ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

第五話 ギーシュが来る!

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 第五話 ギーシュが来る!

只今朝食の時間。
けれどもギーシュとフー・ファイターズの決闘があると聞いて、朝食の時間にも関わらず、広場に人だかりができている。
「ほら、タバサも見に行きましょうよ~。」
「面倒臭い。」
第一話以降久しぶりの登場のキュルケと、相方のような存在の水色の短髪の少女・タバサも観戦しにきていた。
マリコルヌやモンモランシー、その他大勢もいる。

「よくきたな。覚悟はできているんだろうな。僕はできてる。」
ギーシュがフー・ファイターズに向けて言う。
「どうやらおとなしく話を聞く気はないらしいな。仕方がないが、ひとまず黙らせてやろう。そうすれば話を聞く気になるだろう。」
フー・ファイターズが返すが、それに対して更にギーシュが返す。
「よくもいけしゃあしゃあと!行け、ワルキューレ!」
ギーシュが造花の薔薇の花弁から、青銅のゴーレム・ワルキューレを2体つくりだした。
観戦している生徒たちが熱狂する。大盛り上がりだ。
しかしその中、キュルケは気が変わったようで観戦せずに去って行った。
「タバサ、ちょっと忘れ『男(モノ)』したから取りに行ってくるわ。結果報告宜しく!」
そう言い残して。

戦闘が開始して、ワルキューレはフー・ファイターズを挟んだかたちでスピアで突き刺した。
その様子に相変わらず観戦している生徒たちは馬鹿騒ぎをしているが、ギーシュは冷静だった。
「やはりなんともない様だな。」
ギーシュは理解していた。召喚の儀式の日に召喚されてきたそいうを観ていたからだ。
(『見る』んじゃあなく『観る』んだ!以前誰かにそう教えてもらった気がする。)
だからギーシュは他の生徒の使い魔も几帳面に『観』ていた。
そして、フー・ファイターズが形を成していくのを観て、スライム状の何かであろうと判断した。
正確には間違っているが、その判断は強ち間違っているとはいえない。
突き刺す、殴るといった類の攻撃は、フー・ファイターズには無意味だということに違いはないからだ。
「だから!跡形もなく、粉みじんに切り刻んでぶちまけてやる!」
ワルキューレは突き刺したスピアを思いっきり横に振る。それによりフー・ファイターズは真っ二つになった。
「くたばりやがれ、使い魔!」
そこに追加攻撃を加えようとする。しかしワルキューレの攻撃は空を切った。
なぜなら!フー・ファイターズは自らの上半身を弾丸のように飛ばし、ギーシュのほうに向かって行っていたからだ。
「うおおぉぉぉぉぉ!」
あせったギーシュは魔法で青銅を飛ばすが、空しくフー・ファイターズに取り込まれる。
そしてギーシュの所に到達した。
「お前がスタンド能力を発動させるキーはその杖みたいだな。これで終わりだ。」
持っている杖が落とされ、ギーシュはフー・ファイターズ(上半身)に首をつかまれた。

「あぁ、終わりだ。但し君のほうだがね。」
不敵な笑みを浮かべてギーシュが声を出す。
「僕の勝ちだッ!」
(何を馬鹿な。)
そう思ったとき、フー・ファイターズの体が徐々になくなっていく。
「な、何だってェェェェ!」
否!吸われているのだ!水分を!
「君が水分を必要としていたのは調査済みだよ。だからッ!君の取り込んだ青銅を、『砂に変えた』。水分をよぉーく吸い取るカラカラに乾いた砂の塊にね。」
バァァーーーーz______ンンンッ!!
「青銅を飛ばしたのは攻撃するためじゃあないのさ。『取り込んでもらう為』に飛ばしたんだ。」
ギーシュは敗者に説明する。
(杖は落としたはずなのに…)
フー・ファイターズは思った。
「今君は『なぜ、杖を落としたはずなのに』と、思っているだろう。」
よく見るとなぜかギーシュが杖を持っていた。
(どうして落としたはずの杖を持っているんだ。おかしい。太陽が西から昇ってくるくらいありえないッ!)
まるでギーシュはフー・ファイターズの心の中を読んでいるように答える。
「あれはッ!君が落とした杖はッ!君が傷つけたケティの杖だァッ!!」
そして続ける。
「地獄で詫びろ!ケティにな!!」
(やった。漸く勝った!ケティ、パラレルワールドのみんな、終わったよ。)
自然と心の中でその言葉が浮かんできた。
フー・ファイターズ上半身が消滅していった。上半身が。更に駄目押しでもう一度言うと上半身が…。
ギーシュは勝利を確信していた。つまり油断していた。
当然である。こういう認識が無意識の内にあったからだ。
(遂に倒したのだ。全てのギーシュにおいての共通の試練、ゼロの使い魔をやっつけたのだ。)
と。
ほっとするには十分だった。
だから、観戦者の声に気が付かなかった。
「おい、使い魔の下半身が動き出しているぞ。」
「走り出したッ!」
「おい、ギーシュ!後ろ後ろ!」
ギーシュが気が付いたときには既に遅かった。
「へ?」
跳び蹴りがギーシュにあたる。そしてすごい力でマウントポジションをとられ、触手状になった体の一部にしっかりと固定される。
そして顔の形を成し、どっかで聞いたことがあるような決め台詞を言う。
「相手が勝ち誇ったとき、既にそいつはもう敗北している。」
更に続ける。
「お前が上半身を狙ってくるのはわかっていた。だから本体を下半身に移したッ!」
現在の状況を理解し、打ち勝つすべが思い浮かばず、ギーシュは悔し涙を流した。

