ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は静かに暮らしたい-23

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匿名ユーザー

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デルフリンガーの錆びは完全には落ちなかった。
錆が落ちたとかそういった感じじゃなく錆が少なくなったといった感じだ。少し見れるようになったといえばいいか。
しかし根気よく続ければ落ちるだろう。今回デルフリンガーに錆び落としの仕方は教わったしな。
部屋に戻りデルフリンガーをそこら辺に置きベッドに寝転がる。
ルイズが帰ってくるのはまだ先だろう。
やはりベッドはいいものだ。床とは全然違う。
眠くなってきたな。もうこのまま寝てしまおうか
そうだな、寝よう。言い訳なんていくらでも出来るさ。
そして目を閉じ意識を手放した。
……だんだんと意識が覚醒していく感じがする。頭がはっきりとしてくる。
目を開け起き上がる。やっぱりベッドだと良く眠れるものだ。
ふと横を向くとそこにはルイズが座っていた。ルイズは何故かは知らないが私に気づいた様子はない。
様子が変だな。
暫らく観察してみると、急に立ち上がったと思ったら再びベッドに座るという動作を繰り返していた。
様子は変だが静かなことはいいことだ。気づかないならもう少しベッドに寝転がっていよう。
そのまま寝転がろうとするとドアがノックされる。ルイズは何も反応しないから無視すればいいか。
ノックは規則正しく、初めに長く2回、短く3回続けられる。何かの暗号みたいな感じだな。
ノックの音を聞いていたルイズは突然顔を上げる。そして急いでドアに近づく。なんだ、ルイズの知り合いか?
ドアが開きノックをしていたと思われる人間が部屋に入ってくる。あたりを伺うように首を回し後ろ手にドアを閉める。
そいつは真っ黒な頭巾をかぶり顔を隠しており、体も真っ黒なマントで覆っている。多分だが女だ。何者だろうか?ルイズの知り合いというのは間違いなさそうだが。
「……あなたは!?」

ルイズが驚いた声を上げる。頭巾の女が静かにしろという風に口元に指を立てる。
そして女はマントの隙間から水晶の付いた杖を出し短くルーンを唱え振るう。光の粉が部屋中を舞う。それなりに綺麗だ。
「……ディティクトマジック?」
ルイズがたずねると女が頷く。
「どこに耳が、目が光っているかわかりませんからね」
女はそう言うと頭巾を取る。女の顔はスラリとした顔立ちだった。薄い青の瞳をしていて年も若そうだ。
「姫殿下!」
ルイズが中々の勢いで膝をつく。
姫殿下?この女が王女?コルベールが言っていたアンリエッタ姫か!なんでこんなところに!?とりあえずベッドの上から下り立ち上がる。
「お久しぶりね。ルイズ・フランソワーズ」
王女はそう言うと感極まった表情で膝をついていたルイズを抱きしめる。
「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしきルイズ!」
王女は抱きつきながらルイズに喋りかける。
「姫殿下、いけません。こんな下賤な場所へ、お越しになられるなんて……」
ルイズが畏まった声で王女に話しかける。
「ああ!ルイズ!ルイズ・フランソワーズ!そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい!あなたとわたくしはおともだち!おともだちじゃないの!」
「もったいないお言葉でございます。姫殿下」
ルイズは随分と緊張しているようだった。当たり前か。お姫様だもんな。しかし今王女はおともだちとか言ってなかったか?
「やめて!ここには枢機卿も、母上も、あの友達面をしてよってくる欲の皮の突っ張った宮廷貴族たちもいないのですよ!ああ、もう、わたくしには心を許せる
おともだちはいないのかしら。昔馴染みの懐かしいルイズ・フランソワーズ、あなたにまで、そんなよそよそしい態度を取られたら、わたくし死んでしまうわ!」
そんな大げさな……
「姫殿下……」
ルイズは感動したように顔を上げアンリエッタを見る。
なるほど昔馴染みね。二人は昔話に華を咲かせている。
その会話を聞く限りどうやらルイズは子供のころの王女の遊び相手だったようだ。
二人は自分たちの世界に入っている。正直うざかった。



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