ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は今すぐ逃げ出したい-6

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匿名ユーザー

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「わたくしは、ゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったのですが……」
王女がいかにも私は悲しんでますみたいな口調で話し出す。
聞けばアルビオンとかいう国の貴族が反乱を起こしたらしく、今にもアルビオンの王室は壊滅しそうな状況らしい。
反乱軍が勝利したら次にトリステインに進攻してくるであろう。
なのでトリステインとゲルマニア(キュルケの母国だったか?)との同盟を結ぶため王女はゲルマニア皇帝に嫁ぐらしい。
しかしアルビオンの貴族は同盟を望んでいないので婚姻を妨げる材料を探しているんだそうな。
「で、もしかして、姫さまの婚姻をさまたげるような材料が?」
なんとなくルイズもわかったのだろう。顔を蒼白にして王女に確認を取る。
「おお、始祖ブリミルよ……、この不幸な姫をお許しください……」
王女は顔を両手で覆い床に崩れ落ちた。やっぱりあるんだな。しかしどうしてこうも芝居がかった仕草なんだろうな。
ルイズが興奮した様子でそれが何なのか聞く。
「……わたくしが以前したためた一通の手紙なのです」
王女は顔を覆ったまま呟く。
その手紙がアルビオンの貴族に渡ったらトリステインとゲルマニアの同盟は無かったことになるらしい。
手紙一通で国の命運が左右されるとはね。
手紙はアルビオンにあるらしい。しかし反乱軍が持っているというわけではなくその反対勢の王室側が所有しているらしい。
手紙を持っているのはウェールズという皇太子だそうだ。
それを説明すると王女はベッドに体を横たえる。
「ああ!破滅です!ウェールズ皇太子は、遅かれ早かれ、反乱勢に囚われてしまうわ!そうしたら、あの手紙も明るみに出てしまう!そうなったら破滅です!
破滅なのです!同盟ならずして、トリステインは一国でアルビオンと対峙せねばならなくなります!」
「では、姫さま、わたしに頼みたいことというのは……」
「無理よ!無理よルイズ!わたくしったら、なんてことでしょう!混乱しているんだわ!考えてみれば、貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて
危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」

嘘付け!クソッ、こんなことだろうと思ったぜ!何か嫌な予感はしてたんだよ!王女のこれ見よがしな態度とかよーーーー!
「何をおっしゃいます!たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向かいますわ!姫さまとトリステインの危機を、
このラ・ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけには参りません!」
ルイズは膝を突き頭を下げる。
「『土くれ』のフーケを捕まえた、このわたくしめに、その一件、是非ともお任せくださいますよう」
何言ってるんだこのバカは!?フーケと比べてどうする!?戦地に行くんだぞ!?無能かお前は!?危険を認知出来ないのか!?
王女と一緒に自分に酔ってるんじゃねぇ!
しかしこんなこと思っていても何も変わらない。
それに文句を言うべき相手にこの国の王女が含まれているんだ。さすがに軽率な行動や発言は出来ない。
なのですべての感情を押し込め顔に出ないようにする。
皇太子にあって手紙を受け取って戻ってくる、それがルイズに下された任務だ。
どうせ戦地だから危険な目にあうだろう。フーケに時みたいに都合よく行くはずはない。
それにどうせ戦うのは私だしな。
そして明日の朝にアルビオンに向けて出発することになった。
それにしても如何してルイズなんだ?そんなに重大なものなら普通国の先鋭に任せないか?
まさか本当にともだちだからって理由で戦地に行かせるのか?どんな友情だよ。
いや、ものは考えようだ!アルビオンに行ってそこでルイズを殺す。そしたら誰にもばれないしな。
別にこの国が滅びても私に関係ないし、アルビオンが内戦中ならその混乱に乗じて完全に自由の身になれるのも夢じゃない!
何者も私を追いかけてくる者なんていない!これはチャンスなんだ!
今度こそ幸福への一歩を踏みしめてみせる!


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