ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は静かに暮らしたい-3

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匿名ユーザー

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唇が離れる。
「終わりました」
顔を赤くしながらそう言った。照れているようだが照れるならしなければいいのに……
さっきの言葉を総合すると今のが私を使い魔とやらにするという宣言なのだろう。多分キスはそれの一旦だろう。
なにやら五月蠅くなったと思うとルイズと巻き髪の少女が言い合いをしている。それを先程の男性が宥めはじめた。
どうやら考え込んでいて周りへの注意が疎かになっているようだ。しかし考えが尽きないのだから困ったものだ。
そう考えている感じたことない感覚が身体を駆け抜ける!
「うぐああああああああああああああああああああああああ!」
体を抱きしめる!そうだ!これは熱さだ!
前はこんな感覚は感じなかった!しかし生きていた時の感覚として残っている!間違いない!
しかし私にとっては初めてと同じだ!耐えられるわけがない!
だが熱はすぐに治まった。どうやらほんの少しの間だったようだ。助かった。
何故こんな思いをしなければならないんだ!本当はターゲットがここに来るんじゃなかったのか!?
どうして私なんだ!幸福になりたいだけなのに!
「なにをした!」
「うるさいわね。『使い魔のルーン』を刻んだだけよ」
刻む!?一体何を刻んだというんだ!
「お前に何の権限があっ「あのね?」?」
いきなり話しかけられ勢いが削がれる。
「平民が、貴族にそんな口利いていいと思ってるの?」
「貴族?」
この娘が貴族だというのか?つまりここは外国か?今世襲貴族を認めているのはイギリスやヨーロッパ諸国だ。
ではなぜ会話が成立している?私は日本語で喋っているんだぞ?
くそっ!頭が爆発しそうだ!
「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」
中年の男性が踵を返す。そして……宙に浮かぶ。
他の連中も一斉に宙に浮かぶ。そして浮かんだ連中は城に向かって飛んでいく。
「……ハハハ」
笑うしかないというのはこういうことなのだろう。帽子がずれ落ちる。
もう私は理解しようとする意思はなかった。


ここにいるのは私とルイズの二人だけだった。
ルイズはため息をつくと私のほうを向いてくる。
「あんた、なんなよ!」
いきなり怒鳴ってくる。五月蠅いことだ。今の私はもはや混乱はない。とても冷静だ。
さっきのでもう色々吹っ切れたようだ。
「言ったと思うがね。私は吉良吉影。分かったら色々教えてくれないか?いきなり連れてこられて訳がわからないんだよ。」
「ったく!何処の田舎から来たか知らないけど、説明してあげる」
ありがたい。
その本当に色々聴いた。ルイズは本当に何処の田舎ものだという風に私を見ていたが気にしない。
総合するとここはファンタジーだ。ドラゴン、魔法使い、魔法学院、使い魔、召還、契約……
なんてものに巻き込まれてしまったんだ。
それに私は元の場所に戻れないんだそうだ。別の世界と繋ぐ魔法はないらしい。召還したというのにまったく無責任な話しだ。
足に何か当たったので足元を見ると弾丸が入った箱が落ちていた。
慌てて懐に手を当てる。銃の存在を確認できた。よかった。なくなっていないようだ。弾丸が入った箱を手に取る。
辺りは暗くなりかけていた。
その後ルイズに連れられ十二畳ほどの部屋連れてこられた。ルイズの部屋らしい。
ルイズは夜食のパンを食べている。
窓から空を見るととても大きい月が二つあった。まぁ眺めはいいかもしれない。
「このヴァリエール家の三女が、由緒正しい旧い家柄を誇る貴族のわたしが、なんであんたみたいな辺鄙な田舎の平民を使い魔にしなくちゃ
いけないの……」
突然口を開いたかと思えば愚痴だ。やれやれ、自分が召還したというのに。器の程度が知れてるな。
私の仕事は洗濯、掃除その他雑用だそうだ。
本来の使い魔の仕事は私では出来ないからな。
このままルイズのそばで与えられた仕事をこなしていけばさらに色々知ることができるだろう。
逃げるのその後だ。危険は少ないほうがいいに決まっている。
「さてと、色々あったから眠くなってきちゃったわ」
そう言うとルイズがあくびをしながら着替え始めた。そのまま下着になる。羞恥心が無いのか?
「じゃあ、これ、明日になったら洗濯しといて」
そういうとキャミソールにパンティを投げてくる。
そして大き目のネグリジェを頭からかぶる。
ルイズが指を弾くとランプの明かりが消える。
ルイズが布団にもぐりこむと暫らくして寝息が聞こえ始めた。
窓から月を見つつ手袋をはずし左の手の甲を見る。ミミズがのたくった様な模様が刻まれている。
これが『使い魔のルーン』というやつだろう。
手袋を嵌めまた月を見ながら思う。左手が戻ってきった。他人に見えるようになった。
生きているのと同じ感覚が味わえる。生命に触られても何の問題も無い。
結論から言うと吉良吉影は生き返った。
これからはどうやったら『幸福』になれるか考えていこう。
吉良吉影の使い魔としての生活が始まった


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