そのときギーシュを呼ぶ声がした。
「ギーシュ様…。」
「ケ、ケティ。」
目が覚めてから決闘の話を聞き、医務室のメイジに肩を借りて急いでやって来たのだ。
「ごめんよケティ。君の尊厳を守ることができなかった…。」
そこでケティが悲しそうな表情で口を挿む。
「ギーシュ様、話を聞いて下さい…。」

~~赫々然々でキングクリムゾン~~

「…そうだったのか。すまなかった、えぇとフー・ファイターズ君。勘違いしてしまって…。あわせる顔がない。」
詫びを入れたギーシュを、フー・ファイターズは受け止める。
そして観戦者の生徒達が、決闘が終わったので授業に向かおうと一息ついた瞬間だった。
広場の端にある塀の方から大量の石飛礫が勢いよく飛んできて数名の生徒に命中する。
最近の『スレ』の傾向から100%マリコルヌには命中したのは言うまでもないことだが…。
そしてお約束でケティのほうにも飛んできた。
だが、咄嗟に庇ったギーシュに全弾命中する。ギーシュはチーズのような無数の穴を空けてピクリとも動かない。
フー・ファイターズが飛んできた方向を見ると、人影らしきものが見えたがすぐに消えてしまった。
しかし今は追いかけるよりギーシュの手当てが先決である。
治療室のメイジに目をやるフー・ファイターズ。
しかし手の付けようのない大怪我に彼女は絶望していた。ケティも泣き崩れている。
「誰か、水を急いで出してくれ!応急措置をする!」
ほとんどの水のメイジが諦めきってしまって動こうとしない、そのとき!
「私に任せて!」
という声が聞こえた。横を見るとロール髪の少女が立っていた。
「水があればいいのね?」
「あぁ。」
ロール髪の質問に返答したと同時に、ロール髪は呪文を唱えて水を出した。
その水の力で分裂したフー・ファイターズは、ギーシュに空いた無数の穴を埋める。
「これで出血多量はなくなった。それに穴も完全とはいえないが塞がった。あとは治癒の魔法をかけるだけだ。」
この言葉を合図に、ロール髪は雑念を一切排除して治癒の魔法をかけていく。
他の生徒達はギーシュほどの怪我ではないにせよ重軽傷を負っていたので、駆けつけた治癒の魔法を使えるメイジ達にそれぞれ治療をしてもらう。
そしてこの日、医務室は混み合い、授業は中止になり、生徒は自室待機となった。

その頃、ルイズはというと…
「…ジョータローは……私のことが…好きみたいね……。…ざまあみなさい…キュルケ………。今は貧乳の…時代…なのよ……。」
という感じでパラレルワールドの夢をみていた。

フー・ファイターズ スタンド『フー・ファイターズ』…水により復活。
ギーシュ・ド・グラモン 二つ名『青銅』…重傷。治療により数日で復帰できそう。
マリコルヌ・ド・グランドプレ 二つ名『風上』…軽傷。次の出番は未定。
ケティ・ド・ラ・ロッタ 二つ名『燠火』…骨折の治療中。
モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ 二つ名『香水』…このあとギーシュに付きっ切りで看病し、目が覚めたばかりのギーシュにケティのことを問い詰める。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 二つ名『ゼロ』…夢に関しては全く覚えていなかった。
タバサ 二つ名『雪風』…無傷だった。

to be continued…

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