれコノガキが!)
である。
「ミス・ツェルプストーをご存知ありませんか?最近見かけないもので、彼女の友人が捜していました。何かここ数日間の、彼女に対して知っていることがあったら教えてください。」
ルイズのこの問いに対して、知らないで通すべきか迷ったが、嘘の情報で攪乱させることにした。
「たしか、たしかだから当てにならないかもしれないけど…」
ロングビルが引き伸ばしたように言うと、
「どんな些細な情報でもかまわないんです。教えてください!」
とルイズが真面目に返す。
その表情をロングビルは楽しみながら、嘘の情報を続けた。
「そうね、あれはギーシュ・ド・グラモンという生徒とあなたの使い魔が決闘をおこなってた日じゃなかったかしら…」
ルイズが息を呑む。
「オールド・オスマンにそのことを伝えようと急いでいたとき、窓の外をフと見たの。そうしたらミス・ツェルプストーが、あせったような感じで学園を抜け出していくのが見えたわ。」
「それで!?」
「それからはわからないわ。なにかドジをして逃げたんだと思っていたんですもの。私はあまり気にはかけてはいませんでしたし。」

 第七話 タバサ-捜索者 その⑦

それでもルイズは初めて得られた確かな情報に舞い上がっていた。
最後の最後でやっとのハーヴェストである。
ただそれが嘘とも知らずに…
そうしてロングビルに感謝の意を伝え、時間をとらせてしまったことに詫びをいれた。
(ほぉんと、おばかさぁん。せいぜい嘘と戯れてなさい。)
心中でルイズを侮辱しつつ、ロングビルは去って行った。

その後タバサと合流したルイズは、先ほど得た情報をタバサに伝えた。
しかしタバサは解せない様子でその情報を聞いている。
そういうタバサのほうはというと、結局、たいした情報が聞けなかったらしい。
ルイズは
『先生に相談してみたら?』
といったが、
『事件という証拠がない。相手にされない。』
と言われて返す言葉もなかった。

明日から授業が再開である。
フー・ファイターズの水槽の水を入れ替えて、寝る準備をしてから寝る。
「…おやすみ、フー・ファイターズ。今日はお疲れ様。」
「……おやすみ。」


本日フー・ファイターズが覚えた人名
「タバサ」「キュルケ(ツェルプストー)」「ベリッソン」「ロングビル」「オールド・オスマン」


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー