ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は手に入れたい-42

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匿名ユーザー

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金が用意できることにルイズは相当疑問を持ったらしく、金が用意できる理由を激しく追究してきた。
それに対し、私はただ立て替えてくる人間がいるとだけ答えた。
ルイズはもちろん立て替えてくれる人間、そして立て替えてくる理由を追究してきた。
しかし、そこらへんは立て替えてくる者に都合が悪いとかなんとか言って適当にはぐらかしておいた。
はぐらかす理由はもちろんある。
コルベールに払ってもらえるかどうかは確実じゃないからだ。
正直に話せばきっとルイズは色々喚きたてるだろう。
もしかしたら竜騎士隊を動かしてもらえないかもしれない。
それはごめんだ。
だからとにかくはぐらかし、払えるということだけを伝えるに限る。
もしかしたら話したとしても、コルベールならありえる、みたいな反応を返すかもしれないが。
「わかったわよ。頼んであげる。どうせ竜騎士隊に運び賃渡すときにあんたが隠す奴の正体もわかるんだし」
ついに根負けしたのかルイズは竜騎士隊に頼んでくれることになった。
やはり頼みごとをするときは粘り強さが必要だ。
断られてすぐに諦めてはいけない。
「まったく、なんでわたしがこんなことしなくちゃいけないのかしら?」
「まあ、そう言うなよ。燃料確保できたらゼロ戦に乗せてやるからよ」
「え!?」
「ヨ、ヨシカゲさん!?」
「ん?」
なんだ?
どうしてそんなに驚いてるんだ?
「別に驚くようなことでもないだろ?ルイズもゼロ戦にいくらか興味を持ってたみたいだしな。竜騎士隊に頼んでくれる礼に乗せてやるってだけじゃないか」
今後もうまく利用できるように媚を売っておくのも大事だと思って言ったのだがそんなに驚かれるとは予想外だったよ。
しかもなんでシエスタまで驚いてるんだ?
お前が驚くところなんて何一つなかっただろう。
「ま、まあ、あんたが乗って欲しいっていうんなら乗ってあげてもいいわよ」
「いや、そんな乗りたくないなら無理に乗らなくてもいいが」
高所恐怖症なのだろうか?
アルビオンに行くさいに船に乗ったときは怖がる様子もなかったような気もするけどな。
船は安心だと思っていたのかもしれない。
それはともかく、ルイズはあまり乗りたくないようだ。
人に言われて乗るようなら乗らないほうがいいだろ。
本人が嫌がっている証拠だ。
そんな嫌がっているものに無理やり乗せれば媚を売るどころか大顰蹙を買ってしまう。
ゼロ戦に示していた興味は空が飛べるからであって空が飛びたかったわけではないのだろう。
しかし、
「誰もそんなこと言ってないでしょ!」
「はあ?」
ルイズはそんなわけのわからないことを言い始めた。
意味がわからない。
乗りたくなかったのではないのか?
「ヨシカゲさん!私も一回でいいですからゼロセンに乗せてください!」
「え?ああ、いいけど」
本当に女っていうのは意味がわからない。
乗りたくないようなことを言っておきながらそんな事は言ってないとか。
関係ないのに話に突然入ってくるとか。
そんなことを考えながら、足を動かし始める。
「あれ?どこ行くの?」
「そっちは家じゃないですよ」
そんなことはわかってる。
「たしか草原ってこっちだったろ?寺院がこっちだったからな。もうすぐ夕暮れだ。夕暮れ時が一番綺麗なんじゃなかったのか?」
「あ、そうでした。草原に行くんでしたね」
忘れてたのかよ。
私はそれを楽しみにここまでわざわざ来たんだぞ。
「確かに今から行けば丁度いい頃合いですね」
「そうか」
別にその頃合いになるまでその場で待っていてもよかったんだけどな。
「それじゃあ早く行きましょうよ」
ルイズもそう言って歩き出した。
お前も行くのか。
「そうですね」
シエスタもルイズの言葉に追従し、歩き始める。
暫らく歩いているといつの間にか二人とも私の両脇に並んで歩いていた。
やれやれ。デルフがこの前言ったとおり両手に花だがこれじゃあな。
普段キュルケを見てるせいかこの二人じゃ物足りない。
「ヨシカゲって実は物凄いわがまま?」
「かも知れませんね」
「さあな」
「だってさっき駄々っ子みたいだったしね」
「いつもと違ってて少し可笑しかったです」
「そうね。あそこで断ってみるのも面白かったかもしれないわ」
「おい、まさか頼まないなんてことは」
「冗談よ。ちゃんと頼んどいてあげるわ。わたしはした約束をやぶるような人間じゃないわよ」
「クスクスクス」
草原へ向かいながら、そんな会話で盛り上がっていた。
私以外が。


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